動労水戸ブログの再開

 しばらく休んでしまった動労水戸ブログを再開致します。

 8月末の国分副委員長のラストランを会社が問題視し、それをめぐって動労水戸の中でも意見が分かれました。
 この問題を定期大会を通して集約し、動労水戸は組合員と労働者を守る立場で、労働運動を進める方針を固めました



 この間にも「水郡線サイクルトレイン」や「水戸線ワンマン運転」についてのJR水戸支社との交渉などがありました。また、動労総連合では「仕業検査の延伸」や、「期末手当」のJR本社交渉がありました。

 「水郡線サイクルトレイン」や「水戸線ワンマン運転」の交渉では、会社は乗客の安全をまったく考えることなく、なにか施作を進めればいいと言わんばかりの対応でした。



 JR本社との交渉も同様で、列車の安全・安定輸送を担保する仕業検査を経費削減のために延伸したり、コロナ禍による減収を盾に社員の生活を平気で破壊しようとしていることに、あらためて怒りを感じました。

 JR東日本は、2023年3月期決算を黒字化することを打ち出しました。そのために列車の減便や車両の削減をしていくことを打ち出しています。それは紛れもなく労働者の働く場所を奪うものです。その号令が「変革のスピードアップ」なのです。



 これは国鉄分割民営化を越えるような、労働者をボロボロにしかねないものです。国鉄分割民営化では、労働者は明日どうなるかわからないところに追い込まれ、200人を越える労働者が命を絶ってしまいました。

 私たちはあのような悲劇を絶対に繰り返させてはならないと考えています。そのために労働組合としてなにができるのか。労働者が団結さえしていれば、たとえ苦しいことがあっても仲間と一緒に生きていけるのではないか。そのように考えます。動労水戸は小さな労働組合ですが、一緒に生きる仲間と共にJR東日本と渡り合ってきました。私たちはJR東日本の現場で働く仲間たちに、一緒に生きる仲間がいれば絶対に乗り越えられるということを伝えていけたらと思っています。

 

列車が安全に走るためには

 水郡線では8月3日に、小塩江–谷田川間で倒木があり、列車の運行が大幅に乱れました。こうした倒木は7月には4件も発生しており、列車の安全が確保できない非常事態と言えるような状況です。
 


 動労水戸では、何年も前から倒木を防ぐための対策をJR水戸支社に要請してきましたが、一向に対策がとられていないと言わざるを得ません。
 それどころかJR東日本では、コロナ禍での損失を回復させるために、こうした倒木対策への予算を削減しているとも言われています。

 列車が安全に走るためには、鉄道に関わるすべての業務が一体となって維持されていることが必要です。
 しかし現在では業務ごとの委託が進んでいます。水郡線では、線路の検査すら委託になっています。また水郡線営業所の保線科は営業所から切り離され、水戸保線技術センターの派出とされてしまいました。
 あらゆる業務が委託や統合されてしまい、責任をもった業務が確保されているのか、不安が増すばかりです。

 こうした会社の姿勢は、株主の利益を確保するためには、列車の安全を切り捨てるとしか見ることができません。
 1ヶ月に4件も倒木が発生することが当たり前になってしまったら、必ず脱線などの
大事故がおこるのではないでしょうか。実際に大船渡線では脱線が起きてしまいました。

 

 倒木等はあたかも自然災害のように言われますが、私たちから見たら防ぐ対策を怠った人災でしかありません。こうした状況で乗務員は、「明日は我が身」の思いで、列車走らせています。労働組合として、こうした状況を放置するわけにはいきません。

 JR東日本は労働組合を敵視し、会社の施作を進めさせる「社友会」を育成しています。この「社友会」では、列車を安全に走らせる対策をとることはできません。安全を確保するために現場労働者の力を結集し、安心して働いていくために労働組合を盛り上げていきたいと思います。

コロナ感染防止対策で団体交渉

 動労水戸は7月14日、コロナ感染防止対策でJR水戸支社と交渉を行いました。
 組合では、勝田駅といわき運輸区の集団感染といえる状況の事実経過、列車の乗務員室のマイク類の消毒、ワクチン接種の対応を申し入れました。



 勝田駅といわき運輸区の感染について会社は、「職場内の集団感染ではない。保健所から当社の対策は良い取り組みと言われている。時を同じくして陽性者が出たが、濃厚接触者はなかったと言われている」と回答しました。

 また、濃厚接触者とは別に「接触者」として保健所から指定されることがあり、指定されれば会社の判断で検査を受けさせていることも明らかとなりました。


 一方で、「感染経路は分からない」としており、複数人がどう感染したのか掴めていないことも明らかとなり、職場の不安を払拭することはできませんでした

 マイク類の消毒については、会社は「不安であれば各自でやっていい。除菌スプレー持たせていますよね。マイクも個人の判断でやってますよね。」との回答でした。この回答には会社の無責任さを感じざるを得ませんでした。マイク類は業務上使用するものであり、乗務員にはそんな作業をする余裕はありません。会社が責任を持って行うべきです。



 ワクチン接種の対応では、会社は接種の強制はしないと回答しました。一方で接種翌日を勤務免除にする要求に対しては、通達に則るとして具合が悪いときとして譲りませんでした。
 ですが乗務員などは、乗務の途中で具合が悪くなってもすぐに交代できるわけではなく、急遽の代替の手配や列車遅延のリスクを考えるべきではないでしょうか。また管理者に言われたら頑張って乗務しようとする人がいないとも限りません。


 ワクチン接種をしたらまずは静養に努めることを指示することが、列車の安全を意識付けるためにも有効だと思います。



 皮肉にもこの日、新宿駅での集団感染が発生してしまいました。国や政府と同様に、会社の認識は不十分だと感じます。自分の身は自分で守ると同時に、会社に対しても安全の確保を求めていきましょう。

JR水戸支社に申し入れ

 動労水戸は6月14日に、「コロナ感染防止対策」と「水郡線サイクルトレイン中止」の申し入れを、JR水戸支社に出しました。
 
「コロナ感染防止対策」では、4月に勝田駅といわき運輸区で発生した、クラスターといえる状況について事実経過を求め、乗務員の感染防止対策やワクチン接種に関する対応を求めています。

 水戸支社は、感染防止対策として社員には懇親会等の自粛を指示したり、駅や走行中の車内での消毒作業を行っています。

 この車内での消毒作業は、利用者が車内にいるところで行われています。その理由を現場の管理者に聞いてみたら、「消毒作業を利用者に見せるため」と語っています。利用者が座席に座っているところで、消毒作業をするのはどうなのでしょうか。大きな疑問を感じます。

 一方で、乗務員が交代で使用するマイク類は放置されたままになっています。「コロナ感染防止対策」は、何よりも社員への感染防止に全力をあげるべきではないでしょうか。社員の安全確保こそが、利用者への安全確保の第一だと考えます。


 「水郡線サイクルトレイン」では、そもそも自転車をそのまま列車に持ち込むことは禁止されています。その原則と根拠を明らかにするように求め、そしてその他の利用者への影響について、どのように考慮したのかを求めています。

 すでにこのブログでも掲載しましたが、5月から始まった実証実験では、乗車口に自転車が集まってしまい、その他の利用者の乗車の妨げになっています。

 ところが水戸支社は、「利用者の要望」を理由として、7月から自転車を持ち込める列車を拡大しようとしています。水戸支社の人たちは、どこを見て仕事をしているのでしょうか。


 「水郡線サイクルトレイン」は、9月までの「実証実験」として行われています。それならば、いま起きている状況を検証しなければならないはずです。「要望」のみで実験を進めるのは、他の利用者や列車の安全を、まったく考えなていないことだと言えます。

 動労水戸は、利用者のことも安全のことも考えないで進められる「水郡線サイクルトレイン」について、中止を求めていきます。

JR東日本夏季手当がさらに減額!

 6月10日にJR東日本は、夏季手当の回答を出しました。基準内賃金の2.0ヶ月で、コロナ禍を口実にして、昨年よりもさらに引き下げてきました。日本経団連の中心的な企業として、ひたすら人件費削減に突っ走っているとしか言えません。企業の生産を担っている労働者の生活を何だと思っているのでしょうか。


 動労水戸の上部組織の動労総連合では、JR東日本本社と二度の夏季手当交渉を行なってきました。
 組合からは、コロナ禍を理由とした昨年の手当は、夏季と期末手当で一昨年より1.4ヶ月以上の減額となり、社員の生活が苦しくなっていることや、定期昇給の半減で今後の見通しも厳しいこと、さらに社員はコロナ禍の中で、最前線で働いており、さらに各自が対策をとっていることからも、安心して働けるための要求をしてきました。



 これに対して会社側は、冒頭では「社員には社会的使命を果たしてもらった」としながら、コロナの影響で収入が大幅に減っており、支給については厳しい状況としていました。その上で会社は、「変革2027」に向けて構造改革を進め、一年で黒字化するための「決意と実行」の一年にすると主張しました。

 会社側の示した認識では、昨年度赤字に転落した営業収益を、一年で5千億円程度回復するとしています。しかしこのような収益増は、これまで見たことはありません。しかも、会社自ら「コロナ以前には戻らない」と言っているのです。まるで「厳しい状況だから我慢しろ」、そのための「決意と実行」と言っているようです。「欲しがりません勝つまでは」の思想を強制し、さらにコスト削減を強行しようとしていると感じます。



 会社はこうした考えのもとで、「現業機関における柔軟な働き方の実現」や「副業」施作を打ち出しています。会社の利益のために現業機関の構造改革を進め、賃下げするから副業しろと言っているようなものです。しかしこんな働き方では、多くの人命を預かる鉄道の仕事は崩壊しかねません。なによりも現場で働く労働者のモチベーションは、萎縮し低下しています。そうしたことが重大事故を引き起こしてしまいかねません。


 会社が厳しい状況だろうと、労働者の生活をしっかり守ることが第一です。労働者が安心して働けることが必要です。
 会社の次々に繰り出してくる施作は、労働組合解体によって労働者の要求を聞く必要を無くしています。今のままでは、労働者は会社の施作に戦々恐々としながら、生きていかなければなりません。私たちは労働組合として、こんな状況をなんとか変えていくために、現場労働者の声をひとつにしていきたいと思っています。一人一人の労働者の思いをみんなで共有し、力を合わせて働いていける職場にしましょう。みんなが主人公となる、労働組合を取り戻していきましょう。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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