30年史『燎原の火のごとく』書評①

合同・一般労働組合全国協議会の小泉義秀事務局長より、弊組合30年史『燎原の火のごとく』への書評をお寄せいただきましたので紹介させていただきます。


【1】
最初の8頁はグラビアだ。30年史のハイライト部分を選び出した珠玉の写真である。320頁の、読み応えがある著作だ。私は朝早起きして3時間、電車の中で2時間、喫茶店で3時間かけて1日で読了した。一気に読んでしまいたくなるワクワクドキドキの中身だからだ。

本書はどこから読み進めても良いと思う。私は最初に石井委員長の巻頭言の2~5頁を読み、それから第2部「動労水戸30年 闘いの軌跡」(動労水戸執行副委員長 辻川慎一)105~217頁に進み、第1部「団結―鉄輪旗のもとに」、第3部、第4部と読了した。


【2】
石井委員長は「あれから30年が経過しました。いま考えてみると、労働運動史上画期的な出来事でした」と述べている。軌跡は奇跡の30年だ。「動労水戸が1986年11月に結成されてから、敵階級の憎悪に満ちた攻撃は熾烈を極めました。労働者から労働を奪い、鉄道現場から引きはがし、採算を度外視して役員活動家だけでなく、一般の組合員まで売店やそば屋や自動販売機を管理するベンデイングセンターに隔離しました。その攻撃はじつに22年問続けられました」と書かれている。

辻川さんの第2部全体、執行部座談会を通して読み進む中で、もし私がその現場、その瞬間にそこにいたとしたら、きちんと闘えただろうか、耐え抜くことができただろうかと考えるとやはり信じがたい思いの方が先に立つ。

石井委員長の巻頭言はその闘いの歴史に勝利して、新たな段階に立ち向かう動労水戸の勝利感、自負心、誇りを高らかに宣言し、次なる闘いへの決意を凝縮したものとなっている。


【3】
第1部の座談会はその30年間の闘いの歴史を8名の執行委員が語っている。8名の強者の強烈な個性を若い西納書記がうまく引き出す構成となっているのが素晴らしい。もっとこの話を聞いていたいなと思う直前で終わってしまう余韻を残す企画だ。
照沼君が初めて11月集会に参加して辻川さんの隣に座っている写真が60頁に掲載されている。こういう写真があるんだと感動させられた。

座談会の2は石井委員長が兄貴分の立場で青年の動労水戸に加入してくる経緯などが鮮明にわかる内容となっていて凄い。彼らは特別な存在ではなく、東労組の中にいる青年も同様に考えているに違いない。青年座談会は東労組の青年が堤防決壊的に動労水戸に結集してくることを予感させる企画だ。

このような青年労働者が動労水戸に結集してきていることが動労水戸の30年の歴史の最大の勝利であり、それは新たな段階の始まりに過ぎないんだということを感じさせてくれる。
青年同士だけでなく、石井委員長を入れて対談していることにより、動労水戸が青年とどういう会話をして、共に闘い抜いているのかよくわかる。


【4】
第2部は線を引いて舐めるように読んだ。労働組合運動、革命に向かう様々な内容が詰まっている。「はじめに」は曾澤君の強制配転阻止の『労働の奪還』の闘いの記述に始まり、「動労水戸とともに歴史を歩みはじめた次世代の青年たちへの限りない信頼と連帯の訴えである」(110頁)で終わる。本書の核心部分がここにある。動労革マルとの闘いの最前線に動労水戸が立ち一歩も引かないで切り開いてきた壮絶としか言いようのない凄まじい歴史が述べられている。

中でも圧巻は「第7章 結成30周年のすべてをかけて全国・全世界をとらえる挑戦へ」である。「(1)終焉の時を迎える資本主義」「(2)労働の奪還」「(3)青年の階級のリーダーを生み出す」という構成になっているが、この章の「労働とは何か」「協同と共同性」はとても分かりやすい。この内容の高さと分かりやすさの両方が青年を獲得する要なのだと思う。 


【5】
本書全体を通して最初から感じたことは、誰か特定の組合員に焦点を当てるのではなく、動労水戸の組合員全員が主人公になっている構成だ。それが素晴らしい。

これは本の構成でそうなったのではなく、現実の動労水戸の歴史がそういうものなのだ。更に動労水戸の家族、動労水戸の30年の歴史に関わったすべての人に光が当てられている。


【6】
オチとエポックは「小編集後記」(104頁)であろう。この頁は決して読み飛ばしてはならない。「うちは、誰か必ず家に泊まっているという新婚生活から始まり、37年になりました。今度結婚する時は、お酒が飲めない人がいいです」(辻川あつ子)


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『燎原の火のごとく』

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