北海道地震と8年目の「3・11」

8年目の「3・11」(東日本大震災と福島第一原発事故)を前に、昨年9月に続き北海道で震度6弱の地震がありました。

報道では、厳寒の中で多くの帰宅難民が出たとのことでした。もし9月の時のように、電気、ガス、水道などのライフラインが止まったら凍死する人も出たかも知れません。

国鉄の先輩が札幌にいます。解雇されても、組合員に責任を持つ国労の現場役員として国鉄分割・民営化絶対反対の意思を曲げず、和解を拒否して来た人です。


(札幌在住の成田昭雄さん。現在は、動労総連合組合員でもあります。)

成田さんのお話しでは「最初はドカンと蹴りを入れられた様に地面が揺れた。立つことが大変で壁に寄りかかろうとしたら、壁が揺れた。最後には、天井が揺れた。生きた心地はしなかった。」

「前回の教訓があるので、灯りや最低必要なものは枕元に置いてあった。電気が止まらなかったので、何とか大丈夫だ。」とのことで、先ずはひと安心。

人が心を保つために、忘れることも大切なのかも知れません。でも、それを利用して「慣らさせられる」ということもありますね。

苦しい記憶ほど、忘れたくなります。でも、苦しいこと、悲しいことをしっかりと見据え教訓化して実践する。

そう言う強さが、今求められている様に思います。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190220/k10011820811000.html

8年目の「3・11」を前に、日本原電が東海第二原発の再稼働する方針を関係自治体に伝えました。



誰しもが愚かな選択であり、子供たちの未来を破壊することだと思いながらどうして止めようとしないのでしょうか?

私たちが知る歴史的事実は、国鉄の労働組合が原発建設に対して、地域住民と一緒に反対して闘ったと言うことです。

その時代、原発は簡単に建てられませんでした。実際に建設をあきらめさせたこともあります。

会社も、政府もJRの青年たちが、自分たちの職場ではもちろん、地域住民と一緒に立ち上がることの力とその怖さを知っています。だから「労働組合解体」に全力を集中しているのです。

鉄道労働者がひとつになることは、世界を変えます。韓国でも、鉄道の労働組合が社会を変える原動力になりました。

職場代表選挙に出ます。

2月9日のブログを「本当の職場代表って何だろう」というテーマで出しました。

JR東日本は、東労組を過半数割れに追い込み、職場代表を会社の意のままに動く人に変えようとしています。

各労働組合が、少数になっても組合員を自分たちの枠に囲いこんでいるうちに、営利第一で効率化や外注化がどんどん進められています。

「職場代表」には、労働基準法36条で決められた法定労働時間を越えて労働すること、つまり残業や超過勤務を職場の代表として承認するという大きな役割りがあります。

同時に、その承認に当たって、職場の切実な要求を会社に迫って行く力を持ちます。

※「職場代表」は、JRだけでなくみなさんの全ての職場・事業所で必要です!

実際に動労千葉組合員が、職場代表になったところで大きな改善が進みました。

全て東労組が握っていた時代と違うのは、職場のみんなで自分たちの代表を選べることになったということです。

現在動労水戸組合員は、大子運輸科と勝田車両センターで職場代表に立候補しています。


(昨年10月ストライキ。大子駅前で「動労水戸ブログを見た」東京新聞の記者から取材を受ける木村書記長。ここから新聞の記事になりました。)

大子運輸科では、動労水戸書記長の木村郁夫さんが立候補しました。

国鉄最後の採用者です。運転士を目ざし国鉄に入って5年で、JRに移行。職場と仕事をどんどん無くされました。

詐欺同然の扱いに怒り、動労水戸を仲間と一緒に結成。脱退を拒否し、東海駅の蕎麦屋に配属。負けずに大子運輸科の検修に戻り、さらに最高裁で勝ち現在水郡線運転士です。

「仲間を守るのが労働組合」という言葉は、木村さんの生き方そのものです。


(動労水戸勝田支部長の郡司禎之さん。)

勝田車両センターの郡司さんも、国鉄最後の採用者です。木村さんと同期です。やはり動労水戸をやめなかったために、職場を転々と追われたあげく土浦のベンディンクセンターに長く配属されました。

JR社員でありながら、JRの制服を着たこともなく社員扱いはされませんでした。

ベンディンク事業所が廃止になって、勝田車両センターに配属された時には既に40才を越えていました。

それから息子の様な平成採用者に仕事を学び、今では後輩たちに仕事を教える立場に立っています。苦労したからこそ、人の気持ちが分かるのでとても信頼されています。

勝田車両センターの交番検査C班で、車両技術係として働いています。

私たちが、職場代表選挙に立つのは単に勝つことが目的ではありません。職場のみなさん一人ひとりに、現実を変える力があることを伝えたいからです。

国鉄採用者が、退職金や老後を考えて逃げを打つだけの存在ではないこと。後輩たちに恥ずかしくない生き方を示すこと。

何より後輩たちと笑顔の交わせる明るい職場にしたい。そのために立候補しました。

職場のみなさんの本音の意見をお待ちしています。


労働者はひとつ!職場の声もひとつに。

今日は穏やかな天気ですね。

国分勝之副委員長からの報告が届きました。


昨日、勝田運輸区で運転士をしている私は「速やかな報告、正しい報告がなぜ必要か」というテーマの枠外訓練(座学の講義)を受けた。
講義の内容は「ここ最近『正しい報告ができなかった事象、速やかな報告ができなかった事象』が連続して発生している。」

「会社は、尼崎事故の教訓から国土交通省の通達に基づいて、運転事故や不適切な扱いをしてしまっても懲罰的な処分は行わない。」

「そのかわり原因究明・再発防止のために正しい報告、速やかな報告することをうながしてきた。」


「しかし、正しい報告・速やかな報告がされないと、再発防止できないばかりか、自分のことも守れないし、会社も信用をなくす。そうした影響の大きさを再認識してもらうことがこの訓練の目的」ということだった。

(ED75がひく通称ワムハチ…ワム80000形貨車。水戸近辺の那珂川を渡るのは朝の7時だった。1999年10月シャケ獲りの川舟と。国分勝之撮影)

ひと通り講義が終わったところで、アンケートと称し意見を紙に書いて提出せよということだった。

そこで私が口火を切った。

「この訓練をやることでもう2ヶ月も乗務停止になっている運転士が乗務復帰できるようになるのか?」

「なぜ正しい報告ができないのか、懲罰はやらないといっておきながら今でもやってるよね? 2ヶ月も乗務停止にしておくことは懲罰だろう」

「正直に話した以前の例だって3ヶ月も乗務停止されたあげくクビになった。乗務員は誰も納得していない」

(一面のレンゲ畑の中で写真撮りにつきあわせた当時5歳のせがれ。)

続けて別の中堅の運転士が発言した。


「結局会社の自己保身にしか聞こえない。正しい報告・速やかな報告できないと会社の信用が落ちると言うだけ」

「今日の話はこれをやらないと大変なことになるという脅しで、恐怖しか感じない」

「正しい報告・速やかな報告などしないで済むように、どうしたら事故防止ができるかについて何もないではないか」

さらに続けてベテランの車掌が発言。


「事故防止するためにダイヤ改正のときにもいろいろ意見をいう。だけど会社は聞く耳持っていない。もっとお互いに譲り合わないと事故はなくならない」

(冬、日の出のころのオレンジの世界となる。)

ひと通りの講義が終わって大半の時間はこうした火のような怒りの発言が連発した。黙って聞いていればそれで終わってしまう訓練も、ほんの少しきっかけを作るだけでみんなの怒りは堰(せき)を切ったようにあふれ出す。

みんな同じ気持ちなんだと思う。言っても無駄だと思い込まずに、みんなでおかしいことはおかしいと言える職場にしていこう。

動労水戸の被曝労働拒否・常磐線全線開通反対

来月3月11日で、東北大震災そして福島第一原発事故から8周年になります。

直接亡くなられた人や行方不明の人が約2万人と言われ、その後亡くなられた人も大勢います。

一人ひとりに人生があり、誰かの大切な人でした。

空前の災害に、原発事故が重なりました。茨城も被災地でした。ライフラインが止まる中で、動労水戸が何のために闘って来たのか?何を成すべきなのか?

深く問い直す中で、被曝車両K544の検査拒否で被曝問題を職場から闘うことを決断しました。

この闘いは、職場の労働者だけでなく地域住民の支持と共感があって勝利することができました。

しかしそれで終わりではありません。根本には残された命として、亡くなられた人々の命を生きるという思いがあるからです。

つまり「…のために」とか「…しなければならない」という強いられた義務や、自分たちの主張の正当化などという狭い世界を越えて、自分たちは何をするのか?何ができるのか?を考え、決断し闘って来たのです。

(大切な人を亡くした悲しみが、消えることはありません。)

政府とJR東日本は、2020年オリンピックに向けて、2019年度には常磐線を全線開通させると言っています。

3・16ダイヤ改正で、乗務員に対して非人間的な行路が提案されて、職場での不満が高まっています。しかし、さらに常磐線全線開通が目前に迫っています。

問題は、命の問題なのです。子供たちの甲状腺ガンの多発が問題になっていますが、大人はもちろん若い人ほど放射能の影響は大きいのです。しかも、過度のストレスは免疫力を下げます。

特に外部被曝以上に、内部被曝が深刻です。



鼻や口から入る放射能が、体内被曝をもたらし、ガンだけでなく心筋こうそくや白血病など深刻な健康被害をもたらします。


ガン治療の医療が進んでいると言われます。抗がん剤を使うと、ガン細胞の増殖を押さえるために一緒に免疫力も落ちます。そこで感染症にならないために、高度な医療や抗生物質、無菌室などが必要になります。そのためにお金も掛かります。

笑えないことですが、抗がん剤だけならそれで死んでしまうほど「毒」なのです。万能薬なんかではありません。

こうしたことも、自分に降りかからないと他人ごとになります。

仲間を守る労働組合。そのことは、まず動労水戸自身に問われています。



常磐線全線開通による被曝の強制を、他人ごとにしない。そう言う労働組合が今こそ必要ではないでしょうか?

3・16ダイヤ改正の団体交渉やりました。

動労水戸は2月15日に、3月ダイヤ改正の第1回目の団体交渉を行いました。今回はダイヤ改正全体についての交渉でした。

まず昨年10月の「特急車掌1人乗務及び水郡線ワンマン運転」のダイヤ改正での改善策を要求しました。

「特急車掌1人乗務」について会社は、「車内を回れなかった報告は非常に少ない。今回も1人乗務は提示した通り」と問題が無いと主張しました。

組合からは「回れているというのは特別改札がいてのこと。改札行路を定期で付けるべきだ」と要求すると、会社は「提示した通り」と拒否しました。

水郡線ワンマン運転では組合から「利用者は困っている。車内での転倒事故も起きた。利用者に負担をかけていると思わないのか」と質問しました。

会社は「人それぞれの判断。問題ない」と切り捨て、「水郡線をいかに存続するのかを検討している。列車削減は利用状況をみて提案している」との回答でした。

不便な上に、不正乗車を横行させて水郡線を存続させるという理屈がどうしたら成り立つのでしょうか?



(懐かしの653系フレッシュひたち!国分勝之撮影)

次に今回のダイヤ改正での「多様な働き方の実現」についてです。

会社は「社員と話をして作成している。育児介護以外は今後出てくるかもしれない。発生したら改正を待たずに作っていく」とし、今回の提案は行路作成の時点から分割できるものになっていることを明らかにしました。


しかしその結果は、とてつもない過重な行路の提案です。会社はその理由として「効率性を重視して作った」と答えています。

組合が「安全に運転できるかも怪しいものが効率的なのか?」と追及すると、「結果的に在宅時間が度返しになったと言えるかもしれない」と開き直りました。

そして「会社としてどうやって生き残るのか、多様な働き方をどうやって作るのかを加味して提示している」と、労働者の生活や安全よりも会社の生き残り優先で、さらなる労働強化を狙っていることも明らかになりました。

これで終わりではないのです。

さらに今回のダイヤ改正で会社は「社員の意見を集約して作っていく」としています。これについては「現場で計画助役が中心になって、社員を集めて中身を検討して提案した」と答えました。

しかし、現場でこんな事実は無いのです。これを追及すると、「やり方は各区の判断で、管理者が指定した者の意見を集約している。これが最善」だとして、社員の意見など聞くつもりは、全くないこともはっきりとしました。


(国分勝之撮影)

また、過重な労働強化の提案で起きかねない乗務員の居眠り事故防止対策と、乗務員室監視カメラ設置中止を要求しました。

居眠り事故防止対策では、会社は通達で指導を行っているとし、「乗務に望む姿勢として出している」と、すべての責任は乗務員にあると言わんばかりの回答です。

そのうえで「行路で在宅休養時間の改善を図っている」と、提案内容とは逆の回答を平然としています。

乗務員室の監視カメラ設置では、「乗務員室での盗難や新幹線の事件などから、乗務員と乗客の安全を守るため」と回答しています。

しかし、監視カメラは乗務員に大きな精神的負担になることは明らかです。

組合は「精神的負担をかけるべきではない。安全を言うならワンマン運転はやるべきではない」と要求しました。会社はそれには答えず、「不安を取り除くためにやっている」と居直りました。

最後に今回の提案の白紙撤回を要求しましたが、会社は「撤回する考えはない」と、強行する姿勢を明らかにしました。

今後さらに、各職場の行路の中身について具体的に追及し、要求していくことになります。皆さんの声を動労水戸にお寄ください。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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