JR東日本「2027に基づくジョブローテーションの実施」を通告

昨年からJR東労組解体に踏み切ったJR東日本は、「平成」の終わりと共に「平成採」の青年たちからの想定外の抵抗を受けています。

水戸支社では、勝田運輸区で東労組が過半数を維持し、勝田車両センターでも20名足らずになった東労組の青年が決選投票で職場代表に再任されました。

動労水戸の場合は、国鉄解体に反対して頑強に闘って来ましたが、言わば「昭和の青年の反乱」と言えます。

国鉄を知らない青年たちの反乱の意味との共通点は何なのでしょう?

国鉄からJRへの移行で、それまで曲がりなりにもあった社会を結びつける基軸性の投げ捨てが進みました。

それは鉄道の仕事を通した青年たちの帰属性や人としての存在意義の激しい解体として進みました。

そして今JRは、建前としての公共企業を完全に投げ捨てることを決断しました。かつて国鉄労働者としての誇りを国労、動労を解体することで叩き潰しましたが、今度は国鉄を知らないJR労働者としての誇りを無用なものとして完全に叩き潰そうとしています。

自分たちは一体何者で、どんな意味でこの社会にいるのか?それが揺らいでいることへの怒りであり、抵抗にあると思います。


絶えざる進歩が止まれば信用が崩壊し、倒れてしまう資本主義システムの特徴はいつも「自転車操業」なのです。

人々は、自分たちを統合する論理や感情があって存在意義を見いだします。だから、新たな統合の論理を生み出す余裕もなく、ただ会社に従えということへの職場の青年たちの根本からの反乱に見舞われているのではないでしょうか。


それと一体で、地域住民からの反感を生み出している。そこに新しい情勢があるのだと思います。

実際、山の手線新駅の名称をJR東日本が「高輪ゲートウェイ」と独断で決めたことにも、抗議が巻き起こっています。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190328-00916797-jspa-life

また昨日は、動労水戸ブログを見てくれている一般の方からこんな意見も頂きました。



職場で日々働いて命と安全を守る労働者も、地域住民も乗客もみんな大きな疑問を持ち始めています。

しかし傲慢なJR東日本は、続けて昨日「2027に基づくジョブローテーションの実施について」を社員用タブレットに配信しました。

運転士登用試験も無くし、駅-車掌-運転士のコースも無くす。賃金改訂も実施する。これを来年4月に実施すると通告したのです。車掌、運転士の職名も「乗務」で統一してしまいます。




東労組も報道していますが、JR東日本は、もはや会社への帰属性も、仕事への誇りも一切要らない。君たちは言われるままに働けと宣言しています。

マキュアベリという人は「どんな権力も大衆の支持なしには成立しない。」と言いました。

労働者大衆に支持されない、組織にも権力にも生命力はありません。

そして私たちは、一体何を信頼して生きるのか?それが根本から問われている。

JR労働者に突きつけられた挑戦を、みんなで受けて立ち、新たな統合と連帯を職場から打ち立てようではありませんか!

要員不足とパワハラ、超勤の関係(MTS団交)

昨晩動労水戸は、勝田車両センターの田口さん、土浦運輸区の鈴木さんの定年の慰労会で盛り上がりました。

東労組解体情勢と動労水戸も無縁ではありません。労働組合の根本的意義と動労水戸の存在意義が問われています。

3月ダイヤ改正を経て、これからどう闘って行くのか?深夜まで、熱く語り合いました。



3月25日動労水戸は、水戸鉄道サービス(MTS)との団体交渉を行いました。

交渉のテーマは、現場から訴えられているパワハラ、要員不足、未払い超勤の問題です。

組合からは、高野交渉部長、杉井執行委員、曲山組合員です。

MTSからは、JR天下りの5人が参加しました。

①パワハラ問題について

MTSは、JR本体からの要請でパワハラ問題のコンプライアンス教育は、事実上今回初めて行ったことを認めました。

しかもコンプライアンス教育を休日に入れたり、始業・終業時間を勝手に変えたりして行っています。それ自体がパワハラではないのか?

MTSの社長が、安全確認を促した時に「土浦は運転士が余っている。清掃でもやるか?」と発言したことは、清掃がメインの会社社長としてどうなのか?

安全研修後の酒席に「業務連絡」「全員出席」として、管理者が「ボーナス査定をゼロにする」と口頭で言っている。酒の席への参加強制は、完全なパワハラだとの追及に、回答できませんでした。

また、幹部会が最初から「つぼ八」で設定されているが、幹部会は業務なのか、だとしたら最初から飲み屋でやるのはおかしいのではないかと言う追及にも何も回答できなかったのです。



(東京では桜が満開とのこと。)

②要員不足問題

MTSは、新規採用も募集しているが「JRのネームバリューと実業務の違いがあり、内定をかけても辞退される」事実があることを認めました。

清掃業務の要員が足りないのにプロパー社員を限定運転士や検修に引き抜いて、それが次々と辞めていますが、それでも要員不足は無いと言うのです。

慢性的に要員不足だからこそ、現場の労働者を強権的に動かすことになります。パワハラの根本的原因がここにあると指摘し、改善を求めました。


(こんな花も咲いていました。「ウグイスカズラ」です。)

③勝田の清掃業務前超勤(残業)問題

MTSは、動労水戸がこの問題で申入れを出した直後の1月10日前後に超勤をつける様になりました。

しかしMTSは、2年前から超勤扱いにして来たと言い、自己申告をしていなかったことに問題があるかの様に言います。

必ず発生する業務を、作業開始点呼の前にやらざるを得ないことを知りながら、放置し未払い労働にして「作業ダイヤを見ないと分からない」と言って逃げ「バレたから払います」って、みなさんこんなんで良いんでしょうか?


仕事を取り戻す。

3年前に必要の無い「ライフサイクル制度」で水戸駅に配属された會澤組合員が、3月1日から大子運輸科に戻りました。現在、本線運転士として復帰するための訓練をしています。

人間は、一人ひとり自分が生きる価値があるのかを探し求めています。働くこと、働きかけることを通して世界や社会に関わります。

ちょうどイチロー選手が引退を発表しましたが、一人の人間が時間と心をかけた丁寧な仕事は、スポーツであれ、料理であれ他の人の力になります。

逆に力を出し惜しみする仕事は、他の人の存在を否定してしまうのだと思います。


(国分勝之撮影)

動労水戸組合員は、運転士登用はもちろん鉄道の仕事から20年以上外され売店などの関連事業に置かれました。

それでも腐ることなく、鉄道の仕事に戻るために会社と闘い全組合員の復帰を果たしました。これだけ長期間20才代から50才代になるまで、集団的に仕事を外された例は無いと思います。

動労水戸結成の原点は、労働組合幹部が実に立派なことを言ってたのに、いざとなったらみんな逃げてしまったことにあります。

昔の労働組合は数も多く、ストライキをやれば列車が止まりました。運動方針や発言も立派に見えましたが、いつも「この程度」という妥協が見えていました。

良い仕事をするということは、職場だけではなく労働組合においても同じことではないでしょうか?


(国分勝之撮影)

会社の幹部に取り入り、情報を集めて組合員を支配したり、口先で威勢の良いことを言いながら自分からは闘わない。そう言う嘘や手抜きが人の心を動かすことはない。

かつての労働組合幹部の在りかたへの根本からの批判を貫くことで、動労水戸は作られて来ました。

仕事を奪われ、組合員をバラバラにされたからこそ、仕事と職場、組合員の大切さを知る労働組合として、自らの存在意義を改めてハッキリさせる時が来ていると思っています。

 

勝田車両センター「何これ珍百景」

動労水戸ブログ、みなさんのお陰で40000PVを目前にしています。ありがとうございます。

今日は、まず勝田車両センターからの面白珍百景をお届けします。



交流20000ボルトを切る断路器に当たる光の加減で浮かび上がるのは…赤い鳥居でした♪


そして、ダイヤ改正目前の3月11日には



北松戸駅で金具が線路に落下し遅れが出たという、東労組東京地本の掲示。

そしてこれを見たトム・ハンクスさんの「何だコレー!」



かなり無理くりな結びつけですみません。

2000年のアメリカ映画「Castaway」のワンシーンです。

Castawayって、見はなされた人、あるいは漂流者って言う意味みたいです。

アメリカに実際にあるクロネコヤマトみたいなFedexという宅配会社の敏腕社員が、「社会主義」が崩壊したばかりのロシアに行って「時は金なり。時を無駄にすると会社は無くなる。」と資本主義のシステムを教える。

ところが、飛行機事故で一人無人島で4年の歳月を過ごすことになります。4年後に奇跡の生還を果すのですが、生きる希望であった彼女は別の人と結婚して、子供までいた。

たった一個、届けようと守った荷物を届けに行ったら、送り主と届け先の人も離婚していた。という凄いんだけどトホホなストーリーです。

会社に尽くして、時は金なりって説教している人が、実は時間も人も失っていませんか?という意味深なお話の映画でした。

本日はMTS団体交渉です。

みなさんおはようございます。桜が咲いて来ましたが「花冷え」もしますね。まだ、咲いていない桜の木の下でも、お花見をしている人たちを見かけました。外国の人も多くなりました。

動労水戸の組合規約では「組合員は、JRと関連企業の労働者で構成される。思想信条、人種や国籍などを問わない。」とされています。「労働者はひとつ!」労働組合に取ってとても大切な考え方だと思います。

動労水戸には、まだ外国人の組合員はいませんが、関連企業MTSの清掃に携わる青年が加入しています。そして、より良い職場作りのために日々頑張っています。

本日は、前回2月26日に続くMTS団体交渉があります。



(日曜日の昨日。美術展を見に向ヶ丘遊園生田緑地に。何とスハ42  2047客車がありました。)

(室内も昔のまま。ワーオ!)

(しかも何と、常磐線を走っていた客車でした!)

前回は、勝田車両センター構内の事故問題がメインになりましたが、今回は職場環境や賃金の問題になります。せっかくMTSに入った青年が、パワハラや低賃金で次々と職場を去っています。職場環境の改善は、急務だと考えています。

また、残業代未払い問題では、筑波大でも数億円支払っていますが、2年前にさかのぼって請求できる様です。

東労組もMTSの労働条件を問題にし始めましたが、今まで誰も問題にしなかったから好き放題やってこれたのです。


(D51 408の保存状態も綺麗でした。)

関連企業の労働者も、同じ職場で共同して鉄道の事業を担っています。しかし、会社は、労働者を差別化し、バラバラにして支配します。

ですから労働組合が、関連企業なら劣悪でも当然だと考えてしまう時、一緒に外注化・非正規雇用化と闘えなくなってしまいます。

JRの労働者と関連企業労働者、正規雇用労働者と非正規雇用労働者、どの人も組合員として等しく尊重される。

この労働組合の考え方と実践を通して「労働者はひとつ!」を現実化して行くのだと動労水戸は考えます。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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