ダウンロード 「命と健康を守ろう」は、全世界共通・共同のスローガンです福島第一原発事故から6年半になりました。JR常磐線の開通に合わせて避難区域の安全が宣言され、帰還することが「福島の復興」であるかのように宣伝されています。
しかし、子どもたちの甲状腺がんをはじめとする放射能による健康被害が深刻化し、福島第一原発の現状は収束のめどすら立っていません。「復興」の言葉が、事実を覆い隠し、現実から目を背けさせるために使われています。安倍政権は、共謀罪で国民の声を封じ、「森友・加計」問題のように私利私欲に走っています。さらに憲法改悪で国民を戦争に動員しようとしています。これに対して、先の都議会議員選挙では厳しい批判が突きつけられています。
「復興」の矛盾は既にあらゆるところで噴出しています。帰還困難区域を除く地域の避難指示が今年の3月31日・4月1日に一斉に解除となりました。しかし、どの自治体でも被曝の脅威は去っていません。加えて地域社会が崩壊していることから、帰還する人はわずかです。
「避難は自己責任(今村前復興相)」なのでしょうか。故郷が元に戻らないのは、避難を続ける人がいるからなのでしょうか。命と生活について真剣に考えることは当然のことです。何よりもその悩みと葛藤を共有することが大切ではないでしょうか。
私たちはいわき市で4回目となる「ふくしま共同診療所報告会」を8月27日に開催します。ふくしま共同診療所は、原発事故と放射能汚染の現実に対して、命と健康を守る医療のあるべき立場を貫いてきました。そして、原発事故と甲状腺がんとの因果関係を否定する福島県立医大の姿勢を批判してきました。県内は元より全国に「被曝と帰還の強制反対署名」を呼びかけ、県に対する申し入れを重ねています。
名ばかりの「復興」の最たるものこそ、常磐線の再開です。JR東日本は常磐線の不通区間を2020年までに再開することを宣言し、今年10月21日には竜田~富岡駅間の運行再開を強行しようとしています。私たちは、まともな避難計画もないままに高線量地帯を走らせ、労働者・乗客への被曝を強いる鉄道の運行再開に絶対反対しています。
ふくしま共同診療所の協力により、JRの労働組合である動労水戸の呼びかけで地域住民や労働者の命と健康を守る講演会を開催します。皆様のご参加をお待ちしております。
【第4回ふくしま共同診療所報告会・いわき】
8月27日(日)14時~16時
いわき市・ラトブ6階 産業創造館 企画展示ホール
(入場無料)