サイクルトレインは利用者の安全の確保を!

 JR水戸支社は水郡線の一部定期列車に、自転車をそのまま持ち込める「水郡線サイクルトレイン」の実証実験を、5月1日かから開始しました。
 この企画は水戸支社営業部の主導で始められたようですが、乗務員からは一般の利用者への影響や安全の確保に対して、不安の声が上がってます。

 

 海外では自転車をそのまま持ち込んでいるところもありますが、日本の在来線は狭軌と言われる線路であり、車内の幅も3m程しかありません。この車内にそのまま自転車を持ち込めば、座席のない乗車口付近に自転車が集まることは必然です。そうなれば他の利用者の妨げになってしまいます。実際に、乗車しようとした人が他の乗車口に移動することが確認されました。
 だからといって座席脇の通路に持ち込めば、車内の通行の妨げになります。在来線の車両では、そもそも自転車を持ち込めるスペースの確保が困難だと言えます。


(サイクルトレイン専用に改造された「B.B.BASE」)

 また水郡線の列車の速度は、今回実証実験を行なっている区間では95km/hです。
 水郡線では倒木や猪などとの衝突が、年に何度も発生しています。こうしたときには、乗務員は非常ブレーキをかけています。
固定されていない自転車が、こうしたときには転倒しかねません。これによって怪我人が出れば、一層の負担と遅延が発生してしまいます。乗務員は、こうしたことを懸念しています。



 今回の実証実験の初日には、指定した列車以外への自転車の持ち込みを、営業部の「特認」で強行される事態も起きています。
 鉄道の運行は、様々な規程のルールによって行われています。今回の実証実験でも、事前のルールがあります。これを「特認」によっていとも簡単に破り捨ててしまったのです。こんなやり方の企画は、利用者を危険にさらすなにものでもありません。

 私たちは、鉄道運行の現実を無視し、ルールさえ簡単に破ってしまう、今回の企画に反対します。すべての利用者の安全を確保するために、現場から声を上げ続けていきたいと思います。




エルダー再雇用をも悪用した労務支配を許さない❗️

 来年度定年を迎える組合員のエルダー再雇用をめぐって、動労水戸は3月23日にJR水戸支社と団体交渉を行いました。
 組合員への再雇用先の条件が、本人希望とかけ離れていて承認できないこと、また6名の組合員全員にMTS出向の提示がされたためです。


 さらに会社は、会社の示した条件を承認し期限までに申し込まないと「就労の意思がないものとみなす」と組合員に迫り、本人希望と違う再雇用先の提示理由を聞いても、一切説明を拒んできました。こうした現状から、組合が団体交渉を申し入れたのです。

 本来ならこのエルダー再雇用制度は、前年の10月〜11月に提示することを、会社の資料では示しています。これが年々遅らされ、今回は3月5日からの提示となりました。それに問答無用で会社の提示に従えというものです。



   対象者から何度も希望を聞いて再雇用先を確認していながら、「嫌なら辞めろ」という扱いがされています。65才まで雇用義務があるのは会社であるにもかかわらず、あくまで労働者を屈服させるのがJR東日本の再雇用制度だといえます。


 組合では交渉において提示理由の解明と本人希望に添う再提示を要求しました。
 しかし現場では交渉があることを無視して、連日管理者が本人への判断を迫ってきました。水戸支社も、現場でのやり方に対する組合の抗議に対し、「期限は期限。団交は団交」と、団体交渉の形骸化を狙ってきました。



 組合と対象の組合員はギリギリの選択に迫られながらも、この攻撃を押し返すために屈服しませんでした。

 団体交渉の前段では、組合員に期限を迫ったことを弾劾し、交渉の中身で判断してもうしこんだ場合に受け付けることを要求しました。
 
 ここにおいても会社は「一旦預かる」などとして、あくまでも要求を拒否しました。


 組合員が交渉の回答に不本意ながら翌日に申込書を出すと、翌々日には再雇用契約書を組合員に渡してきました。
 会社は再雇用をさせなければならないことを十分に認識しているのです。
 組合員は不本意ながら契約書に署名したことによって、再雇用は成立しました。

 交渉では組合員の経験や技能などが生かされないことが明らかでした。にもかかわらず会社は、再提示について拒否し続けました。



 今回の提示は、40年にもわたって働いてきた労働者に対して、改めて屈服を迫るものです。現場で労働者の団結を大事にする労働者を、現場から引き剥がす攻撃です。年金受給年齢が引き上げられる中で生きていかなければならない労働者に対して、再雇用さえも団結破壊の道具にしています。


 私たちはこうした攻撃をあくまでも許さず、労働者が安心して働ける職場にしていくために、職場での団結拡大を目指して組合運動を取り組んでいきます。団結こそが安心して働ける職場をつくることができます。
 苦渋の選択をせざるを得なかった組合員の思いをしっかりと受けとめ、会社の労務支配を打ち破るために闘っていきます。



3月23日エルダー団交に注目❗️これが40年も務めた先輩へのやり方か❗️❗️

 過日、2021年度に60歳定年を迎える先輩方にエルダー再雇用先が提示されました。会社のパンフレットによると本来であれば昨年10月〜11月に提示され、その内容で良ければこの2月〜3月に再雇用申し込みを行い、年度末までに再雇用契約を結ぶという運びになります。




 ところが、今年は再雇用先が提示されたのは3月5日以降(遅い人は3月10日の人も)で、申し込みの期限は当初3月15日までと言われました。

 エルダー再雇用先が希望通りの人はすぐにでも申込書を出して手続きに入れますが、まったく希望していなかった職種や勤務地を提示された者にとっては、他の仕事を検討したり探す時間もありません。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwiun4zAicPvAhXDZt4KHWQABN8QFjADegQIBRAD&url=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXLRSP470672_W8A200C1000000%2F&usg=AOvVaw1b1vYPsoYbXe0h0D8IvtJQ


 そもそも、エルダー再雇用制度は、年金受給年齢が引き上げられ、高齢者雇用安定法が制定されたことから、会社は労働者を65才まで雇用しなければならないという義務が課せられたことから始まっています。

 法の趣旨からすれば、労働者が年金受給年齢まで安定した生活を送れるように会社は責任をもって雇用しなければならず、単に就労条件を提示すれば良いというものではないはずです。


 
 だから、会社は定年となる何年も前から何度も面接を行い、労働者の希望をきく機会を作ってきたのです。結果的にすべての対象者が希望どおりの職種・勤務地になるとは限りませんが、そうした場合こそ、丁寧な説明が必要であり、可能な限り希望に近い職種・勤務地を探すことが求められるのではないでしょうか。

 今回提示された中身は、動労水戸組合員以外の対象者では、希望どおり本体エルダーが数多くいる中で、動労水戸の組合員は6名全員がMTS出向。運転士に限っていえば、動労水戸以外は全員希望どおり運転士エルダーなのに対し、動労水戸組合員は全員MTS出向、うち1人は運転士資格さえ不要なMTS清掃と提示されました。



 当然、納得がいかない組合員はどうして自分がその職種・勤務地になったのか、理由を明らかにしてほしいと現場長に迫りましたが「自分は伝書鳩だからわからない」などと、まったく具体的な説明はありませんでした。

 そこで組合では、提示した内容となった理由を明らかにせよ、希望に沿った職種・勤務地に再提示せよと申し入れ、その団体交渉が3月23日に設定されました。

 これに対し会社は、あろうことか、団交より前の3月19日や3月22日を申込書の提出期限として、「期日までに提示された内容で申込書を提出しなければ就労の意思がないものとみなす」「団交は団交、期日は期日」とまるで団交を無視したものの言い方をしてきたのです。

 そもそも、会社が自らが決めたエルダー再雇用先の提示のスケジュールを大きく遅らせておいて、提示した条件が本人希望とかけ離れていても理由も言わず、嫌ならやめろと言わんばかりです。
これが、40年も務めてきた先輩方に対するやり方なのでしょうか。



 エルダー再雇用先を決めるのは会社に人事権がある、と人事権を振りかざして労働者に諦めと絶対服従を迫るものです。希望した職場と裏腹に一方的に転勤させるジョブローテーションの問答無用のやり方と同じです。

 これは、職場の中での労働者どうしのつながりを断ち切る団結破壊の攻撃であり、労働組合を解体する攻撃です。

 また、若い仲間がムリヤリ出向させられた検修・構内外注化の目的は「エルダーの雇用の場の確保と技術継承」と言われていました。経験豊かな高い技術力を持つ車両職の先輩がエルダーとなる今こそ、そのノウハウが活かされるべきではないのでしょうか。



 労働組合は労働者の雇用を確保しなければなりません。そして、労働者の働く誇りを守らなければなりません。
 私たちは、組合員の思いを実現するために、やれることを全力で取り組んでいくこととしています。それは職場の労働者に、労働者の団結の素晴らしさや、その団結が未来を切り開くことを感じてもらいたいからです。



奴隷化を迫る「エルダー再雇用」提示

 JR水戸支社では、今月5日から2021年度のエルダー再雇用希望者への再雇用職場の提示が行われました。
 この提示で水戸支社は、動労水戸組合員6人に対し、一人も第一希望通りの提示をしませんでした。断じて許しがたいものです。


(JR水戸支社への緊急抗議行動・3月12日)

 組合員は、この提示に対してその理由を求めていますが、ある現場長などは「私は伝書鳩だから」などとふざけた対応に終始しています。

   JR東日本の再雇用制度は、高年齢者雇用の安定に関する法律のもとで65才までの雇用が義務化される中で、高年齢者の生活の安定や、知識、技能、経験を活用するものとして作られました。

 定年を迎える労働者からすれば、長年にわたって仕事を担ってきた経験が活かされるものであるはずです。



 動労水戸の組合員は、会社の組合差別を受け、運転士への道を奪われたり、関連事業に塩漬けにされたりしながらも、安全で安心して利用できる鉄道を守るために働き続けてきました。

 しかし会社はこの制度を悪用し、再び労働者の団結を破壊し、奴隷のように安く雇用するためにしています。

 こうした会社のやり方は、JR採用者にかけられているジョブローテーションも同じです。仲間と一緒に鉄道を担っていこうとするものはとことん嫌悪され、会社の言うことを聞く者を評価して分断しています。

※参照※(過去ブログ参照「おさまらないジョブローテーションへの怒り」2020年12月29日付)

 こうしたあり方では、労働者は安心して働くことはできません。私たちは、仲間の雇用を確保するために闘っていくとともに、JRグループの労働者を不安のどん底に落とし込める「変革2027」を打ち砕くために、できることを全力で取り組んでいこうと考えています。


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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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