信頼について

労働者の味方カール・マルクスさんは「信頼は信頼としか交換できない。」と言いました。私たちは、この言葉を労働組合の原理と考えて来ました。


  (国分勝之撮影)

商売など金銭的利害関係は「信用」によって成り立ちますが、人間関係は「信頼」によって成り立っています。

信頼には相手への期待はありますが、それに対する見かえりや保証は含まれていません。

ですから「相手を信頼しています」と相手に責任を丸投げし、何か問題が起きたら「裏切られた!」と言うのは信頼ではありません。

信頼を信用と一緒にしてしまうと、自分は何もせずに責任は人に丸投げし、思った通りにならなかったら途端に「裏切られた」と言い出しすのです。

自分は努力しないで、責任は相手に負わせるのは最悪の関係になります。これは信頼関係ではないのです。

信頼というのはお互いの努力なくして成立しない。お互いに努力することを前提とする関係だと言うことです。


 
(27日。上手い下手よりフェアに楽しく、組合コンペ。)

冗談を言って突っこみながら、しかし相手のプライベートな問題には触れない様に気遣う。

一知半解なのに相手が分かっているかの様な態度は取らない。

仲間をけなさない。

そう言う気遣いや注意が、労働組合の信頼の土台になります。

会社と闘うことは、仲間との信頼関係形成の努力無しには成立しません。


 (29日。動労水戸拡大執行委員会。常磐線開通問題を説明する国分副委員長。)

台風シーズン到来下の水郡線での事故

おはようございます。幸い台風がかすって通過しましたが、水郡線では6月26日に、磐城石川-里白石間で倒木があり、上り列車にぶつかって大幅に遅れる事故がありました。


 (国分勝之撮影の水郡線)

ぶつかった列車の運転士と乗客には怪我はなく、幸いでした。しかし、動労水戸の組合員は、怒っています。

この倒木があったところが、昨年の台風でも木が倒れた場所なのです。そして、「残っている木が傾いている」と乗務員からは再三にわたり伐採の要請が出されて来た場所だからです。

大子では管理者からも伐採要請が出されていました。しかし、水戸支社は「優先順位」があると放置して来ました。



保線や土木部門の合理化により、ローカル線は常に危険と隣り合わせにされています。また、車両などへの損害も大きくなっています。それでも会社は責任を取りません。

合理化のために安全のためにのコストを削減する。その中で、命が危険にさらされています。

こうしたことをJR東日本は「変革2027」として、さらに推し進めるのです。

社会も労働組合も人で成り立っています。だから、信頼が土台です。信頼関係の中に本当の力があるのです。目的を別に持ちながら「信頼」を宣伝したり強制する会社や世の中の嘘を、労働者の本当の信頼関係を築きぶっ飛ばしましょう!

指差喚呼「右よし!左よし!」

おはようございます!

線路横断の際の指差喚呼。「右よし!左よし!」

あるいは、確実な作業のための指差喚呼。「…よし!」「…駅停車!」は、国鉄から始まったとのことです。


 
(いわき駅構内にて発見。)

労働者に対してブラックで、違法行為をする会社が労働組合を潰す時に決まって使うのが「法や規則」の厳格化です。

服装や勤務態度など、あらゆる理屈をつけて縛り上げる。それが嫌なら抵抗するなということ。それでも反抗する労働者には、賃金や配置転換で締め上げる。

それを「経営権」だの「人事権」だのとぬかすのです。法を守れ!という労働者に「規則」が持ち出される。労働者は混乱する。大変だから、ことを荒立てなくても良いじゃないか?そうなる。

すると労働三権(団結する権利。団体交渉を要求する権利。団体で行動する争議権。)が憲法に規定されていても、大半の労働者、特に非正規雇用労働者の日常には何の関係も無くなります。

規制緩和による法の改訂は、法そのものと現実の解離を生み出しています。だから法律や理想を盾にした論議の中には、もはや労働者の現実を捉え、変えて行く力が無くなっているのです。

この変化の中で、労働組合もまた、法や規則のやり取りの枠内に縛られ、労働者の働く現場や生活の場に根差すことができなければ、やはり現実を変える力を持たないのだと思います。



 (いわきユニオン新組合員歓迎会・動労水戸平支部事務所)

常磐線全線開通による帰還と被曝の強制による労働と生活の破壊との根本的闘いも、ブラックな世の中を変えることも、労働者自身の労働組合を地域に打ち立てること無しに力を持たないと実感しています。

小さな歩みですが、一歩一歩しっかりと、言葉と現実の解離から本当の人間関係を取り戻したいと思います。

「右よし!左よし!」

非正規雇用労働と闘う!

みなさんおはようございます。

本日は、福島県いわき市の観光バス会社との団体交渉があります。


 (国分勝之撮影。E501系電車)

労働組合結成を通告し、従業員が見たことの無い就業規則を出すことを要求したら、中心組合員の乗務停止を通告して来ました。

労働組合を作って法を守れ!と当たり前の要求をしたら、別の形で報復して労働者を排除する。

こういう理不尽は、JRだろうと中小企業だろうと同じくあります。


 (乗務で疲れている国分さんと一緒に団体交渉へ。E501系車内。)

ただし昔と違うのは、その日暮らしの賃金で「老後」も病気やケガをしても何の保障も無い非正規雇用労働者が40%を越え増え続けていることです。



労働者はみんな自分の生活に追われ、まず自分のことを考えます。

他人がどうであろうと、取り合えず自分が安泰なら良い。下手に同情しても、何の得にもならない。

非正規雇用の労働に至っては、人間的疑問なんか持ったらやっていられません。

機械の様に与えられた仕事をこなして、命を長らえて行くしかない。誰も私のことなんか気にしない。



そう言う日々を送るしかない青年たちに取って、労働組合なんて一体何の意味があるのか分からないと思います。

大体みんな分かっているみたいに偉そうに演説したり説教しているだけじゃないか。人の苦しみなんか分かるはずがない。

しかし時代の転換は、こうした労働者や青年たちの状況と意識の変化にあるのではないか。

そしてその労働者や青年たちが、人間として立ち上がる以外に私たちは力を持たないのです。

あらかじめの答えの無い挑戦は、「これは許せない!」と必ず立ち上がる労働者の存在と共にあるのだと思います。

人が人を呼ぶのです。そのシンプルな原理を貫き、今日も頑張りたいと思います!

「兄貴」や「親父」について

JRの小さな労働組合のブログですが、再生回数46000回、見ていただいた人も16000人になりました。リピーターは7000人です。

皆さまいつもありがとうございます。


 

国分勝之撮影のレトロ写真。昔も今も、自然の美しさの中の列車を撮り続けて来たのですね。

ところで技術の進化は、目的と手段が入れ換わることを生み出します。例えば、写真を撮るために機材を揃えているうちに、機材を集めることそのものが目的になってしまったりします。

お金も本来は、人間自身が労働で生み出した価値を交換するための道具なんですが、お金を集めることが目的になっています。

お金にこだわればこだわるほど、生きた人間は「しもべ」にされます。


 (2015年韓国ドラマ「錐」スーパーマーケットの労働者解雇と闘うドラマ。)


兄弟でもないのに「アニキ」と呼んだり、親子でもないのに「オヤジ」と呼ぶことが、労働組合にもありました。

「兄貴」と言うのは、格好良くて、熱血漢で面倒見の良い人らしいですが、韓国の人たちに取っても特別の呼び方の様です。

その様に呼ぶことに、特別の親しみと信頼を込めています。だから「兄貴」と呼ばれる方も「ヘタレ」だったり「信頼を裏切る」と最低の男になってしまう訳です。

1990年代から経済がグローバル化して大多数が敗者になる時代が来ました。

特に働く人の姿が見えなくなりました。深刻なことは、若者たちが目指す身近な大人のモデルも見えなくなってしまったことです。

労働組合の目的は、労働者自身にこそ力がある。人間の労働(仕事)こそが価値の実体なのだと言うことを貫くことにあります。

だから労働者を「しもべ」にする組織であってはならないのです。

自分の覚悟をしっかり持ち、格好良く、熱く語りかけ、自分が語りかけた若者に対する責任から決して逃げない。

そう言う口先でない「兄貴」的存在の登場が今こそ求められているのではないでしょうか?


「錐」の様に尖ろう!

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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