2019年3・11に

みなさんおはようございます。

かなり激しい雨が降っていましたが、晴れると共に暖かくなるようですね。

今日は8年目の3・11、大切な人を亡くされた多くの人に取って追悼の日になります。愛する人を亡くした悲しみが、消えることはありません。

(国分勝之撮影)

政府も、JRも「少子高齢化」だの「2025年問題」だのと言って「オリンピック」や「大阪万博」など景気の良い花火を打ち上げています。

そして労働者には、自分の頭で考える余裕すら奪う、低賃金と強労働を強制して行きます。

アメリカ最大の原子力施設ハンフォードから流された放射能が周辺住民を被曝させ、ガンや白血病が発生したのですが、住民たちは生活に追われて考えることができなかったそうです。

砂漠を地下水で穀倉地帯に変え、フライドポテトに適したじゃがいもを生産している農民は、マクドナルドに提供し、日本にも輸出していると言っています。


(鎌仲ひとみさん監督映画「ヒバクシャ」)

大切な人の死を悼むことは、人として当然のことだと思います。むしろ心の痛みがあることで、他の人の痛みが分かるのだと思います。

中東のイラクでは、1991年と2003年に米軍の侵攻を受けました。その時、鋼鉄をも突き通す特性を持つ武器として「劣化ウラン彈」が大量に使われました。原発から生まれる放射性物質です。

劣化ウラン彈は、今なお強烈な放射能を出していますが、無防備に周辺にいた子供や、砂ぼこりを吸った子供たちが大量に小児ガンや白血病になっています。

子供を大切にすることに、国も民族の違いもありません。薬も、保険も、お金も無い貧しい人たちの苦しみを、私たちは人の親として分かると思います。


(3・11の今日。動労水戸は、郡山市開成山野外音楽堂の集会に参加しています。)

かつて日本も、朝鮮、中国に軍隊を送り侵攻しました。

中国東北部では、今でも日本軍が残していった毒ガスや爆弾で酷い被害を受けています。化学物質である毒ガスは、70年たっても変化せず猛毒のままです。

イペリットと言う毒ガスは、触れた細胞粘膜を強烈にただれさせます。吸えば気管支と肺を侵す。生殖器に触れれば、やはりただれ続ける。

爆弾は、触れた子供たちを突然吹き飛ばします。これは、アフガニスタンなどで使われた米軍の「クラスター彈」に引き継がれています。



みなさん。劣化ウラン彈や毒ガスも、自分たちの理想や正義を理由に使われて来ました。

いつも一番酷い目にあって来たのは子供たちですね。

放射能は猛毒です。特に体内に入る内部被曝の危険さを、否定できません。

思い返しませんか?セシウム137の半減期は30年です。セシウムの影響は全身に及びます。ストロンチウム90の半減期は、29年。特に骨に影響します。

チェルノブイリでは、10年過ぎてから健康被害が深刻化しました。

10年目を前に「常磐線全面開通」「安全宣言」を急ぐ意味は、何なのでしょうか?


(九州の労働組合の人とデモをする、いわき合同ユニオンの川俣委員長。)

戦争の責任も、原発事故の責任も国にも、企業にもない。国民の自己責任だ!と変わらぬ論理が貫かれていないでしょうか?

子供たちを守ることが口先だけにされていませんか?


忙しくして、貧困に追い込まれることは、人間性を奪います。子供たちは、日々命を奪われています。だから、労働組合の闘いは、人間存在の本質をかけ子供たちを守る闘いだと私たちは考えます。


8年目の3・11からいわき合同ユニオン&動労水戸バンダナ販売します

私たち一人ひとりは、他の人との関わりの中で生きています。ですから、一番悩むことも、実は人との関わりの問題です。

悩みながら、気を配りながら周りの人を受けいれ、自分も受けいれてもらう。ささいなことかもしれませんが、ささいなことを大切にしながら、お互いに限られた命をまっとうしているのではないでしょうか。

本当は、人のためにあるべき社会。あるいは組織ではないのか?それが、社会や組織のための人にされ、病んで、死んでいくことを当たり前にしてはいないのか?逆転した現実に、気付く時を迎えている様に思います。

国のため、街の発展のために原発が必要だとされます。アメリカでは、世界平和のために、広島・長崎の原爆投下は当然だとされました。今も会社の発展のためにと、我慢と犠牲が強いられていませんか。

何だかんだ、立派なことを言う人ほど、他人の死をやむを得ないこととして正当化して来なかったのでしょうか?根本がおかしい。


(国分勝之撮影)

8年前、私たちは死者や行方不明者のことを思い、それまでの自分たちのあり方を深いところで反省し、人として労働組合として成すべきことを考え、行動して来ました。

福島第一原発事故の処理に、約80兆円かかるとのニュースが流れています。核燃料デブリ問題も、汚染水問題も何も解決していません。

日本列島に一旦降り注いだ放射能は、どうすることもできませんね。こうした当たり前のことも、科学的データの無い「風評」とされます。

厚労省のデータ改ざんが問題になっていますが、放射能の流れや線量のデータを独占し、隠して来たのも政府でしたね。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6316556

自分たちで情報やデータを独占し、日々を大切にして子供たちを守り、お互いを守り合おうとする人々の声は「根拠の無い風評」とされる。


しかし、人々の生活や労働、そこで日々感じ生きていることこそ、その人に取っての現実なのです。

そこに立たないで理想や科学的データを振り回すことは、その瞬間に他人の死を正当化してしまうのです。

それは、実は人としての自分の死でもあるのです。人は、他者の中で生きることで限りある命をつないで行きます。他人の死への無関心は、人としての自分の死なのです。

人間のつながりは、血縁を越えます。私たちは、国が進めた国鉄分割民営化に怯まず、仲間とは何かを労働組合の闘いを通してつかんで来ました。

労働組合の組織は、組織のために労働者がいるとなった時に生命力を無くします。実際にそうでした。労働者のために労働組合はある。だから、徹底的に組合員主体の民主主義を貫くことが、原則なのです。


(国分勝之デザイン。いわき合同ユニオン&動労水戸バンダナが出来ました!)

動労水戸といわきユニオンは、8年目の3・11を迎え、労働者のための、労働者を主体とする労働組合作りの新たな挑戦をしたいと考えています。

しかし、何分少数組合の再出発。いわき事務所の維持のための支援を広く呼びかけたいと思います。

その第一彈としてバンダナを販売します。国分勝之デザインで、1枚1000円で販売します。

ただし、いわき合同ユニオン支援共闘(月額500円)に加入頂いた方には、送料無料でプレゼント致します。

ゆうちょ銀行
記号18200
番号39659901

いわき合同ユニオン支援共闘
オノ  ヒロミチ

に500円振り込んでいただければお送りします。

初回限定300枚です。

「少子高齢化」ってどんな問題?

昨日は、知りあいの「鉄ちゃん」から「大変だ!」と連絡がありました。

「何だ?どうした?」と聞くと、別の鉄ちゃん仲間から「2020年に青梅線と五日市線がワンマン化される!」とのこと。

「ワンマン化と闘う動労水戸ブログを紹介して下さい。」と、とりあえず返しましたが、際限のない効率化・人減らしが進められていますね。

動労水戸との団体交渉でも、現場でも会社側の人たちが「少子高齢化」を枕ことばにして、まるで呪文の様に繰り返します。

でも、少子高齢化問題の意味を本当に考えて言っているというより、上から言われていることをそのまま言っているだけの様に思えます。

実際、自分の頭で考えて、自分で責任を取るという姿勢がないので、建設的な議論になりません。


(国分勝之撮影)

実際に日本の人口は、急激に減っている様です。2015年から2020年までに約180万人が減り、さらに2025年までに250万人が減ると言われています。

3人に1人が「高齢世代」になることが「2025年問題」と言われています。そこから、オリンビックの後で大変なことになるのではないかという予想もあります。

「現役世代」と呼ばれる生産年令人口が減ると言うことは、労働者が減るということです。

労働者は会社に食わせてもらっている様に思わされていますが、実は会社の利潤を生み出す源泉は労働者の労働にしかありません。

労働者が働くことだけが、新しい価値を生み出します。会社は、労働者が身を粉にして働いてこそ儲けて、資本を蓄積することができます。

そしてこの蓄積された資本の大きさが、資本主義社会での力関係を決めているのです。賢い経営者なら、みんな知っている事実です。


(国分勝之撮影)

だから、労働者が減って一番ピンチなのは企業であり、資本主義社会なのです。

少子高齢化が本当に問題ならば、労働者とくに青年や子供たちを大切にしなければなりません。そして、次の世代を産む女性を守らなければなりません。

普通は、そう考えるのですが、実際には全然大事にしてませんね。

どうしてなんでしょうか?
資本は他の資本と競争しています。資本の力に支配されている国家は、他の国家と生きのこり競争をしています。実際に、米中も激しく対立しています。

だから、労働者が減って利潤が下がるほど、さらに徹底的に労働者から搾り取らないと競争に負けてしまう。下手をすると消されてしまうことになります。

これが資本主義の本質です。だから、良い会社とか、良い経営者と言うのは労働者からより多く搾り取れる経営者なのです。

しかし、労働者を過酷に搾り取れば、労働者の肉体と精神が壊されて行きます。過労死やウツ、自殺、依存症が万延して行きますので、働ける源泉の労働者はさらに減って行きます。

すると資本主義社会そのものが成り立たなくなります。だから、労働者を保護する法律は、資本や企業の勝手にやらせていたら、社会が崩壊する危機から生まれたのです。

しかし、市場原理で資本増殖を自由にすれば良いと言う「新自由主義」と言う考え方で、すべてを民営化して、労働者保護をやめてきたのです。これを進めて来た結果が今の社会の現実なのです。


(国分勝之撮影)

さて、労働者を競争させて、会社の言いなりにならなければ上がらない身分と賃金。

言いたいことも言えず、長時間拘束され、疲労でミスをすれば犯罪者の様に扱われる。

これからJRでは、見習い運転士の指導運転士は、9時間立ちっぱなしで指導することになります。山の手線9周。見習いは、3ヵ月続きます。見習い運転士がミスをすれば、責任は指導運転士に問われます。

その結果は、運転士を希望する青年がいなくなる。そして、指導運転士を受ける人がいなくなることになります。

実際に運転士を希望する青年が、激減しています。

繰り返しますが労働者が働くこと以外に、利潤の源泉はありません。ですから無人運転化しても、そこから利潤が上がる訳では無いのです。

駅を外注化し、非正規雇用化する。駅ナカで働くのも膨大な非正規雇用労働者です。JRは、その労働者から巨大な利潤を上げれば良い。そう考えています。

仕事は、生命活動そのものです。本当は、誰にでもできる訳ではありません。しかし、その仕事が「誰でもできる」とされるなら、何のために生きるのか分からなくなります。

ネットに出て問題になりましたが、非正規雇用労働者も反乱していますね。

会社にすがっても労働者の未来が無いこと、分かっていただけますか?
JRの青年が、仕事への誇りにかけてしっかり立ち上がることが、みんなの希望なのです。

頑張りましょう!

3月16日ダイヤ改正の団体交渉報告(3)

運転士に取って最悪のダイヤ改正が来週に迫って来ました。

動労水戸は昨日の執行委員会で、3月15日に抗議行動を行うことを決めました。これまで何度もストライキを行って来ましたが、これからを担う職場の後輩たちが声をあげ、行動できなければ根本的解決の方法は無いと考えています。

ですから、青年の反撃する気持ちの拠り所になれば、抵抗する一歩出るための材料となればと思います。

                                         国分勝之



動労水戸は、2/27と3/5、JR水戸支社と団体交渉を行い、来る3月16日ダイヤ改正を機に大幅に改悪されようとしている運転士や車掌の「乗務行路」の問題点を指摘してきました。

運転士・車掌の勤務は9時―5時の定時の出勤・退勤ではなく、その日乗務する列車や行き先を定めた「乗務行路」に従って行います。

会社側は毎日毎日の列車の運行をより少ない人数でまかなえるように(それを会社は「効率化」と言いますが)、ダイヤ改正のたびに乗務行路を変更して、1人の運転士や車掌により多くの列車を運転させようとします。

これに対して組合側は、変更となった行路に従って仕事をした場合に、安全に運転できるか、食事する時間はきちんと取れるか、出退勤の時間に無理はないかなどをチェックし、問題があると思われるところを改善するよう要望して来ました。

そもそも「列車を安全に運転する」ことは、本来、会社側も組合側も共通の大前提のはずです。しかし、今回会社側が提示してきた乗務行路は「こんな行路では安全に運転できるはずない!」と職場の誰もが感じる内容です。それほど、とてつもなく過酷な中身なのです。

以下、私たちの団体交渉のやり取りをかいつまんで紹介します。



● 「規程」の範囲内なら安全と言えるのか

組合:これまで水戸支社内の運転士行路には拘束時間が23時間を超えるものは1本もなかったのに、土浦運輸区やいわき運輸区では半分以上がそうなっている。なぜか。

会社:社会情勢の変化がある。少子高齢化、労働者人口の減少、社員数の減少などの中で、少ない人数の中でマンパワーを生かしていく。そのために多様な働き方と効率化をしていくのが会社の考えである。

組合:効率化が先ではない。安全に運転できるかどうかが基準だ。

会社:規程(乗務員勤務制度・乗務割交番作成規程など)の範囲内で行路は作成している。安全を阻害するものではない。

組合:規程の範囲内なら安全という根拠は何か。

会社:26年間この規程を使ってきた運用実績がある。保安装置や設備の改善もしてきた。


組合:規程は「上限」や「下限」の制約の中で運用されてきたが、乗務員の労働時間7時間10分ギリギリの行路は作ってこなかった。それはこれ以上やったら事故を起こしてしまうと思ったからだ。7時間10分ギリギリの行路など作ったことないのに、なぜ規程の範囲内なら安全と言えるのか。そんな検証はされたことはない。

会社:規程の範囲内で作成しているので問題ない。

組合:今回の提案の行路は、拘束時間は1日平均どれくらいのびているのか。

会社:運転士では6%、約40分のびている。



● 朝7:50出勤の泊行路、朝8時から夜0時過ぎまで、実乗務9時間、安全に運転できるか

会社:全体の行路のバランスの中でこうなった。特急と持ち替えることも検討したがさらに出勤が早くなるのでこうした。

組合:この出勤時間では泊明け泊明けの2徹めに入らざるを得ない。前日明けで帰って始発電車で出勤する。それから朝の8時から夜の0時まで仕事、実乗務が9時間。9時間というと山手線9周りだ。どこにもそんな乗務しているところはない。いったい、一日にどれくらい乗務しても大丈夫だと思っているのか。

会社:制約があるのは一勤務の労働時間が16時間までということなので…

組合:安全に運転できると思っているのか。

会社:安全を阻害するものではない。



● 泊行路の睡眠時間が短くなっているが、安全に運転できるのか

組合:我孫子・高萩・尾久など、車両の運用の都合で睡眠時間が十分とれないところは、安全に運転するために、便乗で送り込んだり、翌日の乗務を短くするなど、行路でカバーしてきた。睡眠時間は何時間とればいいと思っているのか。

会社:夜間の中断時間は、稠密線区では、運転士は、駅の着発6時間、睡眠時間(ノーペイの時間)は4時間半とるようにとなっている。一般線区には特に制約はないが、それを参考にしている。

組合:我孫子泊の行路は以前は勝田運輸区で担当していたが、寝る時間が取れないので土浦運輸区に移管して、土浦まで帰ってきて終わりとした経緯がある。そのために難しい構内の線見も全員やったのだ。水戸まで通したらその努力は水の泡、水戸から帰りも運転するようになるのでなお悪い。安全のためにやったことなのになぜ今回こうしたのか。

会社:社会情勢の変化、少子高齢化…のため、多様な働き方と効率化をするため、全体の行路のバランスをみてこうなった。

組合:効率化のために安全をないがしろにしてはいけない。

会社:規程内で作っているので安全だ。

組合:規程がひとり歩きしている。毎回の行路改正や毎日の取り組みがあって安全は築かれているのだ。宿泊地の時間を駅の着発6時間としているのは、勝田車両センター入区のときもぞうか?

会社:すべての箇所でそうしている。

組合:入出区や徒歩時間、出区点検などを除いたら何時間とれるのか。安全に運転できるのか。

会社:提案で理解されたい。



● 内原泊から東海折り返し勝田着後、37分で普通列車で上野行は安全か

組合:勝田自区泊ならともかく、内原泊で、出区点検から乗務、その後ろくな休憩時間なしで(37分)上野までの普通列車の運転はあり得ない。朝4時半起床で10時まで食事とれないし、トイレの心配もある。精神的負担も大きい。

会社:前日の乗務時間は3時間程度だし、寝る時間も十分あるので問題ない。


● 水郡線大子始発ワンマンで水戸、即折り返し5分、大子行は無理ではないか

組合:現在、太田でのワンマン6分折り返しでも無理と言われている。水戸での5分15秒の折り返しは無理ではないか。実測などしたのか。

会社:到着後のスイッチ整備など2分、運転室交換の移動に1分、新運転台の準備2分で5分で可能だと思う。

組合:4時起きで大子出区点検からはじめて、水戸でトイレに行く時間さえない。運転の途中でトイレにいって遅延させると、通勤帯の上り列車を次々と遅延させることになる。常磐線接続で特急も遅れる。

会社:トイレのときは指令に言って行ってもらって良いが、大子-水戸―大子でみても2時間40分程度なので、寝る時間は十分あるし、問題ない。

組合:大子の運転士なら全員、問題あると思っているし、助役でさえ無理と言っていた。そうした意見は支社では把握していないのか。

会社:特に意見はきいていない。



2回の団交でのべ8時間もこうした議論をしてきましたが、「安全に運転できない」という現場の意見を無視して「規程の範囲内なので安全」と繰り返すばかりです。

「効率化」を最優先させる会社側の姿勢には本当に危機感を感じます。すべてを暴露するには膨大過ぎてしまいますが、会社がどんなこと言っているのか、誰より現場の乗務員のみなさんに聞かせたい思いです。

勝田運輸区では2年前、当時57歳だった先輩が、過酷な行路を乗務して明けで帰ったその日に、アパートでひとり突然死しました。痛苦の経験があります。こうした不幸を二度と繰り返してはなりません。現場の仲間が団結して現状を変えなければならないと切に思います。

労働組合の所属や無所属に関係なく、仲間として守り合うのは当たり前のことです。お金や地位よりも、人として大切なことがある。人らしく生きるために、一緒に声をあげて欲しいと心から願います。

「生きるべきか。死すべきか。」ではなく

みなさんお元気ですか?

昨日は、勝田車両センターの職場代表選挙の開票がありました。結果、動労水戸勝田支部長は当選できませんでした。会社側の候補を抑え、東労組の青年が得票を大きく増やしたことが特徴的でした。過半数を取れた候補がいないので、決戦投票になります。

大子運輸科でも、勝田車両センターでも動労水戸組合員が決戦投票でどういう選択をするかで当選のゆくえが決まります。

会社代表の助役に投票する選択はありませんが、組合員の意見に踏まえ、みんなで決めて行くことになります。


さて今日は、古くから読まれて来たシェークスピアの「ハムレット」のお話から。


(1948年のイギリス映画「ハムレット」・アカデミー賞作品)


ハムレットは、デンマークの王子様ですが、父王を伯父に毒殺された上、母を伯父の妻にされてしまいます。理不尽さに悩み、伯父を憎み、復讐に執念を燃やします。

まず、伯父の側近である臣下を殺害しますが、この人は恋人の父。悩んだ恋人が自殺してしまいます。そのハムレットに復讐を誓う恋人の兄、そしてハムレットを恐れる伯父がつるんで、ハムレットと剣の試合を仕組みます。

ハムレットの恋人の兄には真剣を持たせて、毒を塗ります。ハムレットには切れない剣を持たせる。伯父は、試合に勝てなくてもハムレットを殺せる様に、飲み物に毒を入れる。

その毒を母が飲んで死んでしまう。ハムレットは、試合で名剣士の兄を圧倒します。なので、兄はインターバルの時間に切りかかる。切られてから真剣だと分かったハムレットが怒り、剣を奪って兄を切る。兄は、毒を仕掛けたのが伯父であることを告白し死ぬ。

告白に怒ったハムレットが伯父を刺し殺す。そして、母を思いながら死んでいく。そして、みんな死んでしまった。そう言うストーリーです。

「生きるべきか。死すべきか。それが問題だ。」というのは、悩み抜くハムレットの有名なセリフです。

何だか古くさい話を持ち出してすみませんが、ハムレットが繰り返し演じられて来た訳は、それが昔の話ではないからだと思います。


(国分勝之撮影)

あることに固執して、誰かを憎み、復讐を誓う。ギリギリの精神状態で他人を辱しめることを考え続ける。それが、周りだけでなく自分自身を破滅させて行く。

ハムレット自身は、母思いの優しくまじめな青年なんですが、だからこそ自分が悩んでいることを生死をかけた問題だと思い込んでしまいます。そして他者を死に追い込むだけでなく、自分も死んでいく。

この世界では、正義だとか、人を救うためだとか、理想を大きく掲げながら「大量の殺人」が正当化されて来ました。

まじめな青年ほど、理想と殺人に駆り立てられ利用されて来た歴史です。


では、本当の理想って何だろう。それは、限りある命をお互いの中で生きることではないのか。

結局ハムレットにも親友がいて、彼から「偉大な王になれた人間」として語られることになります。それが、この悲劇の物語の救いになっているのです。

人間の強さが「24時間闘っても倒れない」だとか「修羅場に強い」だとか言われた旧タイブの非人間的時代は終わりにしましょう。

この時代を生きる力、心の回復力は、自分を支えてくれる人がいるかどうかにあるのです。

実はそれは、金や資本が生み出す人間支配からの自由や解放の問題として、シェークスピアの時代から変わらないテーマだった様に思います。

ですから労働組合は、会社や資本の人間支配に対して、お互いを支え会う集団として成長していく中で真に勝利して行くのでは無いでしょうか。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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【本部事務所】
310-0011
茨城県水戸市三の丸3-1-3
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