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国鉄分割民営化と川崎殺傷事件

みなさんおはようございます!

5月21日に柏駅での停車駅通過が発生しましたが、職場では「特急だし車掌はどうしていたのか」「1人乗務かも」「会社は、都合が悪くて隠蔽しているのでは」の声も出ています。

下の責任は問いながら、自分たちに都合の悪い真実は隠し、変り身の早さに長けて行く。世渡りの極意なのかも知れませんね。


 
(国分勝之撮影)

「川崎殺傷事件」が起きました。とても衝撃的で、「原因は何か?」と連日報道されています。

私たちは、ちょっと違った視点から考えたいと思います。

まず犯人が、51才で引きこもりだったという事実に驚きます。しかし、こう言う人が実は相当いて「8050」(80代の親と50代の引きこもり)問題と言われる隠れた社会問題になっていたのです。

ところでこの年代は、国鉄が分割民営化された32年前にちょうど社会人になる年代でした。

自分たちが育った時代、社会に出た時代がその人の人間形成に大きな影響があることをみなさんも感じていると思います。


 
(川崎殺傷事件で亡くなった人を悼む人々)

実は、1970年代と1990年代に大きな時代的状況の変化がありました。

国鉄というのは、労働者の技術や技能を基盤とする生産の象徴でもありました。それを時代遅れのものとして解体したのが1987年です。

それから高度消費と高度情報社会の到来によって、日常生活の全てが急速に「サービス産業」に依存させられて行きます。

国鉄は、公共鉄道の公社でしたが、JRにするということは、サービス産業への転換でした。社会自体を全て儲けの対象にするという大転換の推進軸が、国鉄分割民営化だったのです。

それから、教育や資格試験もサービス産業化され、儲けの対象にされました。学歴も資格も、現場の労働が単純化され、下請け化される現実との遊離が拡大して来ました。

結局色々やっても非正規雇用か、パートしかないとすれば学ぶ意味や向上する欲求が生まれて来なくなります。

不登校や引きこもりは、日本だけの問題では、ありません。全てを民営化して、労働と生活という人間が生きる基盤自体を金儲けの対象とした「新自由主義」の結果として起きていることです。


  (国鉄の解体は、仕事と生活の土台の解体と一体だった。)

安全を守る地道な労働は、利益を生まないし、株価もつり上げない。企業の所有者は、株主と言われますが金の力が全てと言うことです。世界の99%の富を握る1%の人たちのために全てがある、と言って過言ではありません。

こうして労働と生活という人間社会の基盤が、日々破壊されています。JR労働者の闘いとは、国鉄分割民営化をめぐる労働者と労働組合の闘いとして今も闘われています。川崎殺傷事件と国鉄分割民営化には、深い関連性があるのだと考えます。




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誰かを悪ものにして何が解決するのだろう?

戦争を憎み、沖縄の人々に軍隊と基地を強制することに存在をかけて反対し、無実の罪を着せられた星野文昭さんが、昨日逝去されたとの連絡がありました。無期懲役で44年間獄中で闘い、生き抜きました。

息子を自死で亡くした動労水戸組合員に「傷ついた人がもう一度立ち上がることは、大変なことです。焦らず、時間をかけて、自分自身の力で立ち上がることを信じて見守ることが大切です。」と獄中からメッセージをくれた思いやりに満ちた人でした。

言葉もありません。ご冥福をお祈りいたします。


  (獄中で描かれた星野文昭さんの絵)

尼崎事故では、高見運転士が罪人扱いされました。無差別殺人と言えば、秋葉原事件
の加藤智大君。彼は非正規雇用労働者でした。今度の川崎事件では、51才で引きこもりの人。社会に出ることも出来なかった様ですね。

こうした社会に出られない「引きこもり」の人が100万人いるとも言われます。弱くて、だらしない人たちなのか?

「社会の役に立たない奴は、迷惑をかけずに死ね!」と言う言葉が投げかけられます。人を非難し、自分はそう言う奴らとは違うと安心するのでしょうか?


 
(クレマチス「美しい精神」「旅人の喜び」が花言葉です。) 

世界の家計合計を、世界人口で割ると世界60億人全ての人が食べることができます。しかし、世界の1%の超富裕層が世界の富の99%を独占し、残り1%を99%の人が分け合っているのが現代世界の現実です。

99%は、中間層、貧困層、その下に別れて互いに非難し合う。対立し合い、奴隷の様な労働を受けいれるほど、1%の支配は安定するのです。

この支配構造に、気付くべきではないだろうか?そして、根本から変えなければならない。人を非難しても、決して安定しない構造がある。

人は、労働・仕事を通して社会に関り、自分自身を実現して行く。そこが破壊されているのです。

2007年教員免許が10年更新にされ、先生の仕事でさえ安定したものでは無くなりました。

ジョブローテーションも正に10年ごとに査定され、振り分けられる。生涯安定して仕事をすることさえ許さないと言うのだ。

利益が上がり、株価が上がり一体誰が得をするのか?良く考えて、根本的間違いを正そう!労働組合にはその力があるのです。

再び本社団交について、そして東京新聞の報道について

皆さまお疲れ様です。

前回ブログに載せました全線開通問題の本社団交について、もう1つ付け加えます。

皆さんの協力を頂き10月にJR東日本に提出した5000をこえる常磐線全線開通反対の署名について、「会社はどう受けとめているのか?」と問い質しましたした。

それに対して、「申し入れの項目になかったので今日は回答を持ち合わせていない」とノーコメント。まるで国会の答弁です。

「では、どういう形で回答するつもりなのか」との質問にも答えないのです。極めて不誠実な対応に終始しました。


  (常磐線復旧工事の様子。「線路は除染した」と JR東日本。非常時に乗客をどこに避難させるのでしょうか?開通ありきであとは「想定外」で逃げるとすれば、無責任の極みではないですか?)

誰が撮ったかわからないようなSNSにはすぐ反応してクレームはつけても、5000名もの署名に対しては無視しています。絶対に許せません。

この様な中で5月28日の東京新聞茨城版には
「東海第二再稼働に警鐘 水戸で催し 福島の避難者ら思い語る」と言う記事が出されました。

東京電力福島第一原発事故の影響や被災地の現状を聞き、日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働を考えるイベントが二十六日、水戸市で開かれた。約百人が避難者や農家らの思いに聞き入った。

JR職員の高井広一さん(38)は、福島原発から約十五キロの福島県南相馬市小高区から、社宅のあるひたちなか市に避難した。避難生活では東電からの賠償金をねたまれる雰囲気を感じたといい、「避難者というだけで萎縮してしまい、原発避難は精神的に苦痛だ」と訴えた。

事故後に笠間市で農業を始めた涌井義郎さん(65)は、放射性物質による土壌汚染に悩まされ、風評被害で消費者離れが起きた経験を語った。「原発には最悪の環境汚染の危険がある」と農業者としての思いを口にした。

イベントは、市民有志らでつくる「憲法のつどい」実行委員会が主催した。福島の被災地を撮影している写真家飛田晋秀さんの講演もあり、「より人口が多い茨城で事故が起きたら、もっと大変だ」と東海第二の再稼働に警鐘を鳴らした。 (山下葉月)



という内容です。高井さんは、JR東労組水戸地本組織部長。会社による昨年からの東労組解体への転換の中で、運転士を不適格とされ勝田運輸区から勝田車両センターに配置転換された労働者です。

労働者は、不利益や暴力的支配に屈するのではありません。おかしいことは、おかしい。理不尽なことは理不尽なのです。

そこには、日々自分たちの仕事に責任を取っていることが土台にあるのです。だから、決して軽いことではありません。むしろそれが人間とその社会の確かな土台なのだと思います。

確かな土台を奪われ続けた時、生きる意味が見いだせなくなり、社会への恨みと怒りしか残らなくなってしまうのではないでしょうか。

はじめから結果などありません。全力を尽くし、労働者として一つになるために労働組合を奪還しましょう!

常磐線全線開通の本社団体交渉がありました。

おはようございます。

5月27日常磐線全線開通問題についての本社団体交渉がありました。


昨年10月に申し入れたものに対して7ヶ月もたってやっと開催された団交でしたが、酷い中身でした。


 
(富岡駅海側の防潮堤。巨大な投資で潤っているのは?戻った人たちの放射能からの防御は?)

●第一原発に対する認識は?…冷温停止状態を維持して安定した状況という従来と同じ回答

●帰還困難区域を開通させるとしてるが安全だという根拠は?…除染をしている、具体的な放射線量を示すような数値は今日は出せない、など具体的な根拠は何も示さず。

●乗客や作業員は被曝しないのか?…除染したところを通るので問題ない。法令に従って対処するとしているが2.5μSv/h以上でないと線量管理などが必要ない、線路内はそれ以下なので何もやらない可能性もある。

●車両に放射性物質が付着して拡散する、検修や清掃する際の対策は?…除染した区間は避難解除となる予定でありそうしたところを走る車両の線量測定は行わない。

●特に工事が遅れているということはなく2020年3月の開通めざしていく…安全と認められる回答の中身はなくとうてい認められないと対立し、継続論議になりました。


  (福島県いわき市勿来付近。鉄道を愛し、自然を愛し、福島、いわきを愛する国分勝之さん撮影。)

一方現場では、長期間乗務停止になっていた運転士への配置転換がありました。

勝田運輸区の運転士は昨年12月末に日立駅でオーバーランし、その原因について正い報告をしなかったということで5ヶ月も降ろされていました。そして、水戸駅営業に発令されました。

また土浦運輸区の運転士が荒川沖での臨時の徐行を失念し乗務停止となってましたが、やはり駅の営業に配置転換になりました。

株主総会前で部長・課長などの異動の時期なので、まとめて処理して責任回避なのか?

乗務員を大事にしないやり方に、職場は嫌な雰囲気です。

人を大切にして生かす。そう言う姿勢がみじんも感じられません。みんな自己保身。

辛いとき、苦しいとき、出口がないと思われるときほど人の優しさが心を打ちます。

労働組合は、労働者の心温まる拠りどころでなければなりません。そして仕事に対する人間の誇りと主体性を取り戻す役割があると思います。

動労水戸と一緒に、職場に労働組合を取り戻しましょう!

自然と主体的に関わる。

「日本の伝統ある国技」だと言って、土俵には絶対女性は上らせないと大騒ぎした大相撲。トランプ大統領は国賓だと椅子で観戦させ、スリッパで土俵に上がらせました。

国鉄以来、先人たちが積み重ねて来た安全第一の伝統を目先の儲けのために投げ捨てるJRと良く似ていませんか?

要するに口だけなんですね。人の存在がとても軽い。


  (水郡線矢祭駅の5月。観光ではなく、自然と呼吸して見ませんか?)

私たちに取って、口先でない実体って何でしょう。人間と自然との関係、人間が自然に対して主体として働きかける労働の過程に本当の実体がある。

資本や金が人間支配しているけれど、人間に取っての本質あるいは実体は労働の中にあるのだということです。

私たちは、労働を通して確かな人間性や共同性をつかみ、生を貫いて行きます。


(矢祭駅から吊り橋を渡り対岸へ)

自然や対象、目標に対する人間の主体性が労働を労働足らしめるのですね。

だから、金銭や会社の上司に言われたからやるということ中に、人間の主体性はありませんので喜びもまた無いということになります。


 (久慈川の対岸に渡ると歩いて程なく滝を見ることができます。)

人間の命には限りがあります。限られた命を突きつけられた時、それが自分であれ、愛する人であれ全く違う時間が流れます。

そして生きているということが、自分が無二の主体として挑戦することが出きるという、人間的喜びそのものなのだということを見いだして行くのでは無いでしょうか?

会社や回りに、付き従い不平不満を言って生きるのが労働組合ではない。お互いを無二の主体として、共に働き、「自然」「社会」に働きかけて行くことに根本的役割があるのではないでしょうか。

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プロフィール

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動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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