動労水戸ブログ
5両編成のワンマン運転の現地調査を実施
動労水戸は7月19日、今年3月から東北本線で実施されたワンマン運転の実態を見るために、現地調査を行いました。
(黒磯駅に集合=ワンマンは新白河まで5駅23分の短区間)
JR東日本は来年3月に、水戸線の全列車と水戸線直通の常磐線・友部–勝田間の一部列車で、5両編成のワンマン運転実施を提案しています。
今回の調査には、同じく来年3月に内房線、外房線、鹿島線でのワンマン運転提案がされている、動労千葉の仲間も参加しました。
この日調査した列車では、日曜の昼過ぎというのに乗客はほぼありませんでした。
乗客の乗り降りを確認するために、運転席の頭上にモニターが2つ付いています。駅に到着してドアスイッチでドアを開けると、モニターに各車両とホームが映ります。1つのモニターを3分割して映しますが、ホームは最大で5メートルくらいまでしか映りません。車掌の目であれば、ホーム全体や階段から来る乗客も確認していると思いますが、車両に取り付けたカメラではそこまでできません。
(車側モニター=1つを縦に3分割)
(パイロットランプ点灯後もモニター確認?!)
運転士がドアを閉めると、閉まったことを知らせるパイロットランプが点灯します。運転士はパイロット点灯で列車を発車させます。発車して数メートルくらいまでは、まだモニターにホームが映っています。
車掌の業務では、駅での停車前、停車中、発車後の各30秒のホームの安全確認を行います。この発車後の確認を、ほんの数メートル映しただけで、車掌の安全確認に代えてしまっています。まして運転士は、列車が動き出せば前方注視義務があり、いつまでもモニターを眺めているわけにはいきません。
車掌が行うように、ホームを抜けるまで安全確認をすることが不可能なのがワンマン運転です。
(日曜の昼下がりでも1人も乗降客なし)
車内放送は自動放送であり、各駅の到着時間や詳しい乗り換え案内はありません。車掌だからできる仕事が切り捨てられています。この他にも多くの問題があるのがワンマン運転です。
私たちは、ワンマン運転は人件費削減のために車掌そのものを無くし、乗客の安全、鉄道の安全を破壊するものだととらえています。これまで2両編成で行われているワンマン運転でさえ、乗客と運転士への負担が増えました。
5両編成のワンマン運転を開始することで、JR東日本はほとんどの列車にワンマン運転を拡大しようとしています。私たちは乗客の安全と車掌の仕事を守るために、ワンマン運転に反対していきます。
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2020/07/28 Tue.
「西金–袋田間の運転再開」で団体交渉
JR水郡線では、7月4日に「西金–袋田間」が運転再開となると提案が出されています。不通となっている鉄道が再開されることは喜ばしいことですが、これにより労働条件が改悪されるため、動労水戸は6月15日に水戸支社と団体交渉を行いました。
交渉の前段では水戸支社から「中編成ワンマン運転の実施について」の提案がありました。(別途掲載)
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?yj=15900493373456
今回の改定で水郡線営業所では、乗務する列車は変わらないのに、入出区の持ち替えにより2つの行路で運転士の拘束時間が拡大されています。また水戸運輸区では、1日の乗務距離が319㎞も伸びるのに、要員はそのままで拘束時間が拡大されています。組合では労働条件を維持・改善するために、水郡線営業所の運転士行路を現行のままにすること、水戸運輸区では要員を増やして勤務を緩和することを求めました。こうした要求に対して水戸支社は、一切「提案で理解されたい」として拒否しています。
水郡線営業の拘束時間の拡大について水戸支社の最初の回答は、「常陸大子以北を1両から2両にするから。出区をMTSにするとMTSが超勤になるから」というものでした。
これに対して組合から、すでに2両運転になっている。それでも入出区の担当を変えるのはなぜか」と質問しました。
ここで水戸支社は回答に詰まり、初っぱなからの中断になってしまいました。
再開後の水戸支社の回答は、320Dから327Dが同じ車両を使う「運用入出区」であったが、改訂では別の車両を使う入区準用、出区準用になり準備時間が確保できない。そのため302行路の拘束時間が拡大した。また、改訂で328Dから337Dが同じ車両を使うため「運用入出区」となるため、306行路の拘束時間が拡大した、というものでした。
302行路は現行でも22時間を超える行路です。これを23時間を超えるものにしようとしていますが、それは車両運用の皺寄せでしかありません。
また水戸運輸区の問題では、水戸支社は「規程の基準内で効率的な運用。長大行路とは思っていない」と答えています。
しかし乗務距離が伸びることで、水戸からの回送列車の発車や到着が変わります。そうした中で、泊まり行路の明けの部分を増やすことは、労働が強化されることです。その他にも、出勤時間、退勤時間が拡大されています。労働者にとっては全然効率的ではなく、増えたものを押し付けられているに過ぎません。それが規程に入っているからとするのは、乗務労働を軽く見ているとしか言えません。それは安全の崩壊につながるのではないでしょうか。
この他に、代行バスへの接続の改善や案内について。水郡線営業所の運転士の袋田以南の技術保持。水戸運輸区の兼務者の将来展望などについて交渉しました。
今回の交渉では、水戸支社が運転再開に乗じて効率化を推進し、その皺寄せとして労働強化を押し付けるものであることが明らかになりました。
会社は、労働組合を解体することで労働者の要求を無視していこうとしています。動労水戸は労働者の声を結集し、労働条件が改善されるように取り組んでいきます。職場の声をどんどん上げていきましょう。
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2020/06/26 Fri.
「社員の発意」による業務とは?
新型コロナ感染に対する緊急事態は全面解除されましたが、まだまだ安心できる状況ではありませんね。
こうした状況の中で、あるJR東日本の運転職場では「社員の発意で」感染防止のための車両の消毒作業が行われています。感染防止として消毒作業を行うことは良いことでしょうが「社員の発意で」とは何? 業務としてきちんと要員を確保してやるのではなく、あくまでも「希望者」ということです。
(東京支社による「感染拡大防止の取り組み」のニュース)
こうしたやり方ですぐ頭をよぎるのは「希望してやるかどうか」で勤務評価がきめらるのではという不安です。これまでも「マイプロジェクト」や「◯◯委員会」、「業務研究」などで、JR東日本は勤務評価をしています。このことは動労水戸の「運転士登用差別裁判」で明らかになっています。
勤務評価のためにこうした作業に参加せざるを得ないのは、結局のところ、サービス労働の強制となります。しかも、自分の時間のみならず、出勤予備や自宅待機の時間でやっても良いという、業務か何かあいまいな代物です。
ところで、「希望者」がいなかった場合に作業をどうするつもりなのでしょうか。千葉運輸区の説明では、この作業を4人1組で1列車を担当する」とあります。足りなかったら希望しない者に業務指示を出すのでしょうか。場合によっては、順番に強制的に業務指示されかねません。それでは「社員の発意」とは言えなくなると思います。
さらに千葉運輸区の説明では、「全車両終了しなくても、時間のない場合は終了し降車すること」とも書いてあります。「お客様に安心してご利用頂く」ために必要な作業だとしたら、列車を遅らせても消毒を完了しなければなりません。本当に「誰のため」の作業なのか、疑問を持たざるを得ません。
しかも、列車に乗客が乗っている中で行うことは、本当に大丈夫なのかと感じます。この作業にあたる労働者の防護対策についても、万全とは言えるものではないようです。これで感染したら、会社はどのように責任を取るのでしょうか。
(東京新聞の記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/36274
)
一方で福島第一原発のすぐ脇を通る常磐線では、放射能の高線量地帯にも関わらず、コロナ対策として列車の窓を開けて走らせています。列車の中は感染の心配があり、列車の外は被曝の心配があります。こうした状況で列車を走らせることは、「安心して鉄道をご利用頂く」ことと正反対です。
「社員の発意」を使って無責任な作業をさせることより、鉄道を動かす労働者が安心して働けることが、安心して鉄道を利用することができると、私たちは考えています。
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2020/06/17 Wed.
安心して働くためには
先日、JR北海道で乗務前のアルコール検査において、検知器の不具合によって列車を運休させたニュースがありました。機械があてにならないのは大変な問題ですが、安全を確保するためにはやむを得ないことなのかとも思います。
(アルコール検知器の一例)
このニュースを聞いた組合員からは、「放射能測定器で高い数値が出ると『機械の故障』で済ませるくせに、アルコール検査だと『乗務員が悪い』になるのは納得いかない」との声がありました。
そうですね。会社は不都合が起こると、労働者のせいにするのがほとんどですね。しかし、人間も機械も絶対ではありません。なによりも安全を確保するための人間の判断が求められると思います。
動労水戸は、常磐線を全線開通することに対して、乗務員と乗客を被曝させないためにJR東日本と渡り合ってきました。
その過程の中で、会社は乗務員には線量計を持たせて線量管理するかのようなことを言っていました。しかし、乗務員から高い数値が出たとの報告に対しては「線量計が壊れている」と問題にもせず、次の列車や運行を止めて確認を行うこともありませんでした。
団体交渉では、乗務員と乗客の安全確保として線量管理を求めてきましたが、会社は「高い数値を示した場合は関係箇所に連絡する」と答えていましたが、その先がどんな対応をしたのかは明らかではありません。
全線開通となった現在でも、乗務員からは高い数値が出ていると声があがっています。また乗客からも「線量計のアラームが鳴る」というような、ネットへの書き込みもあります。
コロナ対策として窓を開けたり、全てのドアを開けるようにしていますが、線路の脇が「帰宅困難区域」のところでも「敷地内は除染した」として同じ対応がとられています。
JR東日本の「安全綱領」には、「疑わしいときは、あわてず、自ら考えて、最も安全と認められるみちを採らなければならない」というものがあります。全線開通に対する安全の根拠に対しては、「国が安全と言っているから」と自らの責任を回避するJR東日本に、最も安全と認められるみちを採ることができるのでしょうか。
私たちは、会社に安全を確保させるためには、現場で働く労働者の声を結集することが必要だと考えています。みんなが安心して働ける職場にするために、現場から力を合わせていくことが必要なのではないでしょうか。
もう一つ、コロナ対策として水郡線常陸大子ー郡山間の両数変更についての続報です。
(袋田ー常陸大子間の橋梁工事・橋脚が立ち上がるところまで進んでいます。)
水戸支社は、動労水戸との交渉で、2両運転にするのは7月のダイヤ改訂からとしていましたが、5月31日から段階的に2両運転に両数変更をすることにしました。これは現場からの要求とともに、乗客の声が会社を突き動かしたものだと思います。実際、乗客から車掌に両数についての意見があったようです。
1両に詰め込まれていた乗客が、少しは密集から解放されればと思います。
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2020/05/28 Thu.
水郡線では新たな倒木情勢
新型コロナ感染情勢で国民の活動が規制されているなか、安倍首相が成立を目論んだ「検察庁法改正案」は、5月18日多くの国民の反対の声で今国会での成立が見送られました。
安倍首相が自らの身を守るための法律に国会前やツイッターで反対の声が湧き上がったことで、一旦はこの暴挙を止めることができたのではないでしょうか。
それでも安倍首相は、秋の臨時国会での成立を諦めていません。いろんな不正を続けて国民の利益を奪い取る権力者の暴挙を許さないために、改正案に対する反対の声を上げ続けていきましょう。
さて水郡線ではこの3ヶ月間で、3回の倒木事故がありました。
●3月、泉郷−川辺沖間、
●4月、山方宿–中舟生間、
●5月18日、川東−泉郷間、
で発生しています。
この中で3月と5月の事故では、車両前面のガラスや車体に木が突き刺さったり穴が開いたりしています。幸い乗客や乗務員には怪我などはありませんでしたが、ひとつ間違えば命を落としかねません。
これまでも沿線の立ち木の危険性について指摘してきました。職場では、危険と思われる箇所の伐採を求めてきました。すぐに対応してくれた所もありますが、まだまだ事故の危険性は取り除かれてはいません。乗客・乗務員の命を確保するためには、現在の保守体制を現場から見直していく必要かあると思います。
(倒木じゃなく流木に植えられた「セッコク」国分勝之さん宅)
鉄道の安全を守り、人命を守るために、自分達の声で危険を取り除いていきましょう。そこにこそ私たちの仕事の誇りがあるのではないでしょうか。
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2020/05/20 Wed.
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