動労水戸情報610号

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全面外注化・分社化に黙っていてはならない

動労総連合に結集し共に闘おう!


世代と国境を越えて同じ攻撃と闘っている

30年前、動労水戸は国鉄分割民営化に反対して結成された。全員20代の青年だった。

どうしてだろうか?

運転士を目指していた国鉄最後の採用者は、5年後に民営新会社にされた。採用時には言われなかったことだ。なのに「反対は許さない」「嫌なら辞めろ」と言われ、失望から自殺した青年もいた。詐欺同然の扱いに怒るのは当然だ。
 
今、JR本体の青年は30年前と同じ境遇にある。運転士を目指して頑張ってきた青年に、駅外注化のためだけのライフサイクルが強制されている。さらには車掌兼務だ。JR東日本は全面外注化を推し進めるために分社化を猛然と進めている。

強制出向から戻った青年たちには元の仕事がない。さらに外注化が進めば一体どこに行き場があるのだろうか?分社化された「新会社」に行くしかない。その「新会社」では、まともな教育も受けられず経験の浅いプロパー社員が低賃金で同じ仕事をやらされている。

安倍政権は「同一労働同一賃金」を目指すと言う。「非正規雇用という言葉をなくす」…一部を残し「全員非正規職」を進めているのだ。
 
これは嘘や大げさではない。鉄道労働組合のストライキを軸に100万人を越えるゼネストが起きている韓国をはじめ、全世界の労働者が「民営化・外注化・非正規職化」に怒り立ち上がっている。日本だけではない。

だから動労水戸は、動労千葉・動労総連合と共に、JR本体・関連企業、そして不当解雇された労働者が一つに団結して闘う労働組合を作っている。本体だけでなくグループ企業の青年労働者が次々と結集している。


出向無効確認訴訟は外注化との真っ向勝負
動労総連合はストライキで闘っているだけではない。東京地裁での出向無効確認訴訟では、本人の同意も組合協定もない強制出向が違法であることを争っている。仮にこの裁判で会社が負けた場合、外注化・分社化が止まってしまう。だから会社側も必死の対応をしている。

動労総連合は、外注化が偽装請負でしか成立せず、鉄道の指揮命令系統を破壊し、安全の崩壊をもたらす事実を徹底的に明らかにしてきた。信じられないような重大事故が現実に続発しているにも関わらず、人件費と安全のための費用を徹底的に削減し、株価をつり上げ、経営者の収入増と天下り先の確保に血道を上げているのが会社幹部どもの姿だ。政治家も経営者も綺麗事を並べながら私利私欲で腐り切っている。

12月16日の公判では、動労水戸の石井真一委員長(水戸構内)と藤枝誠司組合員(勝田車両センター)が証人尋問に立ち、外注化とJRの現状を徹底的に暴露・弾劾する。


強制出向は無計画 安全の原則も投げ捨てる


前回10月28日の証人尋問では、動労千葉の関副委員長・長田執行委員・渡辺青年部書記長が法廷に立ち、外注化がもたらした事故の実態と、青年の出向を解除して構内運転業務を安価な即席プロパーに置き換えたことを怒りをもって訴えた。

会社側の証人として法廷に立った千葉支社運輸部副課長は、外注化による事故は「個人のミスで外注化とは関係ない」と開き直った。当初は3年としていた出向期間についても「全員を3年で返す計画はなかった」「来年に返す計画もない」と証言。会社が無計画に強制出向を行ってきたことがはっきりした。

外注化の目的としてきた「コストダウン(人件費削減)」についても、「達成できる時期は明言できない」としている。グループ企業では低賃金で過酷な労働が強制される一方で、その利益を会社に寄生する幹部どもが食い潰している。

さらに会社は偽装請負を開き直るため、安全の根幹に関わる原則までひっくり返した。信号現示や通告が「業務上の指示」ではなく「交通ルールに従うことと同じ」と言い出したのだ。通告とは鉄道の安全を守るための重要な変更を伝える際の厳格な指示行為だ。鉄道は「水平分業」で子会社に丸投げし、本社は金儲けに徹するという本音を会社はさらし始めている。


「奴隷の道」を拒否し動労総連合に結集しよう!


11月22日の福島県沖地震と津波で、海岸線の車両が半日にわたって止まり、乗客は乗務員の誘導で避難した。常磐線全線開通によって福島第一原発付近で列車が止まったらどうだろうか?列車は故障でも止まる。原発事故は何の収束もしていないし、地震は必ず起こる。会社は一度たりともまともに回答をしたことはない。労働者と乗客の安全を考えればあり得ないことを安倍政権とJR東日本は進めている。
大昔、船を漕ぐ奴隷はお互いに鎖で繋がれていた。全員の力で鎖を引きちぎらなければ、沈む船と運命を共にするしかなかった。動労水戸は奴隷の道を拒否する。みんなで「目先の不利益」という鎖を今こそ絶ち切る時ではないだろうか!

動労水戸情報609号

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MTSは要員を増やせ!


『動労水戸情報』603・604号でも報じてきたとおり、水戸鉄道サービス(MTS)土浦事業所内の駅清掃職場では、要員不足からくる過酷・違法な労働を無理強いするパワハラが横行している。動労水戸はMTS本社との団体交渉で要員不足の解決とパワハラの防止を強く要求してきた。

これらの全責任は、MTS本社と、鉄道業務全面外注化を進めるJR東日本にある。今のMTSはこれからのJRの姿だ。
労働者の犠牲で肥え太るJRと関連企業
MTS土浦事業所は駅売店「ニューデイズ」の清掃業務を受託し、土浦駅と周辺5駅の清掃を行っている。しかしこの業務は勤務表に明示されず、管理者が本人の承諾なしに一方的に命じている。安い賃金で勝手に労働時間が変えられ生活が破壊される。怒りの声が上がるは当然だ。
通常の日勤が17時10分に終了した後、「ニューデイズ清掃」が始まる20時までの2時間50分の間はノーペイ。しかも管理者からは「0時までの退勤」を厳命される。勤務が0時を過ぎた労働者は翌日が非番になり業務に入れられなくなるからだ。
MTSとJRはこのような低賃金・強労働で労働者を締め上げることで巨大な利益を手にし、そこに経営者や天下り管理者が寄生している。JRが全面外注化をがむしゃらに進めているのは、会社株式の約4割を支配する海外投資家の強い圧力があるからだ。博多の地下鉄工事現場の大陥没事故と同様、JRも大陥没の道を歩んでいる。

大震災と原発事故の教訓は、労働者の結束した行動だけが人々の命を支えたということにある。この真実を風化させてはならない。公共交通を民営化し金儲けの対象とした時点から地獄の道が始まっているのだ。

公共の衛生と美観を支えている清掃業務もまた、社会になくてはならない労働だ。労働と労働者の軽視に対して、労働組合は断固として闘わなければならない。
小集団活動は労働者への責任の押しつけ
MTS土浦事業所では駅作業所の労働者に対して「作業ダイヤ改善及び作業改善」を小集団活動としてやらせようとしている。1年間かけて準備し、来年の発表会に間に合うように作れと指示しているのだ。これは要員不足による現行の作業ダイヤの破綻を、要員増ではなく「労働者の自助努力で乗り切れ」ということだ。

会社の業務に関わる指示ならば、当然小集団活動も勤務時間に行わなければならない。しかし、勤務時間中にそんな時間が取れるわけがない。所長による「小集団活動の指示」とは、「強制ではない」と明言しない無言の圧力で時間外労働を強制するインチキな指示だ。従順な労働者にはわずかなアメが、逆らう労働者はパワハラで黙らせる。とことん上から目線で、人を見下してる。一体お前たちは何様だ!

勘違いしている傲慢な人間をただすことも労働組合の重要な責任だ。人は助け合って生きているのだ。
そもそも「小集団活動」とは会社による労働者支配の道具だ。「反対するばかりではなくて、会社に貢献し自分たちの利益にもなる建設的な意見を出して、自分たちでやれ」と多くの民間企業がかつて行ってきたが、時間外労働が問題となり、しかもやり方がワンパターン化したために労働者に見透かされ、今や破産した手法だ。

動労水戸の裁判でも、勤務時間外の小集団活動に参加するか否かで労働者を差別することは違法であると確定している。外注化・子会社化で労働者の権利を奪い、労働組合が屈服することによって違法な指示がまかり通っている。動労水戸は絶対に曖昧にしない。


労働者の尊厳と権利を闘って勝ち取ろう!
このような職場の状況の中で、休職や退職を余儀なくされる仲間が後を絶たない。そのような労働者に対して、管理者はここぞとばかりに「人がいないんだから協力してくれ。頼むよ」と泣きついてくる。現場に責任を取るのでなく、自己保身だけを考え、上だけを見て、違法・過酷な勤務を強制してきたのは誰なのか?要員不足の現状を本社に対して本気で訴えることもせず、労働者をとことん締めつけてボロボロにしてきたのは誰なのか?



要員不足を解決するために最も大事なことは、今いる労働者はもちろんのこと、新しく入社した労働者が職場に定着し安定して働けるようにすることだ。そのためには賃金を上げて労働条件を良くする以外にない。それは今の管理者にはできないし、やる気もない。労働組合にしかできないことなのだ。
 
職場を去る選択、あるいは現状を我慢するという選択よりも、労働組合に入って職場と世の中全体を変える選択をしよう。自分たちの意思と行動こそが未来を切り開く。動労水戸に加入し共に闘おう!

動労水戸情報608号

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30年間放置→53歳で本線運転士

JRは運転士の仕事を舐めるな!!


免許取得後30年ののち本線運転を強要!
 
11月1日、勝田車両センター構内運転士(現在はMTS勝田運転スタッフに出向中)の根本透組合員に対して、水郡線営業所の本線運転士に配転する事前通知が出された。

根本組合員は運転士免許を国鉄時代の1986年に取得するも、動労水戸への差別施策ゆえに運転士に発令されず、ベンディング事業(飲料水自販機の補充作業)などに18年間も従事させられてきた。裁判に勝利して鉄道本体に復帰し、2011年48歳でハンドルを奪還して以来、5年余り勝田車両センターの構内運転士として運転業務を担ってきた。

外注化によって低賃金のプロパー社員が促成され、「用済み」のJR出向社員が仕事の無くなった本体に形式的に引き戻されている。さらに新系列車両の交番検査も外注化の対象となっている。交番検査・機動班の外注化も迫っている。JRの青年たちの行き場所はどうなるのか?来年からいよいよポテンシャル社員の転籍が始まるとも言われている。 

最高裁判決に勝利した根本組合員に対する53歳の新人本線運転士発令は、法律を踏みにじり安全を無視し、外注化とライフサイクルを強行する会社の強い意思の現れだ。
 

外注化の全面破綻を労働者に押しつけるな!
 
JR東日本全体では動労総連合の頑強な闘いによって検修・構内業務外注化計画が破綻し、会社は強制出向問題が解決できなでいる。現在東京地裁で争われている動労総連合強制出向撤回裁判では、その矛盾が徹底的に叩かれている。

他方勝田車両センターでは、4年前の外注化以降、MTSプロパーと本線運転士エルダーが次々と構内運転士になったため、これまで車両職から苦労して限定免許を取得し構内運転士となった平成採のJR社員は、出向解除・本体復帰と同時に玉突き式に構内運転業務から追放されている。自分たちが身につけた技術力・資格、将来の展望までも、会社の施策によって奪われてきたのだ。

外注化・子会社化は単に安い労働力に置き換えるだけの攻撃ではない。これまで積み上げてきた労働者の努力の結晶も簡単に放り投げるのだ。絶対に許せない。
 

安全も労働者の事情も徹頭徹尾無視するJR
 
53歳の新人に本線を運転させることが一体どういうことか、会社は全く考えていない。会社は運転士の業務と安全をこれほどまでに軽視しているということだ。しかも、根本組合員にはひたちなか市の自宅から大子町の水郡線営業所まで、片道60キロの遠距離通勤が強制されることになるのだ。

JR全体で問題となっている「睡魔」や「尿意」等の生理現象の問題は、労働者個人の責任ではなく、このような会社の安全と人間労働の軽視から起こっているのだ。
 

まったく場当たり的な要員操配に怒り
 
JR水戸支社は、根本組合員の配転は水郡線営業所運転士の退職者の補充のためだという。しかし、53歳の新人運転士が一本で乗務できるようになるまでは相当時間がかかる。運転できるようになる保障さえない。管理職の点数稼ぎで現場軽視がまかり通り、その場しのぎの「頭数合わせ」のために労働者の配転がいとも簡単に行われる。
それどころか職場では、ライフサイクルに出す要員を捻出するための配転ともささやかれている。昨年、ライフサイクル絶対反対を貫く動労水戸組合員の會澤君が水戸駅に強制配転された。水戸駅では要員があぶれている上に、草刈りやペンキ塗りといった、会社が言う「運輸のプロ」とは到底関係のないような業務まで命じられている。そんな「意味のない」ライフサイクルのために、高齢の新人運転士を強制配転する。二重三重に許せない。
団結して闘うことこそ将来を切り開く
 
動労水戸は「53歳にして新人運転士」根本組合員に対する強制配転に断固反対する。会社は紙切れ一枚(発令通知)でやりたい放題できると思ったら大間違いだ。

12月10日に予定されている常磐線小高―仙台開通も、福島第一原発をまたいでいわきや茨城から原ノ町に強制配転された労働者の犠牲の上に強行される。通勤の過程で被曝を強制され単身赴任で生活破壊を余儀なくされる。非常時の避難計画すらない。労働者を人として扱わずとことん軽視する会社の姿勢は根本組合員の配転と根っこは同じだ。
私たち労働者の団結にこそ、こうした攻撃を跳ね飛ばす力がある。将来を開く力がある。動労水戸とともに闘おう。

動労水戸情報607号

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安全破壊・鉄道業務軽視・労働者分断の

エルダー制度・外注化と闘おう!


動労水戸は、「新たな再雇用制度」(以下、エルダー社員制度)について、8月31日に水戸支社と団体交渉を行った。

高齢者の雇用確保が義務化され、エルダー社員制度は実施から8年が経過した。しかし会社はベテラン社員を65歳まで同一労働に就かせることを拒否する一方で全面外注化を進め、当初のエルダー社員制度の趣旨に反して60歳以上の労働者を再雇用先で未経験の業務に配属させはじめている。


団交の最初に、今年度以降の国鉄採用者の退職者数(16年8月1日現在)を明らかにさせた。




ノウハウが生かせない


現在エルダーの行き先となっている会社は26社。会社は4年前の検修構内外注化の際、「実施から10年後に若年出向を解消し、エルダーとプロパーで業務を回していく」と説明してきた。そこで、残り6年間で若年出向を解消できる根拠について、エルダー・プロパー・若年出向者の計画を明らかにせよと要求した。

会社は「グループ会社には来年度退職者のうち8~9割はエルダーを希望する旨を伝え、打ち合わせを行い、グループ会社が採用計画を立てる」「4年間で運転士9名・車両職7名を養成。現在運転士2名・車両職3名を養成中。次期の養成は運転士2名、車両職2~3名を予定」と回答した。

しかし、無計画にプロパーを養成すればエルダーの行き先がなくなると指摘すると、会社は「非常に難しい時期であることは感じている。約10年後にはエルダーがいなくなるので、プロパーも育成していかなければならない」と回答するだけだ。

65歳まで雇用を延長し、JR採用を増やせば万事が解決することだ。全面外注化を何よりも優先しているからこそ、プロパーを促成・濫造しているのだ。
 
勝田車両センターでは、仕業検査10名中、プロパー5名、エルダー2名、若年出向者3名が配置されている。さらにプロパー3名が養成中だ。既にエルダーの入る余地などなく、出向者もいらない状況になっている。だからこそ全く未経験の清掃業務等が行き先として提示されている。暗に退職が強要され、やむなく退職する人すら出ている。

熟練した清掃労働者も誇り高く労働している。エルダー社員が行けば彼らの玉突き雇い止めの可能性もある。とんでもない労働者の分断だ。


「希望は3箇所書け」→提示は1か所のみ


さらに、エルダーを希望する社員に対して、希望と違う職種・勤務地が提示され、退職を余儀なくされるケースも増えていることについて追及した。

会社は「全てが全て希望通りにはならないが、業種・勤務地全てがマッチしなくても、第1希望から第3希望のいずれかで100%近く雇用の場は確保している」と言う。65歳までの職場は確保してやっているのだからつべこべ言うなということだ。 しかし、実際には再雇用先として提示されるのは一か所のみ。選択の余地はない。それが嫌なら辞めろということだ。

動労水戸の「制度の趣旨を守れ!それができないなら外注化を止めて65歳まで雇用延長せよ!」という要求は労働組合として当然の要求だ。


エルダー・青年労働者の仕事奪う外注化許すな


外注化後もグループ会社では人材育成も技術継承もできていない結果、技術が低下し重大事故の多発をもたらしている。 

熟練したエルダー社員がノウハウを活用できない業種に配属される。会社は本体社員をより低賃金で無権利な関連会社のプロパー社員に置き換え、人件費を削って空前の利益を得ている。プロパー社員の配置によって若年出向者がJR本体に戻され、習熟した業務から引き剥がされる。青年たちの仕事を奪って生き残り競争をさせ、最後には「転籍」に追い込もうとしている。技術継承どころか仕事を奪われ分断されているのだ。会社の仕事軽視は命の軽視だ。


外注化もエルダー社員制度もとことんデタラメで既に破綻している。動労水戸はこのような状況を予見して「外注化絶対反対!全ての業務を直営に戻せ!」と闘ってきた。

外注化・無人化の進むドイツの女性鉄道員は「闘わなければ、自分たちの権利さえ守れないわよ!」と胸を張って言った。世界の労働者が同じ課題と闘っているのだ。

外注会社の青年たちも全員をJR本体で雇用し養成すべきだ。本体労働者とプロパー社員は、お互いに仕事を奪い合う競争相手ではなく、団結して全ての仕事を奪い返す仲間同士なのだ。

雇用を破壊し仕事を奪う「諸悪の根源」の外注化に対し、動労水戸と共に絶対反対を貫いて闘おう!

動労水戸情報606号

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被曝労働絶対反対!

7・12原ノ町~小高延伸反対ストに立ち上がる!


苦しむ仲間のことを今こそ真剣に考えよう


みんな知っているだろうか?

7月12日の原ノ町~小高間開通と年内の仙台間開通に向けて、原ノ町に戻される仲間たちが真剣に悩んでいる。大震災と原発事故から5年がたち、職場が変わり避難してきた仲間たちは、子供が生まれたり家を建てたりしている。生活基盤が変わってしまったのに「原ノ町に戻れ」と迫られているのだ。

原ノ町との兼務発令で来ている仲間が所属しているJR東労組は「兼務者集会」をやっているが、地方本部の責任ある役員も出席せず「兼務者どうしで愚痴を言いあう場」でしかないという。東労組は開通も兼務解消もすでに会社と合意しているからそうなるのだ。

組合員の深刻な悩みそっちのけの「たしろ選挙」は、一体誰のための選挙なのだろうか?


会社は動労水戸との団体交渉で「福島第一原発は燃料取り出しが始まり収束に向かっている」と説明した。原子炉の中がどうなっているかも分からないのにだ。除染で出た放射性廃棄物を収めるフレコンバックは、「表面の空間線量率を測定・記録し、環境省指定の10ケタの管理番号を書く」という決まりがあるが、JRの下請け企業はこれらの義務を怠っているという情報もある。沿線のり面の「モルタル吹き付け」は線量のごまかしのために過ぎない。


南相馬の住民だけでなく、子どもがいる社員なら心配するのは当然のことだ。政府が「原発事故の影響ではない」と言う小児甲状腺ガンが173人になった。その子供たちや、親の身になって考えてみよう。そして、労働組合とは誰のためにあるのかについても考えて欲しい。


常磐線全面開通に絶対反対する 


安倍政権とJR東日本は、2020年東京オリンピックに向けて常磐線全線開通を宣言した。7月12日の南相馬市小高区の避難区域解除に合わせた、原ノ町~小高駅の常磐線延伸とは、全面開通・全面帰還による福島県民への補償切り捨てであり、被曝の強制なのだ。 

JR社員の問題は、そのまま地域住民と福島県民の問題になる。自分たちだけの問題に止まらないのだ。


すでに全面開通した常磐道で5月4日に発生した死亡事故は、福島第一原発の脇を通る常磐線で故障や事故が発生した場合の危険を物語っている。 常磐道事故では夜間でドクターヘリが使えず、遠方から救急車が向かったために助かる命も助からなかった。そしてバスの乗客40名など多くの人が高線量に何時間もさらされたのだ。

水戸支社は「複線の片方を道路にして救援に向かうことができる」などと言っている。この事故から真剣に学ぶ姿勢もなく「問題なし」と言っているのだ。

こんなことを了解できる労働組合って、一体何なのだろうか?


常磐線全面開通と全面外注化は一体
本質は労働組合破壊


常磐線原町―小高間開通と一体で、ひたちの牛久駅・神立駅が外注化され、「若年出向者」も出ている。さらに相馬・湯本・常陸多賀の各駅も外注化の対象にされている。水戸支社が原ノ町駅の隣の鹿島駅を「運行再開で小高駅に駅員を移すため」として無人化することに対し、地域住民から怒りの声が上がっている。
 
検修外注化も動労総連合の猛然たる闘いと青年たちの怒りによって交番検査や機動班がJRに残っているが「管理部門をのぞく全面外注化」が撤回されたわけではない。

仙台駅でさえ外注化され、青年たちが出向に出されている。本体労働者より賃金の安い外注会社のプロパーがどんどん採用され、養成されている。エルダー社員はもとより、本体の青年たちの行き先(戻り先)もどんどんなくなるのは当然だ。その先に「転籍」しかないことがこの社会の常識となっている。
 
理不尽極まりない常磐線全面開通と闘わない労働組合は、全面外注化とも絶対に闘えない。私利私欲で自分のことだけを考える労働組合の役員は、組合員と向き合うことなく必ず逃げる。「みんなのため」なんていう嘘をついているからだ。


組合幹部や議員ではなくあなたたちに力がある


真実は、職場で働いている今のあなたたちが一番力を持っているということだ。団結して闘えば現実は必ず変わる。動労水戸はそれを証明してきた。

7月12日、動労水戸はストライキでいわき抗議行動を行う。昨年結成された動労福島は、同日原ノ町駅に登場し、抗議行動に立つ。さらに6月に結成した動労東京は、JR東日本本社前抗議行動(新宿)を決定した。動労総連合は断固として常磐線全線開通攻撃に絶対反対で闘い抜く。

今ならまだ選択の自由がある。動労総連合に結集し、共に生きよう!

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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