鉄道映画から現在を考える。

資本主義を根本から批判し、労働者の存在に期待したカール・マルクスさんは、色んな人が好き勝手を言うけど「汝の道を行け、しかして、あとは人の語るにまかせよ。」とおっしゃっていました。

どうも誰がどう言っているかなんてことが気になるんだけど、生きている限り新たな挑戦はできるんだ。せっかく生きていることを無駄にしてはいけない。

そうした生き方自体が資本主義批判なのかも知れませんね。

さて1962年って鉄道に取って大きな転換点の年でした。

それ以前の鉄道の物語を伝えているのは「大いなる旅路」という映画です。


 (亡くなった三国連太郎さんや高倉健さん。梅宮辰夫さんまで出ている1960年関川秀雄監督の映画。機関助士から機関士へと大正、昭和、戦前・戦中・戦後の30年間を生きた実話をベースにした映画です。盛岡機関区…山田線が主要な舞台ですが素晴らしい内容です。)

そして1962年に三河島事故が起きます。事故の根本原因は何か?機関士と機関助士の厳しい労働実態にも目が向けられます。

そこで1963年、常磐線が勝田まで電化された年に作られた記録映画が「ある機関助士」です。


 (1963年土本典昭監督の岩波映画)

この映画。水戸機関区が主要な舞台です。水戸駅でSLと長いボンネットの485系が見られる貴重な映像があります。

機関助士は小沼慶三氏。国鉄分割民営化の時には平(いわき駅長)をされていた方です。映画には、国鉄時代に私たちを可愛がってくれた先輩たちが映っています。

鉄道は、資本主義発展の動力源だった。戦争では兵士を運んだ。戦争が終わったら、反戦平和そして労働安全の推進軸になった。


 (最高裁に勝ち22年ぶりに運転士研修に入った動労水戸組合員の物語写真。2009年9月)

そして私たちも、人々を安全に運びながらそれぞれの物語を守り、自分たち自身の物語を作って来たのです。

「乗客が安心して眠っていられるのは、私たちが安全を守っているからだ。」

大正から昭和まで30年機関士を貫いた人の言葉でした。

周りがどうのこうのでなく自分たち自身の道を歩むこと、それが見いだせた人は幸せなのだと映像を見ながら思います。


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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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