ダウンロード 安全教育に無責任なMTS 鉄道の安全崩壊の元凶だ!デタラメな「福利厚生」ではなく、まともに生きられる賃金を!命に関わる重大事故が多発する外注会社 2012年10月にJR東日本が強行した検修・構内業務外注化以来、外注会社で事故が多発している。8月だけでも3件の重大事故が起きている。いずれの事故も一歩間違えれば命を奪われる重大な事故である。
【検修・構内業務の外注会社で起きた主な重大事故(8月)】
①8月9日 千葉・幕張車両センター
・ドアステッカー掲出作業を行う際、移動禁止表示旗は掲出したが、疑似マスコンキーの挿入を忘れて作業を行った。
・また、作業終了後移動禁止表示旗の撤去を失念した。
②8月12日 千葉・幕張車両センター 添削庫内
・209系車両の車輪添削作業終了後、ピット内で排障器等の高さを調整するため、車両を車両搬送装置で小移動したが、車両が完全に停止する前に補助レールに左手を置いたため、車両フランジ部と補助レールの隙間に小指の先端が挟まれ車両が停止した。
・事故当該は左手小指先端部切断で全治約2か月の重傷。
③8月14日 新幹線長野車両センター構内
・編成の汚物抜き取りと給水作業の車両を勘違いし、移動禁止表示旗を点灯していない車両にホースを接続した。その後同車両が出区のため起動開始したところ、汚物抜きホース2本と給水ホースを切断した。
昨年も勝田車両センター構内で移動禁表示旗の掲出を忘れたために汚物抜きホースを切断する事故が起こった。JR東日本管内の鉄道サービス会社は事故を受けて注意喚起を行ったが、事故は減るどころかますます増えている。
MTSは、「安全フォーラム」という行事を全従業員を対象に開いているが、16時開始のため、日勤者など全員が参加することは最初から不可能だ。しかもメインは会社負担の宴会が恒例となっている。こんな姿勢で安全が守れるわけがない。
従業員全員が受けるべき安全教育の機会をちゃんと与えず、宴会の経費は出すが従業員の待遇は改善しようとしないのがMTSという会社だ。
不可解な支出をやめて根本的な待遇改善を しかも、不可解な支出は「安全フォーラム」だけではない。
①従業員全員対象の旅行が毎年2月にある。社員の積立ではなく全額会社負担(一人1万5千円といわれる)で、事業所ごとに行き先を決めている。MTSの従業員は公称で664名となっており、旅行だけで996万円もかかることになる。行った人はお土産まで渡されるが、行かなかった人の旅行代は給料で戻ってくることもない。
②MTSは、今年8月冒頭、JRから出向している構内運転士に1万円のびゅう商品券を配布した。本社は「随時褒賞」などというが、就業規則にはない。よく聞いてみると、出向の際に運転士の安全無事故褒賞金がJRとMTSとダブルで出ると説明していたのが間違いであったため、それを隠ぺいするために今回だけ商品券を配布してごまかそうとしていたことが判明した。労働者を平等に扱う労働基準法に反している。配布するなら清掃の労働者も含めて全員に配布すべきなのだ。
③○○クラブという制度。ゴルフクラブ、旅クラブ、カラオケクラブなどがあるというが、1000円の入会金を払えば、会社から年間補助金が出て、例えばゴルフはプレー代がタダになるという。予算がいくらあって、補助金としていくら支出しているのかが全く不明だ。
④MTSは今年も「会社設立37周年」などと、全従業員に記念品をカタログで選ばせて配布した。なぜ毎年のように祝うのか。しかもわざわざ記念品を配布するのか。「品物の質が悪い」「いらない」という声も出ている。
このように、MTSは無駄な支出・常識外れな支出が多い会社である。金の出所も不可解極まりないが、そんな金があるのなら、まともに生活できる賃金を全員に支払うべきである。時給を上げること、扶養手当や住宅手当を出すこと、駐車場を無料提供することなど、従業員が本当に望んでいることは山ほどあるはずだ。MTSが今やっている旅行やクラブ、記念品など、「福利厚生」とすら呼べない代物だ。
プロパー社員の教育もJRに丸投げするMTS MTSは、現在運転士や検修業務をするプロパーの養成を行っている。しかし、運転の仕方・出区点検・応急処置・法規や車両構造まで全部JRに丸投げである。検修のプロパーも同じだ。車両構造や仕業検査の教育はJR本体の主務職に、実作業は出向社員に丸投げしている。
MTSはこのように検修・構内業務プロパーをごく短期間で養成しようとしている。技術継承など不可能だし、しようともしていない。鉄道の安全の根幹に関わる問題だ。MTSで働く労働者はすべてJR本体で雇用し、労働条件を引き上げ、JRの責任で養成すべきだ。
私たち動労水戸は、外注化に反対し、職場闘争・裁判闘争を一つに結びつけて闘っている。労働者の安全を守り、待遇を改善するために、団結して労働者として当然の要求を闘い取らなければならない。私たちと共に闘おう!