JR東日本白河研修センター物語

動労水戸白河物語

2009年9月。10年前の動労水戸組合員の白河研修センター入所は、組合差別裁判に最高裁で勝った結果でした。

しかしJR東日本はこれを逆手にとり、強制配置転換の脅しで、運転士を諦めることを強制してきました。
動労水戸組合員の白河研修は、強制配転との闘いの中で行われました。


 (労働者を会社にひれ伏させるためのJR東日本白河研修センターの偉容。)

私たちはこの研修に、自分たちが重圧に潰されないことを思って臨みました。

しかし講師たちは、一生懸命対応してくださいました。研修を終えるときにある講師は、「ここまで頑張ったんだから、運転士になって下さい」と言ってくれました。


 (「強制配転粉砕!」白河研修センター史上初のストライキ。)

その白河研修で見たことは、とても労働とは言えない光景でした。

白河研修センターでは、新入社員研修、車掌研修、実践管理者研修は、本社人材開発部が担当しているようです。

この中で行われるのは、奴隷か軍隊かと思われるような光景でした。

新入社員研修はわかりませんが、例えば車掌研修では、教習棟からかなり離れた実習線から「止まれ、止まれ」の大声が聞こえてきました。

列車防護の訓練のようでしたが、担当講師の目の前で叫んでも、「聞こえない」と言われるそうです。私たちは教習棟のベランダで十分に聞こえていました。


 (「脅しには屈しない!」仲間が一緒にいる。)

また実践管理者研修では、黒磯から白河研修センターまでの「行軍」がありました。私たちの研修中には、到着したグループが、歓声を上げているのが聞こえました。講師が「黒磯から帰ってきた」と教えてくれました。

ところがその夜の研修センターでは、湿布を貼りまくり足を引きずる多くの研修生を見かけました。まさに野戦病院のようでした。私は、これは労働災害だろうと思いました。それでも研修生はがんばるのですが、こんな精神主義が一体どこまで持つのでしょうか。


 (「会社の権威なんかにひれ伏さない!」白河研修センター・JR東日本本社を揺るがし、強制配転を粉砕しました!)

私たちの白河研修は、ギリギリの中だからこそ人間と人間の関わりを深く感じました。だからこそただの兵隊として労働者を使おうとする会社のあり方の本質を、しっかりと見ることが出来たのだと思います。

会社は、私たちの様な存在を排除したいでしょうが、私たちはJR採用の労働者が使い捨てにならないように、とことん立ち向かっていきたいと思っています。

労働組合は、そのための団結体だと思っています。

鉄道映画から現在を考える。

資本主義を根本から批判し、労働者の存在に期待したカール・マルクスさんは、色んな人が好き勝手を言うけど「汝の道を行け、しかして、あとは人の語るにまかせよ。」とおっしゃっていました。

どうも誰がどう言っているかなんてことが気になるんだけど、生きている限り新たな挑戦はできるんだ。せっかく生きていることを無駄にしてはいけない。

そうした生き方自体が資本主義批判なのかも知れませんね。

さて1962年って鉄道に取って大きな転換点の年でした。

それ以前の鉄道の物語を伝えているのは「大いなる旅路」という映画です。


 (亡くなった三国連太郎さんや高倉健さん。梅宮辰夫さんまで出ている1960年関川秀雄監督の映画。機関助士から機関士へと大正、昭和、戦前・戦中・戦後の30年間を生きた実話をベースにした映画です。盛岡機関区…山田線が主要な舞台ですが素晴らしい内容です。)

そして1962年に三河島事故が起きます。事故の根本原因は何か?機関士と機関助士の厳しい労働実態にも目が向けられます。

そこで1963年、常磐線が勝田まで電化された年に作られた記録映画が「ある機関助士」です。


 (1963年土本典昭監督の岩波映画)

この映画。水戸機関区が主要な舞台です。水戸駅でSLと長いボンネットの485系が見られる貴重な映像があります。

機関助士は小沼慶三氏。国鉄分割民営化の時には平(いわき駅長)をされていた方です。映画には、国鉄時代に私たちを可愛がってくれた先輩たちが映っています。

鉄道は、資本主義発展の動力源だった。戦争では兵士を運んだ。戦争が終わったら、反戦平和そして労働安全の推進軸になった。


 (最高裁に勝ち22年ぶりに運転士研修に入った動労水戸組合員の物語写真。2009年9月)

そして私たちも、人々を安全に運びながらそれぞれの物語を守り、自分たち自身の物語を作って来たのです。

「乗客が安心して眠っていられるのは、私たちが安全を守っているからだ。」

大正から昭和まで30年機関士を貫いた人の言葉でした。

周りがどうのこうのでなく自分たち自身の道を歩むこと、それが見いだせた人は幸せなのだと映像を見ながら思います。


現実は変わっている。自分も変わる。

ようやく梅雨明けかと思いきや、台風が来ているみたいですね。

「海の家」も大変かもしれません。


 (津軽の海。)

動労千葉の組合員1000人を率いて、国鉄分割民営化反対ストライキを打ち抜いた故中野洋さんは「君子は豹変す」と良く言ってました。

時代と共に現実が変わるのだから、それに応じて自分も変わらなければ通用しない。

真のリーダーは、何かが現象している時、その現象を生み出している条件は今までと同じなのか?

そう吟味して「先を読む」あるいは「絵を描いて見せる」ことができます。

信念は他の人に開かれていますが、教条にされた理想や原則は他の人から自分を閉ざし、相手を縛るだけです。

労働者は、そこから離れて行きますし、つまらない世界だ。


 (時代の変化に通用しなければ朽ち果てる。放置された十和田湖遊覧船。)


さて、時代の本質的変化はどこにあるのでしょう?

時代に通用しない者は朽ち果てる。その現象は、「変わらない」様に見える時代の中の状況の変化を鋭く捉える者たちが登場することが待ち望まれる時代の到来なのではないでしょうか?


 (動労水戸は2011年から415系被曝車両K544の運用阻止を車両センターの全労働者の支持で闘いました。)


常磐線が全線開通すれば、531系も、657系も例えばメインモーター冷却口から目一杯放射性物質を吸い込むことになるでしょう。

それらを検査し、解体清掃し、車両自体を清掃するのは一体誰でしょうか?

原町の乗務員だけの問題ではありません。

勝田車両センターでは、再び(そして広野に放置されたK544レベルではない意味で)被曝労働の問題が問われるのです。

青年の根底からの反乱の時代。青年自身が時代と社会の中軸に躍り出る時代は、口先でない言葉と行動が動かして行くのではないか?逆に言えば、自分が変わることを問わない口先だけの人が、青年の最大の妨害者になるのです。

それは、動労水戸組合員が生きた歴史から学んできたことなのです。

アニオタと鉄オタ(夢を与えて来た鉄道で被曝させてはいけない)

昨日、一昨日ブログを見て頂いた回数が10000近くになりました。

常磐線全線開通問題への関心の大きさを感じると共に、職場で日々頑張っている若い人たちが決して孤立していないことを示している様に感じます。


 (ベルリン市内の駅。「DB=ドイチェバーン」で「ドイツ鉄道」でした。動労水戸ドイツ訪問団撮影。)

「オタク」という呼び方が失礼に感じられる人は、あらかじめお許し下さい。好きなことを追い求めることは、大切なことだと思っていますので。

「京都アニメーション」の放火事件で34人もの人たちが、理不尽にも亡くなりました。


上映が始まった「天気の子」の新海誠監督も「人に夢を与える仕事をして来たのに、とても残念です。」と語っていました。

「人に夢を与える仕事」。実は鉄道の仕事もなんですよね。

みなさん気付いてましたか?


 (新宿東口から見る山の手線が印象的です。)


 (こちらはJR東日本が協賛なんですが、東京駅がまるでドイツ「ハンブルグ」の駅にかぶる様に描かれていました。)


 (そしてこちら。オジさんには「青春ブタやろう」の意味が分かりませんでしたが、江の島電鉄や駅が印象的です。)


人気アニメ映画の背景に鉄道があるのは偶然なんでしょうか?

アニメも鉄道も夢を与えているのは一緒なんだって思います。

それならなおさら、放射能を撒き散らし、若い人たちを被曝させるために鉄道が使われてはならない。

私たちはそう思うのです。

お詫びと訂正

動労水戸ブログを見ている鉄道ファンの方が、ネット上に出されている常磐線全線開通に向けた試運転の情報を送ってくれました。

ネット上の情報について、組合として確認することなく掲載したことについて「正式提案を受けた訳ではなく、根拠がない」との指摘を受けました。

全線開通とそれに伴う試運転があることは事実ですが、具体的には発表も提案もされていないということですので、この点を訂正しますと共にお詫び申し上げます。

試運転のスジを見つけて、連絡してくれた鉄道ファンの方は、高線量地帯を走らされる乗務員の身を案じて連絡をくれました。この点は、改めて深く感謝申し上げます。

引き続き情報や意見をお寄せください。


さて、みなさん東京の豊島園に行かれたことはありますか?

近くに「萬月」というこだわりの絶品お蕎麦屋さんがあります。

入りますとお店の中は「昭和」で感じよく固められています。

そしてレトロなTVで流されていたのは、何と鉄道映画でございました。


調べて見ました。
という1960年の映画でした。

東京発長崎行き夜行寝台特急「さくら」を舞台にした映画でした。

牽引するのは、EF58。そして非電化区間はC62

です。何と旧「平機関区」(現いわき)所属の機関車も使われているとのことです。

国鉄が全面協力して、国鉄職員の活躍を描いた映画です。国鉄が愛された時代の映画です。


 (平機関区C6247)

ところで、福島第一原発も第二も、東京電力の原発です。

そして世界初の完全MOXの大間原発は、水力、火力しかやったことがなく電線が専門の電源開発(Jパワー)の原発。

福島のためでもなく、東北のためでもありません。

震災と共にその原発事故で多くの人が亡くなり、悲しみ苦しんで来ました。


復興だ、常磐線全線開通だと言って被曝させられるのも福島の人たちです。

福島の人たちなら良いのでしょうか?おかしくないですか?労働者に取っては同じ仲間なんです。

相手の立場に立つ。それが出きることが労働組合に取って最も大切なことだと思います。

60年前の映画を見るまでもなく、原町やいわきの仲間の立場に立って発言し、闘うのが本当の仲間だと思います。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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