パワハラの起源って何だろう?

JR水戸支社の関連会社水戸鉄道サービス(MTS)の青年から、職場のパワハラ問題で相談を受けたことがあります。

厚生労働省のパワハラの定義は、

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為。

になります。

ところで、相談を聞くと上司のパワハラだけでなく同僚による理不尽な対応に苦しんでいるのです。清掃での小さな失敗で30分以上立ったまま責められたり、罰として腕立て伏せをやらされたこともあったそうです。


青年たちは、仕事をちゃんとやりたいと思っても、職場の理不尽さが嫌になりやめてしまいます。

人間は、意外にも体への暴力だけで屈することはないと言われます。言葉の暴力こそが人間の心を深く傷付け、生きる意欲や力を奪うのです。

労働組合がしっかりと職場に結束を作り出して、会社の言いなりにならないところではパワハラは起こりにくいのです。

起こらないとは言いません。「昔はこうだった」と古い常識を強制しようとする人は、労働組合の中にもいるからです。

しかし、問題の根本は資本主義のはじまりにあります。古くからの共同体で生きて来た人間の在りかたを壊さなければ、資本に忠実に働く労働者を大量に作れない。


  (レ・ミゼラブルと言う映画にも描かれています。)

資本主義のはじまりと共に、農民は農地から暴力的に引き離されました。それでも労働者として働かない者は、怠け者の犯罪者としてらく印を押されて監獄にぶちこまれました。

嘘ではありません。それが「資本の論理」であり国は、その原理を守るために軍隊、検察・警察、監獄、税務署などの暴力的強制機関を維持しているのです。

労働者が仲間と助け合い、生きて行くことには人間の共同性の本質があります。人が人らしく働くには不可欠のことです。

しかし、その共同性の根を断ち、暴力的に分断し、相互に対立させることで搾取を強めるしか、資本として生き残れない。

そこに根本矛盾があります。労働組合の歴史的使命とは、金儲けのためのパワハラ・暴力支配に対して人間の本質的関係の力をを奪還して行くことにあるのです。

「ジョブローテーション」は、職場の仲間との共同性の暴力的破壊です。本質がパワハラなんです。だから青年たちは頑強に抵抗しています。そこに、暴力では破壊できない人間の関係があるのだと考えます。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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