動労水戸情報630号

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乗務員勤務制度改正案

カラクリ見破り絶対反対で闘おう


JR東日本は5月17日、乗務員勤務制度改正(案)を各組合に提案するとともに、直ちに関係する社員全員を対象に職場で説明会を実施した。

この改正案のポイントは、育児・介護を必要とする乗務員が働きやすくするために、これまでの日中6時間の時短行路に加えて、朝夕の時間帯に短時間の行路をつくり、自分の希望の時間帯の行路を選択できるようにするというもの。

またこれとは別に「多様な働き方を実現する」ために、①現場の指導員等 ②支社勤務の者 ③当務主務(主務職で当直業務を行う者)など、列車に乗務することを専門に行う運転士・車掌以外の者が、自分の業務の時間の一部を使って、短時間の行路を乗務できるようにするという。しかし、これには大きな問題がある。
専門職としての乗務員をなくすパートタイマー化のはじまり
 
問題点の1は、これまでの熟練を要する専門職としての運転士・車掌という業務をぶつ切りにして「乗務員のパートタイマー化」する攻撃の始まりだ。

改正案では本人希望で短時間行路のみで帰宅する場合、残りの時間は賃金カットするという。まさしく働いた分だけしか金を払わないパートタイマーだ。こうした働き方を育児介護制度を悪用して導入するつもりなのだ。

この延長線上には短時間行路しか乗れない乗務員を安く雇って、これまで聖域と思われてきた乗務員の地位や労働条件をガタガタにするつもりなのだ。
 

「短時間行路」の設定は混乱を生むだけ
 
問題点の2は、短時間行路を現場ごとに何本設定するかは、育児介護の対象者、指導員の数、当務主務や支社勤務者がいるかどうかなどで決める(6月29日団交)としているが、いったん設定されるとその行路を毎日誰かが乗務しなければならないことになる。

育児介護の行路が乗る人がいない時は予備乗務員が乗ることになり、指導員用の行路や支社勤務者用の行路も同様に対象者が乗らない時は予備乗務員が乗ることになる。

要員が逼迫することは目に見えている。
 

乗務員の仕事をなめるな
 
問題点の3は、そもそも、運転士・車掌としてもっぱら乗務する以外の者が、1週間に数回決まった区間の短時間行路しか乗務しないで、それ以外の乗務員と同じレベルの安全・確実な業務ができるかという問題である。

乗務員の仕事を(指導員の仕事も)なめているとしか言いようがない。
育児介護とひきかえに極限的な労働強化を認めろという攻撃
 
そして最大の問題は、この制度改正の本当の狙いは、育児介護以外の乗務員の乗務行路をこれまでと比較にならないほど過重なものすることだ。

改正案では「効率性のさらなる追求」という項目で言われているが「各行路の労働時間Aと1日あたりの労働時間数(7時間10分)との乖離を縮小し…」というのは、単純に行路を大型化して「もっとたくさん乗ってもらう」ということを意味している。稠密線区で拘束時間の限度を日勤行路1時間、泊行路2時間を拡大するのはそのためだ。

思い出してほしい。昨年来社長が「乗務効率を上げる」とさんざん豪語していたことを。ではどうやって乗務効率を上げるのかの答えが、今制度の育児介護の「働きやすさ」とひきかえに育児介護以外の乗務員は「お互い様の精神」(提案資料)で、現在労働時間Aが6時間20分~6時間30分(本社説明)のところを7時間10分に近づけるということを新しい制度の趣旨として貫徹するということなのだ。育児介護の「働きやすさ」とひきかえに認めろということだ。
 
私たちは過去にも似たような苦い経験がある。エルダーとなる先輩たちの職場を確保するために、構内・検修業務や駅業務をほかの会社に委託すること(外注化)が必要だと。

しかし、実際はエルダーの職場の確保は口実で、主要な目的は業務の外注化にこそあった。外注化された職場はとてつもなく低賃金の労働者におきかえられ、劣悪な労働条件でやめてしまうプロパーも続出している。

このときは「高齢者雇用」とひきかえに外注化を認めろという攻撃だった。今回は「育児介護」とひきかえに専門職としての乗務員の仕事のあり方をぶち壊し、一方で極限的な労働強化を認めろという攻撃だ。二度とだまされてはいけない。このカラクリを見破って、乗務員勤務制度改正に絶対反対を明確にしよう。
さらに、この攻撃が今年2月から始まった東労組解体の動きと軌を一にして行われていることだ。

これまでの「ライフサイクル」や「外注化」のように、東労組の組織的な延命と取引して妥協点を見出してきたやり方はもはや通用しない。

逆に東労組が職場の不満や怒りを抑えてきたことも今はできない状態だ。会社が組合提案と同時に関係社員全員を対象に説明会を行ったのも実はこうした不満や怒りをあらかじめ封じるためだ。会社の側も自信などないのだ。

職場の怒りの声を結集させれば、特急車掌一人乗務を粉砕したように、改正案は必ず粉砕できる。今こそすべての労働者は団結しよう。

動労水戸情報629号

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外注化が大事故を引き起こす

水郡線であわや部品落失の事態

水郡線で去る3月、130系気動車の床下にある排気管を取り付ける金具の破断が見つかりました。直径20センチ以上・長さ数メートルもの排気管が脱落すれば列車脱線は免れません。重大な車両の破損です。

この故障が発見されたのは、水戸鉄道サービス(MTS)に外注化されている仕業検査の担当者からの「排気管の取付ボルトが落失している」という申告がきっかけでした。MTSの仕業検査担当は、JRの機動班に修繕を任せるとしました。本来「取付ボルト落失」は即座に修繕すべき問題であり、できないなら運休すべき事態です。しかし、JRの運用担当は別の案件で気を取られ、その車両はそのまま営業運転に使われました。
 
人の命を乗せて走る列車が、こんなにも軽視されているのです。新幹線で発生した台車亀裂と何ら変わりはありません。鉄道の安全を破壊する事態が業務外注化によって引き起こされているのです。

受託先であるMTSでは、何があっても申告さえすればいいという状態が蔓延しています。仕業検査は時間の許す限り応急措置を行うのが常識であり、本線運転に支障があるなら運転させない措置をとるべきです。事態の元凶が業務外注化にあることは明らかです。
 
このような車両故障や検査修繕体制の問題が起きている事態を、JRもMTSも一切問題にしていません。恐るべき無責任体制、これが外注化の末路です。「乗客も乗務員もどうなってもいい」と言わんばかりの態度です。

常磐線浪江駅~富岡駅間を走行することで乗客・乗務員に大量被曝を強制することと同じではないでしょうか。人命を軽視する業務外注化を直ちに止めさせなければなりません。
 
現在JRでは、各部門で「効率化」の名による外注化によって鉄道の安全が破壊され、乗客・乗務員の命が危機にさらされています。外注化は鉄道の安全を確保する責任を放棄し、労働者の誇りと団結を解体することで資本の利益を追求する攻撃です。その行きつく先は、既に本社提案として始まっている乗務員制度改悪と、水郡線を含む東日本23線区廃止です。


仕業検査の受注さえ拒否する外注化とは

水郡線営業所では臨時の仕業検査をMTSが拒否する事態が常態化しています。このような事態すらJR東日本は黙認し、さらなる外注化を進めようとしています。

その結果、JR本体の検修労働者が、MTSに外注化されたはずの仕業検査を行っています。外注化のために、JR本体の労働者は仕業検査には未習熟です。中には気動車の仕業検査は未経験の人までいます。ところがJRの管理者は、臨時に仕業検査が発生してもMTSが「やらない」と言ったら発注さえせず、JR本体の労働者にやらせているのです。

外注化によってJR本体の現場要員はギリギリに減らされています。まして、130系気動車の車両故障も多発している中で、現場労働者には過重な負担がかかっています。その上さらに、MTSがやらないからと言って夜間呼出しまでかけている状態なのです。絶対に許すことはできません。
MTSが業務ができないと言っているということは、業務を請け負えない会社だということです。検修構内外注化の開始にあたって、JR側は「MTSは鉄道業務を問題なく受託できる会社である」と言ってきました。この現実のどこが「受託できる会社」なのでしょうか。即刻、業務委託契約を打ち切らなければなりません。

12年10月の検修・構内外注化は、「エルダー社員の職場を確保」するという建前で実施されました。しかし、本年4月から制度変更でエルダー社員はJR本体でも働けるようになりました。そもそも外注化など必要なかったのです。

外注化に賛成し組合員を出向に駆り出したのは、今は崩壊したJR東労組でした。職場にまともな労働組合があれば、外注化で出向に行くことも、ライフサイクルで駅に行くことも、ワンマン運転で苦労することもなかったのです。
 
労働者は個別バラバラでは会社と対等に施策について話し合うことはできないし、相手にもされません。だから労働組合を結成し、団結して闘うのです。

最初から外注化やライフサイクルに賛成している労組では闘えなかったという事実を、もう一度考えるべき時に来ています。

労働者には社会を動かしている力があります。動労水戸に結集し、団結の力で職場を変えていこう。鉄道労働者の誇りを胸に生きていこう!

動労水戸情報628号

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監視カメラを直ちに全て撤去せよ!


水戸支社内の休憩室・談話室・喫煙所などに「防犯カメラ」という名目で「監視カメラ」が一斉に設置されています。

現場労働者からは「乗務の時も周囲の目があるのに、休憩室まで監視されたら気が休まらない」「なぜ社員にカメラを向けるのか?」「録音もされているのか!?」と多くの疑問と不満が噴き出しています。




水戸支社を団交で追及

動労水戸は3月5日の水戸支社との団交で、突然の監視カメラの設置に強く抗議し、設置の理由・目的などを追及するとともに、全てのカメラを直ちに撤去するよう申し入れました。

会社側は設置の理由として「社内で看過できない事象が発生したため、社員が安全に働けるように設置する」として「監視とはずっと見ているということなので、これは監視にはあたらない。『防犯カメラ規定』に則り運用し、看過できない事象が発生した時のみ再生する」と回答しました。

しかし、カメラの管理や録画・録音データを使用する権限はあくまで会社にあります。どんな使われ方をするのかはわからないのです!

これに対して動労水戸は「現場の仕事は現場の目の届かないところであってもきちんと行われている。監視カメラの設置は社員を信頼していないということか!」「とりわけ休憩室の設置はとんでもない。休息の場がなくなる。失敗談や教訓化すべき話もできなくなる。大事故に繋がるおそれがある。直ちに全て撤去せよ」と迫りました。

この日の団交で運輸部・井上副課長は「(監視カメラを設置することで)不適切な行為の抑止力に繋がる」と発言。後日、勝田運輸区に来た輿石支社長も「秩序を維持するため」と発言しました。監視カメラを設置して私たち労働者の行動・言動を逐一監視することが会社の目的なのです。

JR発足後30年の間(無論それ以前も)休憩室に監視カメラが設置されたことなど一度もありませんでした。このままでは私たちはずっと会社の直接監視のもとで働かなければなりません。絶対に許せません!


カメラ設置は労基法違反!
動労水戸弁護団の葉山岳夫弁護士は「休憩室への監視カメラの設置は労働基準法34条3項『休憩時間の自由利用』に反する。労働者を監視管理状態に置き、常に被疑者扱いにし、心理的圧力を加えるものである。これは労基法が定めている『休憩』の趣旨に反する違法行為である」との見解を示しています。

会社が「労基法違反」という法令違反を犯してでも監視カメラを設置する真の目的は何なのでしょうか?


東労組役員に代わってカメラが労働者を監視する
発足以来、JR東日本は労働者支配をJR東労組の力に依存してきました。一方、東労組は会社の手先として「労使共同宣言」を結び、ストライキの否定と根絶を誓い、全面外注化・ライフサイクル・合理化・ワンマン化など、会社の施策に全て協力してきました。

その見返りとして東労組役員は昇進試験で優遇され、指導運転士に指定され、遠距離配転も免れてきました。また、事故やミスの処分も軽くしてもらうなど、会社から特別扱いを受けてきたのです。誰もが思い当たることではありませんか。

会社施策の実現に忠実に尽くすことこそが、東労組の幹部にとって自らの権力を守る道だったのです。

東労組役員は会社の力を背景として現場労働者を管理し、不満を抑えこみ「会社と闘っても勝てない」というウソに縛りつけてきました。

さらにJR内の他労組だけでなくJR以外の労組との交流を禁止し、職場での談笑や冠婚葬祭といった同じ職場の仲間として当たり前の付き合いすら許してこなかったのです。その帰結が「高崎車掌区事件」や「浦和事件」です。

しかし、今までとは次元を画する外注化・分社化・転籍、ローカル線切り捨て・乗務員手当廃止、4万人体制合理化などを進めるため、会社はついに東労組幹部を切り捨てる道を決断しました。そして職場支配の空白を埋めるため、現場労働者を支配する役割を監視カメラに担わせようとしているのです。


鉄道を動かしているのは私たち一人ひとりだ!
現場で働く労働者がいなければ鉄道会社は動きません。社長や本社幹部、あるいは東労組役員が動かしているわけでは断じてありません。

今こそ労働者としての誇りと本当の仲間との団結を取り戻そう!仲間を信頼して闘い抜く動労総連合・動労水戸への加入を訴えます。

私たちは一人の仲間も見捨てません。一緒に闘いましょう!詳しくはお近くの動労水戸組合員に相談を!

動労水戸情報627号

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JR昇進試験のデタラメを暴く

青年組合員と共に新たな裁判を提訴


誰もが知る組合差別の実態を訴える
3月2日、JR東日本の昇進試験における不当な差別を争う裁判が水戸地裁で開始されました。

訴えたのは、動労水戸の青年組合員・照沼靖功君(30)。この日の第1回口頭弁論では、JR東日本を相手に提訴した動機を冒頭意見陳述という形で堂々と訴えました。
「私に仕事を教えて下さった方は、仕事の組み立て、担当者の割り振り、知識・技術力共に優れた方でした。ただその方は、車両係(係職)でした。本人には聞けませんでしたが、なぜなのか他の班の方に聞いたことがあります。その時の回答は『あいつは国労だから仕方ない』というものでした。新入社員研修の時に言われたことを純粋に信じて研修や実習をしてきた私にとって、いくら仕事ができようが、所属する労働組合によって試験の合否に関係してくるという事実はとても衝撃でした。それから、労働組合について少しずつ興味を持つようになったことを覚えています」(抜粋)
新入社員研修の時に担任の講師から「入社したら大卒も高卒も関係ない。みんなスタートラインは一緒だ」と言われたことを信じて、希望に燃えて仕事をしてきましたが、実際に見聞きしたことは、仕事のできるできないに関係なく、所属労組によって試験の合否が決まるという差別の実態でした。
さらに照沼君は、2011年10月、勝田車両センターにK544という被曝車両が移送される過程で動労水戸加入を決めた時のことを「10月14日に動労水戸に加入しました。加入書を書くまでの4日間、(最初に所属していた)JR東労組の組合員からは『動労水戸に入れば、技術管理室にいられなくなる』『もう試験にはうからないと思った方がいい』『鉄道人生まだまだ長いんだから、もっと良く考えろ』という指摘も受けました。さらには『絶対マイナスしかない』『本気で東労組に戻ることを考えた方がいい』という指摘を受けたことも多々あります。それ自身、組合差別があることを物語っていると思います」と訴えました。
東労組を脱退して動労水戸に加入することが「絶対マイナス」とまで言われ、周りはほぼ全員が主任職(車両技術主任)のような技術管理室に配置されながらも、指導職試験さえ8回受けても合格しない現実。こうした組合所属が昇進試験の合否、すなわち賃金などの労働条件や将来設計に大きく関わってくることは、JR社員なら誰でも知っている実態です。
会社とJR東労組の労使共同宣言

1987年のJR発足以来、一度も切られたことのなかったJR東日本とJR東労組の労使共同宣言が、今年2月26日に会社の方から「失効」という形で破棄されました。この宣言は、安定した労組関係をうたい、絶対にストライキをやらないという約束でした。しかし、東労組が今年2月20日にスト通知を行ったことで、会社は破棄を通告したのです。

この労使共同宣言を結び「必要な効率化には協力する」という立場から、東労組は会社が行う施策(外注化・ライフサイクルの深度化・業務の合理化など)について、全面的に協力してきました。会社はその見返りとして、東労組の組合員を昇進試験でも優遇し、それ以外の労組に所属する者と差別・区別化してきました。そうすることで東労組以外の組合の解体・弱体化を図ることを、企業としての労務政策=労働者支配の基本としてきたのです。こうした所属組合によって差別することは不当労働行為(労組法7条違反)にあたります。
そもそも、会社の利害と労働者の利害は相対立しています。会社は少ない人数で過密な労働をさせることで利益を得ようとします。労働者は、労働条件を良くして高賃金を得ようとします。そのため、労働者は個人で交渉したり競争したりせず、労働組合に加入し団結して会社と闘います。

こうした労働組合の本来の目的を30年間ごまかし続け、他労組を排除するという共通の目的のために会社と一緒にやってきたのが東労組なのです。30年間続いてきた関係が今、一気に崩壊しつつあります(詳細前号)。
団結の力で労働者は働いて生きている

動労水戸は、30年前の国鉄分割・民営化(=3人に1人が首切り)の中で、希望を失って自死した職場の仲間の痛ましい教訓から、仲間と団結して生きていこうと結成した組合です。

その結果、多くの組合員が鉄道業務から排除され、直営売店(=追い出し部屋)に不当配転され、資格があるにも関わらず運転士に発令されず、いくら仕事ができようとも指導職にさえ合格しないという攻撃を受けてきました。

そうした差別を受けながらも30年間団結を貫き、ストライキ闘争を闘い、会社に対する裁判闘争を行ってきました。

会社の顔色をうかがいながら、仲間を蹴落とすこと自体、人間本来の姿ではありません。人間は一人では生きられず、資本主義である限り労働者は団結して闘う以外に生きられない社会にされています。
今こそ鉄道会社としての基本に立ち返ろう
鉄の車両が鉄のレールの上を数百・数千の人を乗せて高速で走る鉄道。そこで働く労働者には高度な技術とその技術を仲間と共有し次の世代に継承していくことが求められます。

JRはこの鉄道会社の根幹を否定し、昇進試験をねじ曲げています。実技試験を廃止し、点数すらも公表せず、会社の施策に積極的な人間だけを昇進させる制度に変えてしまいました。労働者を常に競争させ、共同作業でのみ成り立たつはずの鉄道会社の仕組みを破壊し、熟練労働者の育成や貴重な技術を持った労働者の活用を放棄し、果てしない業務の外注化を進めてきました。

その結果、秋葉原での電化柱倒壊や川崎駅での車両転覆などの重大事故が相次いで発生し、昨年12月には「新幹線初の重大インシデント」というのぞみ号の台車亀裂事故が発生しました。徹底した車両の軽量化・高速化で会社の利益だけを追求した結果が大事故を引き起こしています。

冨田社長は先の2つの事故に際して「これだけの大きな事故にも関わらず死者が出なかったのは、神様が2度助けてくれた」と発言しましたが、鉄道の安全は決して神頼みで保たれているのではなく、現場労働者がどんな過酷な条件でも鉄道員としての誇りにかけて仕事をしているから守られているのです。
30年間の会社と東労組との癒着体制が崩壊しつつある今こそ、労働組合とは何なのか、その役割とは何なのかを、労働者一人ひとりが考える時が来ています。今こそ、動労水戸に加入し、共に闘いましょう。

動労水戸情報626号

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3・17郡山集会の大成功から

命を守るストへ!


JR東労組が大崩壊へ

被曝・外注化・ライフサイクル、そしてダイヤ改正のたびにキツくなる仕事。現場組合員のために真剣に会社と対決したことなど一度たりともないJR東労組が「格差是正ベースアップ」を理由に2月20日にストライキを届け出た。

それに対して会社はただちに冨田哲郎社長の談話を全職場に掲示した。そして驚くべきことは、安倍政権が23日「JR東労組内革マル問題」について閣議決定で確認したことだ。

すでに5千人を超えたと言われる大量脱退の中で、大混乱におちいった東労組は24日にスト中止を通告した。しかし、会社は27日、東労組との「労使共同宣言の破棄」を全社員に宣告した。
 
組合幹部がどのように取りつくろうとも、現在の事態は国鉄分割民営化以来30年にわたる会社・東労組の結託の完全な終わりを意味している。JR東日本と東労組との「労使共同」こそ、他労組排除、とりわけ動労水戸組合員へのあらゆる差別と不当労働行為の土台であった。

東労組にいれば有利であり「動労水戸は絶対のマイナス」であることは職場労働者の常識だった。しかし今や、会社はその東労組との決別を突きつけている。 

それは、旧動労時代から乗務員職場を拠点としてきた東労組の存在そのものが、乗務員手当廃止による例外のない外注化・分社化、全社員を5万6千人→4万人とする大合理化と地方線23線区廃止の足かせになっているということなのだ。

東労組幹部はこうした会社の本当の狙いを隠し組合員をごまかしながら、会社に抵抗しているポーズを取ってきた。そうして、会社の力を背景にして組合員を支配し、巨額の組合費を使う自由を手にしてきたのである。

しかし、時代の激変がもはやそのようなインチキを許さなくなったのだ。
その背景にある深い危機
世界も日本も経済危機と社会の崩壊が激しく進んでいる。米トランプ政権は北朝鮮を追い込み核戦争をしかけようとしている。米国内の所得格差が拡大し、3分の1もの国民が貧困にあえいでいる現実がその背景にある。アメリカの三大産業は、軍事・食糧ビジネス・エネルギーだ。武器輸出と戦争が富裕層を支えている。安倍首相はトランプ政権を後追いして改憲と戦争・核武装に突き進んでいる。日本もまた大変な経済と政治の危機にあるからだ。

北海道・東北・四国・九州…地方の惨状をよく見てほしい。国鉄を分割民営化し、公的責任よりも利益を優先した結果だ。地方には若者がいなくなり、集落・学校などが次々と消えている。

このような全国の現実を見たとき、人がいなくなった福島県内の常磐線沿線の「復興」など、原発事故の「アンダーコントロール」と同じくありえないことは明白だ。国鉄分割民営化の手先となった東労組、降伏したその他の労働組合幹部は、この危機を解決する路線など持ち合わせていない。


本当の復興とは何だろう
動労水戸は、動労千葉と共に韓国民主労総・鉄道労組やドイツ機関車労組ベルリン支部と深い信頼と連帯で繋がっている。世界中の労働者が民営化・外注化と真剣に闘っているからだ。そして「君たちは日本では小さいが世界では有名だ。世界が君たちについている」と激励している。
 
3月17日に楢葉町で「2018原発のない福島を!福島県民大集会」を呼びかけている清水修二(福島大学名誉教授)たちは「検査をするから甲状腺がんが増える」「避難をするから福島が危ないと思われる」「福島産が危ないという考えが復興の妨げだ」「常磐線も開通するから福島に帰れ!」と主張している。子どもたちを守るために必死で放射能を避けてきた人々が非難されている。

そもそも放射性物質の捨て場のない原発に「経済的合理性」や「採算」などない。原発は「核の平和利用」を建て前にすることで、最強の殺人兵器である核兵器の原料となるプルトニウムを製造し貯めこむためにある。原発は、労働者住民の命を被曝で奪い、核兵器で世界を破滅に導く。「人類と核は非和解」…世界の労働者民衆の共通のスローガンだ。

労働者民衆にとっての復興とは、原発にも戦争にも絶対反対を貫き、壮絶な被害を受けてきた人々と共に闘い支えあっていく中にある。失われた命や故郷、そこでの生活は取り返しがつかない。しかし、その生きた歴史を継承する中でこそ人々は強く生きられる。

国とも資本とも真剣に闘わない政党や労働組合幹部の言う「復興」とは何なのか?東労組幹部の歴史的破産から学ぶべきは彼ら自身だ。

3・17楢葉集会ではなく、3・11郡山を新たな闘いの出発点にしよう。動労水戸は、全国・世界の労働者民衆と共に「常磐線全面開通絶対反対」を断固たるストライキで闘う!

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動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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