5月19日常磐線全面開通を考える現地調査をやりました。

動労水戸西納書記からの報告です。

石井委員長、支援共闘の斎藤さんの3人で朝9時30分にいわき事務所を出発、常磐道で浪江方面へ。浪江駅→双葉町(6号線沿線)→大熊町大河原地区(移転町役場・コンパクトタウン)→夜ノ森駅→富岡駅→楢葉コンパクトタウン→Jヴィレッジ駅→広野駅まで、約4時間の行程で回りました。

浪江駅の周辺は更地になった住宅地がまだ目立つ状態で、3月時点で帰還率は1割にも満たない状態だそうでした。双葉町は避難指示が解除されていないので、6号線の枝道は依然全てゲートで封鎖中。JRの工事車両の出入り口を指示する看板も出ていました。


(JRの工事現場入口。ものものしい。)

大熊町の大河原地区は移転した町役場の周辺に戸建ての災害公営住宅の工事が進んでいました。大熊町の中で先行して避難指示が解除された地区ですが、役場を再開するためだけの解除だという印象を受けました。


  (工事中の夜ノ森駅)

夜ノ森駅は工事中で、駅に降りる階段もまだできていない状態です。富岡駅の裏にあったフレコンパックの山と処理工場は撤去されて防潮堤ができていました。楢葉町ではコンパクトタウンの災害公営住宅の周辺に商業施設が集中していました。今後大熊や富岡の「復興」のモデルとするとされている町です。


  (大熊町に建設中のコンパクトタウン)

線量は、線路や普通の舗装路の上は0.1~0.2マイクロ程度なのが、少しでも側溝や雨どいのそばに行くと平気で3~4倍に跳ね上がります。また、除染が進んでいない双葉町は腰の高さの空間線量でも0.5とか0.6マイクロが出ます。除染したての場所は線量は低いものの、周りは高線量地帯に囲まれています。

放射能の海の中に浮かんだ小島のようでした。帰還した人も、高線量と隣り合わせの生活です。根拠なき安全と復興キャンペーンで、実は労働者と住民の命と生活を破壊されていることを実感した現地調査になりました。

動労総連合「ジョブローテーション」本社交渉

動労総連合は5月16日、「新たなジョブローテーション」に関する本社交渉を行いました。第1回目の今回は、制度に関する解明要求です。今回の交渉には、千葉と水戸の運転士も3人が参加しました。

まずは、「新たなジョブローテーション」を行う理由について聞きました。
会社は、「提案通りの経営環境の変化への対応するため、硬直的なライフサイクルを柔軟なものにする」と答えてきましたが、組合からの質問に「会社として生き残るため」と、労働者の生活や人生を犠牲にすることを明らかにしました。

次に車掌試験、運転士試験を廃止して「通常の人事異動」で乗務員になることを追及しました。会社は、「試験廃止のメリットは、社員のやりたいことが柔軟にできる」としながら、結局「要員の需給もある。希望通りに行かない場合もある」と、会社にとっての柔軟な対応であることがはっきりとしました。


  (国分勝之撮影)

さらに、車掌を経ずに運転士になることの理由を聞きました。会社は、「女性社員などの希望もある」と答えてきました。組合からは「車掌を経ることで安全意識ができるとこれまでは言っていたが」と質問に、「研修で補える。いずれほぼワンマン運転になるのではないか。計画はないが」と、車掌廃止に向けた制度ではないかと思わざるを得ませんでした。

運転士、車掌の職名を乗務職にしていくことについては、「運転士は車掌も出来る。込み運用を検討していく」「乗務係はジョブローテーションで運転士になっていく人が対象。指導職試験に合格しないと乗務指導係にならない」と回答しました。これはあくまでも車掌を合理化し、乗務係という安い運転士を使っていくということではないでしょうか。

そして「概ね10年で異動又は担務変更」の根拠については、「根拠はない。技術継承のため」と回答しました。組合から「10年の経験では技術の厚さがないのではないか」の質問に、「個の技術ではなく、職場に残る技術を作っていく。技術が固まらないように異動してもらう」としています。この回答では、自らの意識で高めていく技術力を、単にマニュアル化していけばいいとしか聞こえませんでした。

将来的な車掌業務の変化については、「ドライバレスの技術を確保してから提案する」「ワンマンの立証実験を行っている。中長編成は、全ドア開扉、ホームドアを前提に検討」「地方への拡大は利用状況で考える」としていて、徹底した要員合理化と地方切り捨てがあらためてはっきりしました。



組合からは「本人の意に沿わない異動は反対。安全を破壊するものは反対」ということを突きつけ、この日の交渉を終わりました。

動労総連合は交渉終了後第2の申し入れを出し、労働をとことん軽視して、労働者を将棋の駒として使い捨てるジョブローテーションを許さない闘いを進めています。

沖縄行動に参加中の照沼君から

お疲れさまです!

ただいま、沖縄集会に参加しています
簡単にですが、報告です。

昨日の国際通りデモは、これまでにない数の右翼の街宣車が妨害に来ていました。しかも、デモスタートから、沖縄集会の会場に行くまで、着いてからもしばらくの間街宣車が付いて回ってきました!



デモへの反応は結構良かった気がします!昼から缶チューハイを片手に縁石に腰をかけたおっちゃんが握手を求め、頑張れよと声をかけてきました。
沖縄恐るべし!酒が好きな人に、悪い人は居ませんね(笑)



右翼は、「日本人を語るな」とか「中核派、革マル派」とか言ってました。国鉄分割民営化に協力した革マルと一緒にされるのはさすがに心外でした。

沖縄は暑いですが、全国の仲間と交流し、本日は県民集会に参加します!

JR東労組本部が水戸、東京、八王子3地本委員長を統制処分

みなさん既にご存じかもしれません。JR東労組の水戸、東京、八王子の3地本の委員長に執行権停止が出されました。

通例これは、本部が3地本の執行権を認めない。本部で再建するということですから、本部の指令にしたがわなければ、事実上分裂ということです。



これは大子運輸科に貼り出された掲示です。本部に屈せず「組合員の声をもとに、これまで以上に闘う!」と断固とした宣言を出しています。

確かに、現場組合員の声、現場組合員の要求で闘うのが労働組合の原則です。



ツイッターでは、東京地本でも組合員の結束の固さが強調されています。

他方で会社が、独身寮でも脱退工作をしたことが暴露されています。

東労組本部の動きは、解体できない青年たちの結束の固さに焦る会社の意思と一体のものでしょう。

しかし、労働組合そのものを解体し「生かすも殺すも自由」「文句は言わせない」という会社との取り引きとは何なのでしょう?

これまで、東労組本部がやって来た「会社を背景にして、職場を支配する」という路線が通用しなくなったから「解体攻撃」を受けているのに、現場組合員そっちのけで、会社にすがり3地本委員長を処分して一体何をしようと言うのでしょうか?

それで全面外注化や「ジョブローテーション」を止められると言うのか?

そんなことはありませんし、用済みになれば、捨てられるだけです。

さて、常磐線冨岡以北に531系を入れるために、線路が引き直されました。高線量地帯を531系も走ることになります。

乗務員・乗客が危険にさらされるだけでなく、検修、清掃、全ての人に再び被曝の問題が発生します。K544の時と同じです。



「政府が安全と言うから安全だ!」と線量を調べも、発表もしないJR東日本の何を信じるのでしょうか?

労働組合の責任はとても大きいと思います。会社も、東労組本部も原発事故と被曝問題を問題にしませんが、現場組合員はそれで良いと思っているのでしょうか?

労働組合を現場組合員に取り返しましょう!

「今を生きる」ミニミニ哲学講座

 人間の言葉って、本当は生きること、つまり生活することと一体だから例えば、アラスカの先住民であるイヌイットは雪の種類を100以上使い分けるそうです。

忘れがちですが言葉の豊かさは、共に生きて行くことを土台にした人間の自然に対する感性の豊かさも現しているのですね。

資本主義の成立過程で、人間は自然や人を概念的に整理し数値化することで社会を転換し、巨大な発展を世界的に産み出して来ました。

しかし、実は概念や数値で生きている自然も人間も捉えられません。むしろ生きた体験を狭く捉えていくことになります。

例えば日本人だと、人間の肌は肌色という概念が当然とされますが、実際には一人一人違いますので現実の感覚をシバってしまいます。

概念で捉えて数値化するのは、整理することをとても楽にするし、分かった気にさせてくれる。ところが人や自然をそれで分かった気になると、尽きることの無い人や自然の豊かさが分からない人になってしまう。

だから観察だとか体験だとか、感じる力が大切なんだと思います。



古い映画ですが、1989年国鉄が分割民営化されて2年後のアメリカ映画です。

動労水戸の先輩たちは、まだ20代。運転士や検査の仕事を外され、関連事業にバラバラに配属されて苦しい時代の映画です。

この映画全体を貫く言葉が「今を生きる」です。

英語では、Seize  the  day.(シーズ・ザ・デイ)で、その日をギュットつかめ。

語源のラテン語では、Carpe  Diem(カーペ・ディエム)で、その日の花をつかめ。

だと言うことで、死がいつか来るかを知ろうとするよりも、その日を自分としてしっかり生きよう。そう言う意味です。



ホラティウスと言う昔の人の詩から来た言葉で、エピクロスというギリシャの哲学者の影響を受けています。

何か難しい話ですみません。労働者の味方だったカール・マルクスという人の最初の論文は、このエピクロスが題材でした。

理論の世界が正しく、実際の世界は主観的なんだというデモクリトスに対し、人間の感覚が真理を伝えるし実際の世界が客観なんだとエピクロスが言った。

それをマルクスが見直したところから、スタートしているんですね。何だか今の会社との対立に似ていませんか?

実は、ちゃんと儲けている経営者の方がマルクスの「資本論」を良く読んでいますが、昔は労働組合でマルクスを勉強するのは基本でした。

さて今日の締めは、エピクロスが言っていることです。「人間が本当に人間になるためには、他の人と関係するだけでなく、独立した一個の意思として関係しなければならない。それこそが最初の自己意識である。」にします。


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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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