動労水戸組合差別裁判の報告

6月7日の動労水戸組合差別裁判闘争は、日勤者7名のストライキを配置して、14時から水戸地裁で行われました。

公判前の進行協議では、組合側が文書提出を要求している現場における「勤務評価の基準」(どういう行為がどういう評価になるかという決定的な文書)について、裁判長から会社側に対して「任意で出せないか」と求められ、会社はしぶしぶ「検討する」と答えざるをえませんでした。

また、組合側山本弁護士は、昇進試験の答案や結果をどう廃棄しているかについて、新たに出された会社側陳述書と以前に出された文書とは内容がことなっている、と会社側を鋭く追及。会社側の文書の信憑性が問われることに。

口頭弁論においては、組合側葉山弁護士が「会社側の準備書面は、組合側主張に『争う』とだけ反論しているが、本来は理由もきちんと書かなければならない。民事訴訟法に反する」と陳述しました。

石井委員長は、社友会について会社側は知らないと言っているが「交通新聞の記事で社友会を通じて情報を知らせる書いてあるし、支社の実行計画説明会を社友会主催でやっている。社友会に入るためには労組を抜けなければならないという規約になっている。会社側が労働組合を嫌悪している証拠である」と陳述しました。


  (組合員からの質問に丁寧に答える松田弁護士)

裁判終了後の総括集会で、松田弁護士は「この裁判、長い時間がかかっているが、少しずつ勝利的に進んでいる。お互いの主張もほぼ出ているので、証人調べの準備をしていく」と報告しました。

組合員からは、裁判所の文書提出命令に対する動きや、この日の会社側傍聴が少なかったことなどが出されました。

第二次となる現在の組合差別裁判も8年になります。しかし、会社側の不誠実な対応などでなかなか進展していません。それでも主張は出揃った感じで、証人調べも射程に入ってきました。

会社はいま、動労水戸組合員にかけてきた労働者差別の攻撃を、全社員にかけてきています。私たちの闘いは、「変革2027」を打ち破っていく闘いになろうとしています。

皆さんのさらなるご支援とご協力を、よろしくお願いいたします。

世界が揺れている中で確かなもの

「金のあるところから吐き出させろ!」と年金を投機に使い、年金財政も危機だから今のうちに投資しろとあおられています。

年金財政は、支給の展望さえ無い青年労働者からも半強制で取られている。

財政危機からの脱出。医療福祉の充実のために消費税10%でも足りない。消費税に免除はありません。

雇用は非正規雇用で、希望など持てない。しかし、消費やサービスはどんどん煽られる。携帯中毒、ギャンブル中毒で子供たちが日々捨てられているのに、それでも足りないと「カジノが必要だ!」と言う。

一体誰のための国なんだろう。しかし、日本だけでなく世界がおかしいらしい。


 
(水戸駅。折返し引き継がれる常磐線E501&水郡線E130。)

今日のトップニュース。

「20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は初日の8日、世界経済の下振れリスクを点検した。基本シナリオは今年後半から来年にかけ世界経済は回復に向かうというものだが、大半の国が減速リスクとする米中貿易摩擦が激化しており、想定通りの回復が危うくなる恐れも出ている。」

「回復」ではなく「破局の恐れ」ではないのか?世界が過剰と貧困の中で、進退が極まってるんじゃないのか?確かなことが見えない時代ではないのか?

非正規雇用の大半は、努力しても誰も認めてくれない、先の見通しの無い奴隷の様な労働に明け暮れる。

高い学費を払い大学や専門学校で学んだことや、取った資格と無関係な仕事に就くしかない。

努力しても報われない日常って、生きる意味が無くなるってことじゃないのか?出口の無い人生ならば、刑務所だろうと死刑だろうと同じだってならないだろうか?

命の大切さを語ることと雇用と労働の大切さを守ることは一体でなければならないのではないだろうか?


 (木の道を歩いてみよう。跳ね返すでもなく、吸収されてしまうのでもなく、自分の確かな足取りを感じられます。人間は、自然の一部でありながら、自然を対象化する存在です。)

私たちは、確かな足取りを求めている。今一番必要なことも確かな足取りでは無いだろうか?自分自身だけでは見えない確かな足取りは、他の人との関係の中で見えるのです。

仕事・生業を通して人間の本当の関係をつかみ取って行くことは、実は労働者にしか見えないことなのです。人間の労働を、低めることとの根本的な対決が、労働組合の真の役割りではないでしょうか?

動労水戸の裁判で「国鉄とJRは違う。国鉄がやった労働組合敵視(不当労働行為)をJRは引き継いでいない。」と主張していた会社側が、昇進試験の資料について「国鉄から引き継いで廃棄している」と言いました。

その場、その場の詭弁で労働者の存在を低め労働組合を軽く見る。そう言うものが全て揺れている時代に入ったのだと思います。

その時代の確かな足取りを、仲間との信頼を深めながら歩んでいると動労水戸は感じています。

「痛い」「つらい」「悔しい」体験の大切さ

動労水戸。本日14時から水戸地裁で公判があります!宜しくお願いします。

「絶対安全」なんて無い。まして、利益優先で飽くなき効率化と労働強化に走る企業や社会に、安全はおろか人としての未来は無いことを伝えて来ました。


「100%の安全を保証する」ということは、実は人の信念や失敗に学ぼうとする意思や意識の中にあるのです。終わることの無い探究や挑戦が、生きているということそのものなのだと思います。


 (国鉄で活躍したED75電気機関車)

先日は、雪印乳業の例をあげました。さらにさかのぼりたいと思います。1962年常磐線で三河島事故が起き160人が死亡しました。その翌年1963年には、三井三池炭鉱で炭塵爆発事故が起きました。死者が458人、重軽傷が555人に上り、助かった労働者も一酸化炭素中毒で生涯苦しむことになりました。

微粉状の可燃物が、空気中である一定の濃度に達した時引火すると爆発を起こすのです。こうした爆発は、福島第一原発での水素爆発でも起こりました。

炭塵爆発を止める基本的手段は、清掃と水撒きです。ところが、政府を先頭に「時代は石炭ではなく石油だ」と、利益を上げる阻害物として労働組合破壊を進め、それと一体で効率化と大量解雇を行いました。そして、安全管理を担当する労働者が、ムダだと減らされたのです。こうして大事故が起こされたのです。

今の状況と良く似ていませんか?

大きな失敗ですが、高度経済成長の犠牲者として労働者が葬り去られて来ました。この痛みを忘れない役割が、労働組合にありました。しかし、国鉄分割・民営化の時には「闘っても負ける」(?)教訓としてひっくり返されてしまいました。


  (労働者の歴史。一体どれ程悲しみの涙が流されて来たことでしょう。)

時代はもはや「経済成長」が、青年たちの夢や未来を切り開くどころか逆に「夢も希望も描かせない」状態に入ったことを示しています。

私たちは「痛い」「つらい」「悔しい」という生きた体感を伴わない、安易なサービスや情報の一方的受け手とされ、消費するだけの存在とされています。

人間性の無い低賃金労働で購入できるものは、より低賃金な労働者が作る安易な商品です。

本当に大切なものではなく、安易なものに囲まれているのではありませんか?

人々を守る本当に大切な人々を、無駄で無用としてしまうことで、巨大な爆発が準備されてはいませんか?


私たちは、行動することで体感します。行動して失敗したことが、痛みやつらさ、悔しさの感情を伴う時、私たちは新たな知識を真剣に求め受けいれ様とするのだと思います。

こうした体感を伴わない、頭だけの知識は本当の知識にはなりません。「痛みが無い」知識とは、やはり安易であり、危険なことなのではないでしょうか。

無人化電車逆走事故に対するJR東日本深沢社長の発表

シーサイドライン逆走に続き、ブルーライン脱線。最新鋭の鉄道で連日信じられない様な事故が発生しています。

その渦中でのJR東日本深沢社長の発表にネットでも批判が高まっている様です。みなさんはどう思われるでしょうか?

JR東日本「自動運転は安全性検証しながら開発」

NHK 2019年6月4日 17時00分

JR東日本「自動運転は安全性検証しながら開発」


 (深沢JR東日本社長)

横浜市の新交通システム、シーサイドラインの逆走事故について、鉄道への自動運転の導入を目指しているJR東日本の深澤祐二社長は、原因究明の結果を踏まえ安全性を検証しながら開発を進める考えを示しました。
JR東日本は、将来的な人手不足に備えるため、運転士が乗務しない自動運転の導入を目指し、ATO=自動列車運転装置を備えた車両を使って山手線で走行実験を行うなど、システムの開発を進めています。

シーサイドラインの事故について、深澤社長は4日の定例の記者会見で「原因究明の結果を踏まえ必要な対策を講じる。今進めているドライバーレス化に向けた開発は、引き続き安全性を検証しながら進めていく」と述べました。

JR東日本は2027年までの中期経営ビジョンで、一部の路線について緊急時に備えて車掌などの係員だけが乗車する自動運転の構想を明らかにしています。さらに、将来的には車掌を含めた乗務員を完全に無人化することも検討しています。
 

  (横浜ブルーライン)
 
JR東労組。現場の青年たちは踏ん張っていますが、「必要な効率化には協力する」立場にだったと思います。無人化に反対はしないのでしょうか?

安全の根本に関わる課題ではないですか?

「お前がいるから助かるよ!」労働組合の原理

梅雨入り前ですが、猛暑に近いですね。体調管理をお互いに気を付けて、安全第一で頑張りましょう。

みなさんは「ワークショップ」ってご存知ですか?セミナーとは違い、体験型講座のことを言うのですね。

例えば、ロッククライミングをやって見る。自分自身の判断で、岩を登る判断をしなければならない。高所ですし、自分で判断するしかない。


 
(ロッククライミングではありませんが、山登りも磁石や地図の見方など基本が大切な様です。国分さんは、列車ダイヤも地図も良く見ます。)

すると日頃は職場のリーダー格で、偉そうなことを言っている人が情けないことになることがあるそうです。

結局、決められた狭い範囲で通用していることが、そのまま通用しないという経験を学んだりする訳です。

でもそれは当たり前のことです。どんな仕事をしても「餅は餅屋」と言う様に(古い例えでしょうか?)、人はそれぞれ他の人と違う経験を積んでいますし、増して自分の仕事と真剣に向き合って来た人の話は、自分ではできない体験の宝庫ではないでしょうか?

だから、自分の経験だけが凄い、自分だけが大変だという人は、もったいない世界に生きていることになります。

労働組合が面白いのは、色んな人生や経験を重ねて来た人がその経験を語り、今を生きる知恵や力に満ちていることを知ることができることにあります。

そう言うひとり一人の存在と力が、労働組合の力です。本当は、労働者が社会を動かしているのですが、労働者なんか取るに足らないと言って搾り取るこの社会への根本批判が労働組合にはあります。

また、そう言う労働組合でないと力を持たないのだと思います。


 (今や絶滅寸前ながら、国鉄時代小さい体でブルトレを牽引していたED75です。)

国鉄を分割民営化し「豊かで便利な社会を作る」と言われました。労働組合は、「過去の遺物」「働かないための社会悪」とされて葬られて来ました。

実は、その間進められたのは派遣や非正規雇用の全面化「豊かさ」は、青年たちの未来を破壊することで富裕層がより潤うことでしかなかった。

「便利な社会」って、人の存在や経験を無駄なこととして軽くされる社会だった。例えば、大工さんの自動釘打ち機は、熟練や良い仕事を無用にしました。

何かしら困難に当たると、その道の経験者に頼らずともマニュアルがあり、YouTubeを見ればツボやこつまで出されています。

「だから大丈夫。」?本当だろうか?現実の困難や選択とは、限りある自分自身の困難や選択だ。自分でやるしかない時に、本当に力になるのは、精神であり感情、つまりモチベーションこそが決定的ではないでしょうか?

精神や感情を支えてくれるのは、生きた人間であり、実は自ら困難を越えて来た人にしかできないことなのです。


子供たちや青年の活躍の場を奪い「あなたがいるから助かる」と子供や青年に本気で頼まなくても済むと思っている現状を、先ず労働組合から変えることでぶっ壊す時だと思います。

そこに時代への回答がある様に思います。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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