「今を生きる」ミニミニ哲学講座

 人間の言葉って、本当は生きること、つまり生活することと一体だから例えば、アラスカの先住民であるイヌイットは雪の種類を100以上使い分けるそうです。

忘れがちですが言葉の豊かさは、共に生きて行くことを土台にした人間の自然に対する感性の豊かさも現しているのですね。

資本主義の成立過程で、人間は自然や人を概念的に整理し数値化することで社会を転換し、巨大な発展を世界的に産み出して来ました。

しかし、実は概念や数値で生きている自然も人間も捉えられません。むしろ生きた体験を狭く捉えていくことになります。

例えば日本人だと、人間の肌は肌色という概念が当然とされますが、実際には一人一人違いますので現実の感覚をシバってしまいます。

概念で捉えて数値化するのは、整理することをとても楽にするし、分かった気にさせてくれる。ところが人や自然をそれで分かった気になると、尽きることの無い人や自然の豊かさが分からない人になってしまう。

だから観察だとか体験だとか、感じる力が大切なんだと思います。



古い映画ですが、1989年国鉄が分割民営化されて2年後のアメリカ映画です。

動労水戸の先輩たちは、まだ20代。運転士や検査の仕事を外され、関連事業にバラバラに配属されて苦しい時代の映画です。

この映画全体を貫く言葉が「今を生きる」です。

英語では、Seize  the  day.(シーズ・ザ・デイ)で、その日をギュットつかめ。

語源のラテン語では、Carpe  Diem(カーペ・ディエム)で、その日の花をつかめ。

だと言うことで、死がいつか来るかを知ろうとするよりも、その日を自分としてしっかり生きよう。そう言う意味です。



ホラティウスと言う昔の人の詩から来た言葉で、エピクロスというギリシャの哲学者の影響を受けています。

何か難しい話ですみません。労働者の味方だったカール・マルクスという人の最初の論文は、このエピクロスが題材でした。

理論の世界が正しく、実際の世界は主観的なんだというデモクリトスに対し、人間の感覚が真理を伝えるし実際の世界が客観なんだとエピクロスが言った。

それをマルクスが見直したところから、スタートしているんですね。何だか今の会社との対立に似ていませんか?

実は、ちゃんと儲けている経営者の方がマルクスの「資本論」を良く読んでいますが、昔は労働組合でマルクスを勉強するのは基本でした。

さて今日の締めは、エピクロスが言っていることです。「人間が本当に人間になるためには、他の人と関係するだけでなく、独立した一個の意思として関係しなければならない。それこそが最初の自己意識である。」にします。


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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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