待ち望まれる水郡線完全復旧

 
    11月に入り、水郡線沿線の奥久慈地区も秋が深まってきました。常陸大子駅近くの永源寺(もみじ寺とも呼ばれています)の紅葉も、色鮮やかになっています。


(永源寺の紅葉)

 台風19号で大きな被害を受けた水郡線も、11月1日からは水戸-西金間と常陸大子-郡山間の運転が再開されました。

 また袋田-常陸大子間の流された鉄橋も、復旧に向けた作業が開始されています


(復旧工事作業中の鉄橋)

 この運転再開は歓迎すべきことですが、現状では水郡線が南北で分断されているため、利用者には多くの負担がかかっています。

 大子-郡山間では車両が8両しかないため、通勤通学の時間帯でも1両運転が強いられ、車内混雑で利用者には大変な負担をかけてしまっています。

 また水戸-西金間の列車では、これまで常陸大子で行っていたトイレの汚物タンクの抜き取りができないため、臨時に勝田車両センターに持ち込んで抜き取っています。しかし車両センターでは、すべての車両がこれまで通りの抜き取りができないため、トイレが使用できない状態での営業運転を行わざるを得ない状況です。

 会社はトイレが使用できない列車で、「お客様から申し出があれば、列車を待たせてトイレのある駅で行って頂く」としています。

 
(使用停止のトイレ)

   ですが乗務員からは「言いづらい利用者もたくさんいるのだから、定期的な抜き取りを計画してトイレの使用停止を解消してほしい」との声があがっています。

 少しずつでも水郡線が復旧していくことは良いことです。それでも流された鉄橋の復旧には1年以上かかると言われています。そうした中で利用者の負担を無くすために、会社の早急な対応を望むばかりです。

車掌を切り捨てるための「ワンマン運転拡大」

    
    動労水戸の上部組織である動労総連合は10月21日、JR東日本本社と「ワンマン運転拡大」の交渉を行いました。


    会社はこの提案の理由に「今後の人口減少」「社員の採用が困難」等をあげ、「最新の技術を導入して、機械に置き換えていく」としています。しかし、列車の安全を確保する車掌業務は、簡単に機械に置き換えられるものでしょうか。
   
    会社は「仙台空港線では問題はない。東北本線の検証でもいい結果が得られた」として導入しようとしています。

しかし組合から「ホームの安全確認」や「列車の後方確認」などを追及すると、「扉の開閉は確認できた」「乗降は確認できた」などと答えるのみで、安全が確保できたとは答えられませんでした。


    また「最新技術」と言っているものも、ほとんどが「検討していく」という回答です。
    この提案の目的をさらに追及すると、「ワンマン運転拡大は変革2027』のひとつ」「生産性向上。コスト削減。社員を減らしていく」と、要員大合理化の目的を明らかにしています。この施策のためにJR東日本は、全面的な労働組合解体を進めています。労働者の団結破壊がカギなのです。労働者を分断して要員削減と外注化を進め、鉄道業務を根本から解体するものと言わざるを得ません。



    動労水戸は、この大合理化を絶対に許すことはできません。仲間を切り捨てようとする攻撃には、現場の労働者の団結をつくって立ち向かっていきましょう。

水郡線の復旧計画(案)と労働


    台風19号によって大きな被害を受けた水郡線の復旧に向けた見通しが、18日にJR水戸支社から明らかにされました。

(JR水戸支社・18日の定例会見)

    袋田-常陸大子間で流失した鉄橋の復旧には1年以上かかるとのことです。

その他運休している常陸大宮-郡山間のうち、常陸大宮-西金間と、常陸大子-郡山間が、11月1日から運転再開の予定です。

    地方の住民にとっては、こうしたローカル線が社会の生命線であり、一日も早い復旧が願われていると思います。

(台風19号による水害で崩落した水郡線の鉄橋)

    こうした列車の運行を担う現場の労働者のことを、少し伝えたいと思います。

    線路や信号系統などを保守する設備系では、JR本体が大きく削減されており、グループ会社、協力会社と呼ばれる会社の労働者が台風以降の連日、点検や復旧に動いています。

    また、車両の整備をするJRの労働者、グループ会社の労働者が、仕事のあり方を変更しながら、いつでも走らせられるように整備しています。

    こうした点検や整備があってはじめて列車は走ることができます。つまりは、この労働者無しには列車は走れないということですね。

    鉄道の構成というのは社会の縮図のように思います。駅や保線、電力、運輸などの各系統が協力することで、列車が走ることができます。どこかの仕事を削っても何とかなるものではありませんね。


(国分勝之撮影)

    東日本大震災や毎年のように起こる台風災害では、どんなところでも一人一人の労働者が重要な存在であることがわかります。安部首相、小泉環境大臣が訪れたら、福島が復興するわけではありません。

    私たちは現場で奮闘する労働者を大切に思い、みんなの協働で生きていく社会を、労働組合を軸にして目指していきたいと思っています。災害に負けず、みんなが繋がって生きていきましょう。

 

動労水戸情報639号を発行しました。

10月15日(火)動労水戸情報第639号を発行しました。
9・22高線量地帯に向かって列車を走らせるな・水戸集会の報告第1回です。

勝田運輸区運転士・高野安雄副委員長の発言を掲載しました。

台風19号!大きな傷痕。


(千曲川が決壊し北陸新幹線の車両が水没)

 台風19号は全国に大きな被害をもたらしました。

 被害にあわれた皆様には心からのお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い復旧を念願しております。


 みんなが協力して、生き抜いていきましょう。



 私たちの働くJRでも大きな被害が出てしまいました。


その中で水戸支社の水郡線では、3ヶ所の橋梁(鉄橋)が破壊されてしまいました。1ヶ所は傾き、2ヶ所の橋梁が流されてしまいました。これにより水郡線は水戸駅-西金駅上小川駅-袋田駅常陸大子駅-磐城浅川駅里白石駅-郡山駅の、4分割の状況になってしまいました。

 
(JR水郡線・袋田–常陸大子で流された「第6久慈川橋梁」)



 今後の復旧には、協力会社の労働者も一緒に懸命の作業にあたっていくでしょうが、大変な時間がかかると思います。袋田駅近くの「第6久慈川橋梁」では、橋脚までなぎ倒されています。自然の猛威をまざまざと見せつけられた思いです。




 それでも私たちの鉄道労働者は、地域住民の生活の足である鉄道を、必ず復活させていきます。


今日までの社会の歴史は、労働者の労働が作り上げてきた歴史です。どんな権力者が現れようと、社会を発展させてきたのは世界中の労働者です。


 動労水戸もその一員として、くじけず、あきらめずに、力を合わせて働いていきたいと思っています。



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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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