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要員配置も休憩もデタラメ 庫は煙が充満 清掃も現場に押し付け
SL運行の裏で労働法違反が続出
「客車の中での昼食」は「休憩時間」ではない
11月24日から12月9日にかけて、水郡線全線開通80周年イベントのため、SLが常陸大子運輸科に配備された。
検修労働者はSLの添乗や仕業検査・給油作業などに充てられ、MTS大子事業所では機関車や客車の入換業務と入換計画書の作成、客車の清掃・汚物抜きなどの業務が次々に発注される事態となった。
会社は通常業務を行いながら要員を増やすこともなくこれらの業務を強行した。このイベントの車両整備を大子運輸科だけで行うのは不可能なのは明らかであった。現場の労働条件はめちゃくちゃにされた。
第一に、以前のSL運行でも問題になったが、添乗の際、水戸運輸区では労働者には休憩時間が与えられなかった。
当然にも労働者からは作業説明の時点で改善の要望があった。しかし会社は添乗の前日まで具体的作業の説明を行わず、SL試運転開始前日の朝の点呼で「作業の説明をしないのか」との要求があり、ようやく午後から説明を行った。しかし管理者は「15分でお願いします」と答えるのみ。結局、会社は1回目の添乗を4人に増やし、2回目以降を客車の中で昼食を取らせた。
労働基準法での「休憩時間」とは、単なる「働かなくていい時間」ではなく、労働者が労働時間中の拘束から自由になることと定めている。会社からの一切の指示命令から自由になり、一時的に職場から離れることも認められなければならない。
JR水戸支社は動労水戸の問い合わせに「昼食休憩は46分取れた」とウソをついた。しかし会社の言う「休憩」など、法律に照らし合わせれば「休憩」などと言える代物ではない。そうである以上、時間給を労働者に支払わなければならない。
会社はデタラメな「休憩時間」の違法を認め、その分の給料を労働者に支払え!
石炭の黒煙が充満する庫 SL移動の要求も無視
第二に、会社は検修庫内にSLを留置したまま、そのすぐ横で気動車の交検を強行した。
SLは罐(かま)の火を消せないため、2日間にわたって庫の中で石炭の黒煙を排出し続けた。庫の中に短時間いても気分が悪くなる環境であり、火災報知機が何度も鳴動していた。
現場労働者は交検の数日前から「煙と臭いがひどい。交検中は外に出すべきじゃないか」と指摘していた。しかし検修助役は「SLを動かして壊れでもしたら自分の責任になる。動かしたくない」と答えたという。
交検初日の朝には、水戸支社は動労水戸からのSL移動要求に対し「SLを庫の外に移動する」と答えていた。しかし実際にはSLを移動しなかったのだ。会社はSLを動かさない理由を「入換の運転士が手配できないから」「SLが壊れたら責任が取れないから」などと言っている。現実には予備の運転士は職場にいたのに手配さえせず、ウソと責任逃れに終始したのだ。
会社は労働者の命と健康よりもSLの方が大事なのか。管理者のくだらない点数稼ぎのために殺されてたまるか!会社は労働者の健康を害したことを謝罪せよ!
上:SLの煙が充満する大子の庫内(12月3日撮影)
下:普段の大子の庫の様子
庫の清掃は現場任せ 職場汚した責任を取れ
第三に、会社はSLが残していった庫の中のススと油汚れの清掃を現場労働者に押し付けて知らんぷりを決め込んでいる。
庫の床の汚れは靴底に着いて気動車の床を汚す。放っておけば作業の負担は増える一方だ。しかし、会社は最後までまともに対応しなかった。必要な業務すら現場に放り投げて一切の責任を取らないというのだ。本当に許せない!
現場を顧みないSL運行など百害あって一利なしだ。こんなデタラメをこれ以上認めることはできない!
被ばく労働と同じ問題 あいまいにせず闘おう!
会社はイベントを次々に企画して強行するが、現場の状況はおかまいなしだ。職場の安全衛生や労働者の健康に関わる問題なのに、現場労働者にも組合にも何一つ説明しようともせず、誰もが予想した通り深刻な事態になっているのに、会社は誰も責任を取っていない。
私たち動労水戸が被ばく労働の問題で追及してきたことと同じ問題が起こっている。労働者がSLの排煙を吸って健康を害しても、ラジエータ清掃や竜田乗り入れで内部被ばくしても、会社は労働者の生命や健康は一顧だにしない。
2014年冒頭の「ポケモントレイン」も、今回の水郡線SL運行も、会社は「イベントが成功した」と誇っていることだろう。しかしその陰で割を食っているのは現場で働く労働者なのだ。
はっきりしたことは、労働者はもはや黙ってはいられないということだ。動労水戸と共に「おかしいことはおかしい」と声をあげて闘っていこう!
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