マジックハンド電車搭載の意味

みなさんお疲れ様です。

昨日動労水戸の組合員から「仙台支社では、無人駅などで乗務員が線路への落とし物を拾得するために、マジックハンドを車両に搭載したと聞いた。そういうことで良いのか?」と疑問が寄せられました。


  (国分勝之撮影E657…上下線が写っ
てますね!)

現時点の水戸支社では、触車事故防止上あり得ないことです。

駅の無人化、委託化が進むことでこんなことが何の協議も無く進んでいることが驚きです。仙台支社はこれを、7月から始めるとしています。

さらに、この事をライフサイクルで駅から戻った運転士にも聞いて見ましたが、「それはやってはならないことでしょう」との答えでした。

また先輩車掌は、「昔、千葉でそういう事が原因で事故があったはずだ。それから列車が在線中にはやってはいけないことになったと思う。」とのことです。

駅員、運転士、車掌それぞれが任務分担をハッキリさせて協力し、責任を取ることで、労働者と乗客の安全が守られてきたのです。

「落とし物を取る」という簡単に見えることで、触車(列車にぶつかること)すれば、一瞬で命が奪われます。

みなさんが好きな列車は、大きな重量で高速で走っています。見方を変えるならとてつもない「凶器」になるのです。


  (国分勝之撮影…迫力ある雄姿ですが、人がぶつかればひとたまりもありません。凶器にしてはなりません。)

JR東日本は、駅の外注化、無人化を進めて来ました。さらにワンマン化で車掌を減らし、来年実施の「ジョブローテーション」で運転士と車掌の区別さえ無くそうとしています。

鉄道の仕事の軽視と労働者へのしわ寄せが、重大事故を招くことをブログで何度も過去の経験から明らかにして来ました。

JR東日本は、コスト削減のために、痛ましい教訓も無視し、自ら決めたルールも破る。そして社員の命を危険にさらそうとしている。どこに「究極の安全」があるのでしょうか。

来年定年を迎える先輩車掌は、「仙台支社は、この事も、5両ワンマン運転も、やりたい放題やって全社に広げようとしている」と憤っています。

こうした安全をないがしろにする会社の暴走を止るのが、労働組合ではないでしょうか。

いくら会社に評価されても、仲間や安全を切り捨てることと引き換えで良いのでしょうか?しかも会社の評価とは、現場の仕事とは無関係なのです。

みんなで自分の仕事を見つめ直し、共に生きる職場や社会に変えていくために一緒に頑張りませんか。

実は一番難しくて悩む職場の同僚との関係

湿度が高くて蒸し暑く、気分もイライラしがちでしょうか?

なるべくさわやかに、おなじみの国分さんの写真からです。


さてみなさんは、日ごろどんな人にストレスを感じているでしょうか?

この方たちが、大嫌いな人多いですが…



実は上司や管理職よりも、職場の同僚に一番ストレスを感じる様です。

1990年代以前、労働者が結束して資本と闘っていた時は職場の同僚との対立やストレスはあまり問題になりませんでしたが、国鉄分割民営化から労働組合の存在意義が低くなると共に、同僚との対立がストレスの第一原因になります。

愛だの、団結だの、信頼だの、きれいな言葉が並べられても、本当に人が困難にあるとき、助けてくれる人は少なく、批難したり説教する人が大多数です。

世間も社会もそうです。口先の正義はいっぱいあふれていますが、相手の立場に立って、共に悩み、考え、手を差しのべる人は少ないですね。

高い理想やきれいな言葉と現実の分離。困難があるのに、それを克服する道が分からない時、自分の力ではどうしようもなくなり、人は身近な人に当たります。

本当は、一緒に困難に立ち向かう大切な仲間が、批難する対象になる。

批難の応酬は感情的対立を深め、同僚との関係が一番のストレスになるのですね。



現場の労働者は、問題の根本原因をハッキリさせ、相手の立場に立って考えることで対立を乗り越えて行きます。

決してあらかじめ団結している訳ではありません。

困難の原因と闘うことで、対立を越えてひとつになって行くのでは無いでしょうか。

知恵と勇気をもつ最初の一人からはじまる

みなさんお元気ですか?

JR勝田車両センターでは、点呼で伝達事項や作業内容を確認して安全綱領などを唱和、指差称呼をしてラジオ体操。こうして一日の作業が始まります。



体のウォーミングアップ、どんな仕事でも大切ですね。

安全のためにヘルメットを着用し、「触車、墜落、感電」の鉄道三大事故要因への注意がお互いを守る基本とされます。


作業に入る時には、作業しているから勝手に移動したり、通電することが無い様に赤い「移動禁止合図旗」が付けられます。

作業をする技術や能力の問題の前に安全。鉄道の長い歴史と犠牲者があって築かれて来た鉄則です。



約10年前車両センターでは、17時05分の作業終了は現場の詰所で迎えるのがあたり前にされていました。

それだとタイムカードを押すまでに5分以上超過します。着替え時間を入れて17時10分終了の建前なのに終わりません。

しかし、威張り腐った助役が17時05分前に上って来ない様に仁王だちして監視していました。

たった5分、しかし20日になったらどうでしょう?おかしい、意を決したひとりが堂々とあがり、監視すること自体がおかしいと素通りしたら、助役は何も言えませんでした。

それから、17時05分の終了が現場でなく、本庁舎で迎えることが当然になりました。

自分たちの命と安全を守ることと、自分たちの権利を知り勇気をもって貫くことはひとつなのだと思います。

でも、最初はしっかり学び、勇気を出した一人から始まります。

その一人について行く。そうして人間は新しい道を歩むのでは無いでしょうか?

実は、現状を変えるには最初の一人が肝心なんですね。

動労水戸情報636号(最新)

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常磐線全線開通は安全か 本社根拠示さず

福島第一原発事故によって寸断されている常磐線を全線開通させる問題は、JR水戸支社の19年度の最大の課題です。

本当にできるのか、本当に安全なのか、動労水戸―動労総連合は5月27日、JR東日本本社と団体交渉を行いました。

福島第一原発が現在どういう状態だと認識しているのか

会社:冷温停止状態を維持している。安定状態にある。廃炉作業は3号機の燃料プールからの取り出しが始まった。格納容器内のデブリには手がついていない。
組合:それを冷温停止状態というのか。壊れた原発の廃炉作業は世界で初めて。何が起きてもおかしくない状態ではないのか。東電や政府が「冷温停止している」と言っているだけ。それを会社は鵜呑みにしているだけではないか。
会社:我々としては判断できないので公表されている事実で判断していく。
組合:復旧させることは100パーセント安全を確保されることが前提だ。将来にわたっての安全は未知数ではないか。
会社:将来にわたって安全かどうか判断する材料はない。しかし、社員の安全を確保するよう万全を期すよう努力する。
組合:原発本体のほかにも汚染水や汚染土の処理も早晩行き詰まるが東電も政府も方針がない。会社はどう認識しているのか。
会社:それらの処分について答える立場にない。
組合:汚染土はJRも大量に出している。出口のないことをやろうとしているのはこれまでの原発政策と同じという認識はないのか。運転再開するのであればもっと現状を把握すべき。危機感が足りない。無責任だ。

帰還困難区域に列車を走らせ安全と言える根拠を示せ
会社:必要な除染を行っており敷地内は年間50ミリシーベルト以上となる認識はない。
組合:敷地内だけ除染しても周りは除染してない。駅間で列車が動けなくなったらどうするのか。救済に行くにも帰還困難区域で容易には近づけない。避難所などどうするのか。
会社:救済計画は検討を進めている。並走する道を使い車で救済する、保守用車やDLで収容する、自治体と連携して行うなど。
組合:線路が使えない場合もある。地震や放射能漏れのときに自治体のバスが来てくれるとは思えない。特別な場所には特別な体制が必要だ。今日の団交ではそういう具体的なことを回答すべきだ。地元では今年の12月試運転と新聞で報じられている。
会社:12月試運転は本社では承知していない。

なぜ20年3月運転再開なのか
組合:これまでは地元の帰町宣言に合わせて運転再開してきたが、今回の区間は20年3月までに避難解除にはならないだろう。特定復興再生拠点区域でも、あと5年かけて年間20ミリシーベルト以下にするというもの。来年3月に人が住めるとは限らない。どうして20年3月開通だけ決まっているのか。
会社:沿線全部は避難解除にはならない。運行は自治体との協議による。20年3月運転再開をめざして工事しているということである。

組合:鉄道の敷地内は除染しても帰還困難地域を突っ走ることになる。
会社:除染しただけでなく鉄道用地の除染されている部分については避難指示解除になる。
組合:工事が終われば鉄道の敷地だけ避難指示解除になる? そう決まっているのか?
会社:避難指示解除は政府が行う。
組合:除染の経過や結果など線量を示すものは出さないのか。出せないのか。
会社:運転再開までには国が測定したものが公表されるかもしれないが、今の時点で示せるものはない。
運転再開するためには、この原子力災害の原因となった福島第一原発が絶対に再び甚大な事故を起こさないこと、高レベルの放射線で汚染された地域の中で絶対に放射線被ばくを受けないことが条件です。

しかし、「国が安全というから安全」「避難指示解除になれば安全」として、具体的なデータや根拠を一切示さず運転再開しようとしていることに大きな疑問を感じます。


乗務員の訓練などはどうするつもりなのか
組合:異常時の訓練はどれくらいの時期にやるつもりなのか。試運転までには終わってないと安心していくことはできない。
会社:必要な教育・訓練は行っていく。年内中には始めなければならないと思っている。時期については別途お示しする。
組合:運転再開に向けた工事は順調なのか。
会社:特に遅れているとは聞いていない。
組合:来年3月に運転再開するとすれば、それまでに何をするかスケジュールがあるはずだ。今日示せるものはないのか。
会社:示せるものはない。
組合:安全に運転できるという根拠がまるで示されない。これでは安全に運転できると判断することはできない。

この区間の運転で乗客や作業員は被曝しないのか
会社:一定の線量はあるが、除染されている場所だし車内は低減される。

組合:福島では除染の目安が年間20ミリシーベルトだが、東京の被ばく限度は年間1ミリシーベルトだ。そんなところにお客さんを乗せて行っていいのか。
会社:その議論は以前もしている。線路上では健康被害はない。
組合:福島県では甲状腺がんが200人以上発症している。国は原発とは関係ないと言っているがみんなそうは思っていない。乗務員や作業員の被ばく対策は?
会社:除染電離則(毎時2.5マイクロシーベルト以上の場所で作業する場合に対策が必要)による。希望者には血液検査を行う。
組合:線量を常時監視していくことはしないのか。具体的に示せないのか。
会社:今までやってきたことと同じ方向で検討している。


車両に放射性物質が付着する問題は
組合:この区間は勝田車両センターの車両が運用されると聞いた。勝田ではその車両を検修や清掃したりする。付着するであろう放射性物質についてはどう考えているのか。
会社:除染されて運転可能な区間であるので放射性物質が付着するという考えはない。
組合:線路内は除染されていても周りは帰還困難区域。現地ではスクリーニング場(放射性物質を持ち出さないように監視する施設)もある。そもそも風によって飛散した放射性物質が付着しないはずがない。
会社:帰還困難区域を突っ切るならばそうかもしれないが、避難指示解除されたところを走る。
組合:そんなことみんな納得するのか。現に東北新幹線ではフィルターに高濃度の放射物質が付着しているということが報告されている。避難指示解除になったから検査しなくていいという考え方は危険だ。未来永劫、付着しないと言えるか。

会社:未来永劫とは言えないが、汚染されたら状況を踏まえた対応をする。
組合:放射性物質を吸い込んでしまってからではダメだ。命の責任持てるのか。あらかじめ汚染されないと考える方がおかしい。論外だ。

運転再開することによる放射性物質の拡散は
会社:拡散されるという認識に立っていないので調べていない。
組合:乗客からも拡散させているのではないかと指摘を受けた。定期的な測定をすべき。
会社:ここは大丈夫と会社として国として保証している所なので測定する考えはない。
組合:チェルノブイリは事故後30年たっても住めないところもある。それをこの国は9年しかたっていないのに、鉄道走らせて街をつくろうとしている。異常なことをしていると考えるべきだ。

常磐線全線開通反対の署名5000筆に対する会社の見解は
組合:昨年の10月15日全線開通に異議ありという5000筆をこえる署名を会社に提出したが、それに対する見解を明らかにされたい。
会社:この場での回答は差し控えたい。


会社が具体的な対策やデータを示さないのは、現場の労働者に考えたり反論したりする材料を与えないためではないでしょうか。それだけ問題があることをやろうとしていることの証です。

放射線により被ばくすると体の免疫力が破壊され、ガンをはじめあらゆる病にかかりやすくなります。遺伝子を傷つけられたら健康被害は子孫にも影響します。命と直結する安全の問題だからこそ、労働組合は見て見ないふりをしてはなりません。

自らと仲間の安全を守るために、とりわけ原発事故を直接被災したJR水戸支社内の労働組合だからこそ、その真価が問われています。5000名を超える反対署名にも表れているように、もっと声をあげましょう。動労水戸と共に常磐線全線開通に反対していこうではありませんか。

川内原発判決に見える資本主義と法の虚構

みなさんおはようございます。

昨日は、川内原発再稼働差し止め訴訟で、福岡地裁判決が出されました。

「現時点では火山活動の可能性や程度を正確に評価する知見が確立していない」が「全国に影響の及ぶ破局的噴火は、数千年から数万年単位の低頻度と指摘。発生の可能性が科学的に示されない限り、不合理とは言えないと結論付けた。」

とのことです。

火山の大爆発は正確に予見できないけど、科学的に証明できないから再稼働を止める理由が無い。


  (昨年3月の映像。)

ウ~ン。これって理屈になってるんでしょうか?証明できないから、大丈夫なんだって目茶苦茶じゃないですか?

同じ意味不明の理屈は、福島第一原発や常磐線全面開通にもあります。

「健康被害との因果関係は証明できないから、影響は無い。」


  (この美しい里にも放射性物質が降り注いだことを忘れません。国分勝之撮影。)

動労水戸の裁判でも、不当労働行為・組合差別の事実を示す証拠資料は会社が握っています。会社が不利になる証拠を出すはずがない。

そして、都合の悪い真実は隠し「証拠が無いから差別は無い。」と主張するのです。

金や資産を握る人はより儲かり、現実に働く人はより貧しく。

金や資産や法が、生きた人間と労働の現場を支配する。

この虚構(フィクション)による現実支配が限界に来ている。

そう言うことを改めて感じさせる判決でした。

社会の基盤と実態は、法にあるのではなく私たちが働く現実の中にあるのです。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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