動労水戸情報608号

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30年間放置→53歳で本線運転士

JRは運転士の仕事を舐めるな!!


免許取得後30年ののち本線運転を強要!
 
11月1日、勝田車両センター構内運転士(現在はMTS勝田運転スタッフに出向中)の根本透組合員に対して、水郡線営業所の本線運転士に配転する事前通知が出された。

根本組合員は運転士免許を国鉄時代の1986年に取得するも、動労水戸への差別施策ゆえに運転士に発令されず、ベンディング事業(飲料水自販機の補充作業)などに18年間も従事させられてきた。裁判に勝利して鉄道本体に復帰し、2011年48歳でハンドルを奪還して以来、5年余り勝田車両センターの構内運転士として運転業務を担ってきた。

外注化によって低賃金のプロパー社員が促成され、「用済み」のJR出向社員が仕事の無くなった本体に形式的に引き戻されている。さらに新系列車両の交番検査も外注化の対象となっている。交番検査・機動班の外注化も迫っている。JRの青年たちの行き場所はどうなるのか?来年からいよいよポテンシャル社員の転籍が始まるとも言われている。 

最高裁判決に勝利した根本組合員に対する53歳の新人本線運転士発令は、法律を踏みにじり安全を無視し、外注化とライフサイクルを強行する会社の強い意思の現れだ。
 

外注化の全面破綻を労働者に押しつけるな!
 
JR東日本全体では動労総連合の頑強な闘いによって検修・構内業務外注化計画が破綻し、会社は強制出向問題が解決できなでいる。現在東京地裁で争われている動労総連合強制出向撤回裁判では、その矛盾が徹底的に叩かれている。

他方勝田車両センターでは、4年前の外注化以降、MTSプロパーと本線運転士エルダーが次々と構内運転士になったため、これまで車両職から苦労して限定免許を取得し構内運転士となった平成採のJR社員は、出向解除・本体復帰と同時に玉突き式に構内運転業務から追放されている。自分たちが身につけた技術力・資格、将来の展望までも、会社の施策によって奪われてきたのだ。

外注化・子会社化は単に安い労働力に置き換えるだけの攻撃ではない。これまで積み上げてきた労働者の努力の結晶も簡単に放り投げるのだ。絶対に許せない。
 

安全も労働者の事情も徹頭徹尾無視するJR
 
53歳の新人に本線を運転させることが一体どういうことか、会社は全く考えていない。会社は運転士の業務と安全をこれほどまでに軽視しているということだ。しかも、根本組合員にはひたちなか市の自宅から大子町の水郡線営業所まで、片道60キロの遠距離通勤が強制されることになるのだ。

JR全体で問題となっている「睡魔」や「尿意」等の生理現象の問題は、労働者個人の責任ではなく、このような会社の安全と人間労働の軽視から起こっているのだ。
 

まったく場当たり的な要員操配に怒り
 
JR水戸支社は、根本組合員の配転は水郡線営業所運転士の退職者の補充のためだという。しかし、53歳の新人運転士が一本で乗務できるようになるまでは相当時間がかかる。運転できるようになる保障さえない。管理職の点数稼ぎで現場軽視がまかり通り、その場しのぎの「頭数合わせ」のために労働者の配転がいとも簡単に行われる。
それどころか職場では、ライフサイクルに出す要員を捻出するための配転ともささやかれている。昨年、ライフサイクル絶対反対を貫く動労水戸組合員の會澤君が水戸駅に強制配転された。水戸駅では要員があぶれている上に、草刈りやペンキ塗りといった、会社が言う「運輸のプロ」とは到底関係のないような業務まで命じられている。そんな「意味のない」ライフサイクルのために、高齢の新人運転士を強制配転する。二重三重に許せない。
団結して闘うことこそ将来を切り開く
 
動労水戸は「53歳にして新人運転士」根本組合員に対する強制配転に断固反対する。会社は紙切れ一枚(発令通知)でやりたい放題できると思ったら大間違いだ。

12月10日に予定されている常磐線小高―仙台開通も、福島第一原発をまたいでいわきや茨城から原ノ町に強制配転された労働者の犠牲の上に強行される。通勤の過程で被曝を強制され単身赴任で生活破壊を余儀なくされる。非常時の避難計画すらない。労働者を人として扱わずとことん軽視する会社の姿勢は根本組合員の配転と根っこは同じだ。
私たち労働者の団結にこそ、こうした攻撃を跳ね飛ばす力がある。将来を開く力がある。動労水戸とともに闘おう。

30年史『燎原の火のごとく』書評①

合同・一般労働組合全国協議会の小泉義秀事務局長より、弊組合30年史『燎原の火のごとく』への書評をお寄せいただきましたので紹介させていただきます。


【1】
最初の8頁はグラビアだ。30年史のハイライト部分を選び出した珠玉の写真である。320頁の、読み応えがある著作だ。私は朝早起きして3時間、電車の中で2時間、喫茶店で3時間かけて1日で読了した。一気に読んでしまいたくなるワクワクドキドキの中身だからだ。

本書はどこから読み進めても良いと思う。私は最初に石井委員長の巻頭言の2~5頁を読み、それから第2部「動労水戸30年 闘いの軌跡」(動労水戸執行副委員長 辻川慎一)105~217頁に進み、第1部「団結―鉄輪旗のもとに」、第3部、第4部と読了した。


【2】
石井委員長は「あれから30年が経過しました。いま考えてみると、労働運動史上画期的な出来事でした」と述べている。軌跡は奇跡の30年だ。「動労水戸が1986年11月に結成されてから、敵階級の憎悪に満ちた攻撃は熾烈を極めました。労働者から労働を奪い、鉄道現場から引きはがし、採算を度外視して役員活動家だけでなく、一般の組合員まで売店やそば屋や自動販売機を管理するベンデイングセンターに隔離しました。その攻撃はじつに22年問続けられました」と書かれている。

辻川さんの第2部全体、執行部座談会を通して読み進む中で、もし私がその現場、その瞬間にそこにいたとしたら、きちんと闘えただろうか、耐え抜くことができただろうかと考えるとやはり信じがたい思いの方が先に立つ。

石井委員長の巻頭言はその闘いの歴史に勝利して、新たな段階に立ち向かう動労水戸の勝利感、自負心、誇りを高らかに宣言し、次なる闘いへの決意を凝縮したものとなっている。


【3】
第1部の座談会はその30年間の闘いの歴史を8名の執行委員が語っている。8名の強者の強烈な個性を若い西納書記がうまく引き出す構成となっているのが素晴らしい。もっとこの話を聞いていたいなと思う直前で終わってしまう余韻を残す企画だ。
照沼君が初めて11月集会に参加して辻川さんの隣に座っている写真が60頁に掲載されている。こういう写真があるんだと感動させられた。

座談会の2は石井委員長が兄貴分の立場で青年の動労水戸に加入してくる経緯などが鮮明にわかる内容となっていて凄い。彼らは特別な存在ではなく、東労組の中にいる青年も同様に考えているに違いない。青年座談会は東労組の青年が堤防決壊的に動労水戸に結集してくることを予感させる企画だ。

このような青年労働者が動労水戸に結集してきていることが動労水戸の30年の歴史の最大の勝利であり、それは新たな段階の始まりに過ぎないんだということを感じさせてくれる。
青年同士だけでなく、石井委員長を入れて対談していることにより、動労水戸が青年とどういう会話をして、共に闘い抜いているのかよくわかる。


【4】
第2部は線を引いて舐めるように読んだ。労働組合運動、革命に向かう様々な内容が詰まっている。「はじめに」は曾澤君の強制配転阻止の『労働の奪還』の闘いの記述に始まり、「動労水戸とともに歴史を歩みはじめた次世代の青年たちへの限りない信頼と連帯の訴えである」(110頁)で終わる。本書の核心部分がここにある。動労革マルとの闘いの最前線に動労水戸が立ち一歩も引かないで切り開いてきた壮絶としか言いようのない凄まじい歴史が述べられている。

中でも圧巻は「第7章 結成30周年のすべてをかけて全国・全世界をとらえる挑戦へ」である。「(1)終焉の時を迎える資本主義」「(2)労働の奪還」「(3)青年の階級のリーダーを生み出す」という構成になっているが、この章の「労働とは何か」「協同と共同性」はとても分かりやすい。この内容の高さと分かりやすさの両方が青年を獲得する要なのだと思う。 


【5】
本書全体を通して最初から感じたことは、誰か特定の組合員に焦点を当てるのではなく、動労水戸の組合員全員が主人公になっている構成だ。それが素晴らしい。

これは本の構成でそうなったのではなく、現実の動労水戸の歴史がそういうものなのだ。更に動労水戸の家族、動労水戸の30年の歴史に関わったすべての人に光が当てられている。


【6】
オチとエポックは「小編集後記」(104頁)であろう。この頁は決して読み飛ばしてはならない。「うちは、誰か必ず家に泊まっているという新婚生活から始まり、37年になりました。今度結婚する時は、お酒が飲めない人がいいです」(辻川あつ子)


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『燎原の火のごとく』

10・21銚子運輸区抗議行動!

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(動労千葉を支援する会『闘いなくして安全なし』10/19 第94号より)

不当処分・運転士剥奪 絶対に許さない!

JR千葉支社は、佐倉駅で運転席から用を足してしまった問題で、10月17日の動労千葉との団交の直後、当該の動労千葉組合員に、運転士の職を剥奪してCTS成田駅に強制出向するという通知を行いました。

減給処分に加え、「信用を失墜させた」などと言って運転士生命まで絶つというのです。

絶対に許せない!動労千葉は怒りに燃えて全力で反撃にたちあがろうとしています。


生理現象で処分するな!

時間厳守が求められ、運転席から離れられない乗務員にとって、トイレの問題は本当に切実で深刻です。

「自分のトイレのために列車を遅らせるわけにはいかない」と、必死で耐えて、それでも我慢の限界に達して運転席からしてしまった。これが一人の労働者の人生を奪うまで責め立てるべきことでしょうか?

生理現象は自分の意志ではどうにもならないことがあります。しかし、簡単には休めません。「指令に連絡すれば駅のトイレに行っていい」「列車が遅延しても構わない」という綺麗事では済まないことは、乗務員の誰もが経験していることです。

実際に、運転席で洩らしてしまった乗務員もいるほどなのです。乗務員を責めて済む問題ではありません。


尼崎事故と根っこは同じ

もっと重大なのは、JRがやっていることが尼崎事故を引き起こした問題と根っこは同じということです。人格や人権まで否定するような形で運転士を締め付けたことが、ありふれた些細なミスを、107名の生命を奪う最悪の事故にまで拡大させてしまいました。

近鉄奈良線で車掌が高架から飛び降り自殺を図った事件は、いつ「第2の尼崎事故」になってもおかしくありません。

「あぐらをかいた」と摘発された運転士は、今も乗務を外され、同じように運転士の職を剥奪されようとしています。もう限界です。こんなことを続ければ、間違いなく重大事故が起こります。

処分撤回・乗務復帰へ闘う動労千葉とともに、反撃の声をあげよう。(了)


動労千葉は10月21日、不当処分当該組合員の勤務する銚子運輸区で抗議行動に起ち上がりました。40人が結集、火を噴くような弾劾を叩きつけました。動労水戸は国分副委員長・潮田乗務員分科会長・曲山組合員が共闘を担いました。



 

不当処分断固粉砕!!
乗務復帰まで闘い抜くぞ!!!


10・20怒りの福島大行動!



10月20日、福島市で「怒りの福島大行動」集会・県庁デモと申し入れ・記者会見を行いました。

原発事故避難者への自主避難補助・住宅支援の打ち切り、仮設住宅からの追い出し、そして行政が「復興」の名のもとに住民に強制する帰還政策に抗議する闘いです。

また、福島県・県立医大による甲状腺検査の縮小の動きに対して抗議し「行政・医師会は県民の命と健康を守る立場に立て!」と訴えました。

常磐線全線開通はこれら福島の怒りを抑え込み「安心・安全キャンペーン」に組み敷く攻撃に他なりません。動労水戸は労働者・住民の怒りと共に断固として闘い抜きます。

当日の集会ではふくしま共同診療所・県内外の労組、そして各地に避難する当該の方々がマイクを握り怒りを訴えました。

「飯館村では来年3月の避難指示解除と同時に学校を再開するとしている。行政は『学校が再開して子どもたちが戻らなければ住民が帰還しない』と言う。こんなおかしなことがあってたまるか!学校を帰還強制の道具にしてはならない。学校は子どもたちのためにあるのだ。子どもたちをはじめ住民の命と健康を第一に考えるなら、避難指示解除も学校再開もあってはならない」(布施院長)

県庁へのデモ行進後、県への申し入れと記者会見を行い、白衣に身を包んだ布施幸彦・ふくしま共同診療所院長が先頭となって一日の行動を闘い抜きました。



30年史『燎原の火のごとく』ついに発刊!



組合結成30年の闘いの集大成として、動労水戸30年史『燎原の火のごとく  巨大資本JRに勝利した動労水戸の30年』を刊行します。

執行部・青年の座談会、組合員・家族・支援者の方々の寄稿をはじめ、闘いを振り返る豊富な写真・資料、そして辻川慎一副委員長書き下ろしの「動労水戸30年 闘いの軌跡」は必読です。

30年の闘いのすべてが、そして労働者階級の勝利の展望がここにはあります。


編著:国鉄水戸動力車労働組合
発行:出版最前線
発売:星雲社
ISBN 978-4-434-22535-2

定価:1800円

11月上旬より書店販売開始!ぜひお買い求めください。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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【本部事務所】
310-0011
茨城県水戸市三の丸3-1-3
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