常磐線全線開通(冨岡−浪江間)問題の交渉報告(その2)
9月6日の水戸支社交渉で、体内被曝の問題を追及しました。
組合から体内被曝の危険があるのではないかと問うと水戸支社は「除染と線量管理しているから体内被曝が発生する状況ではない」と回答。
しかし、除染したと言っても鉄道敷地内だけであり、水戸支社が示した線路内の放射線量のデータでは2μSv/h以上が2kmも続きます。さらにすぐとなりの鉄道敷地外は50mSv/yという帰還困難区域です。こうした場所で放射性物質を絶対に体内に取り込まないと言えるのでしょうか。
原発事故の後に、会社は体内被曝の講演会を行っていますが、いったい何を学んだのか。
(2022年夏には、汚染水の管理は限界)
さらに、車両に付着するであろう放射性物質について、放射線量を測定するよう求めました。
この間、本社や水戸支社長は「車両には放射性物質は付着しない」と豪語してきましたが、8年前に広野駅から回送されたK544では、車両のフィルターから0.9μSv/hの放射線が測定されています。また水郡線の車両洗浄で出た汚泥からは1万ベクレルの値が検出されています。
放射性物質が付着した車両をじかに触って検査・修繕する仲間たちを体内被曝をの危険にさらすわけにはいきません。組合としては絶対譲ることはできません。
(東電旧経営陣3人「無罪」⁉️東京地裁判決)
組合の追及で水戸支社は「車両に付着する可能性もある」としぶしぶ付着することは認めたものの、あくまでも測定はしないと回答。社員の命などどうでもいいと思っているのでしょうか。
社員に疾病が発生した場合の保証についても「原因が特定できなければ保証しない」と言及しました。
また運転再開に向けての教育訓練や避難計画を示せと求めたところ、水戸支社は「設備などについて国の認可が下りていないから示せない」と回答。運転再開準備もできていないのに、2019年度末の運転再開のために提案したという、デタラメさが明らかになりました。
この交渉でも明らかなように、常磐線全線開通は放射能汚染地帯に避難者を無理矢理帰還させ、そのために鉄道労働者は被曝しても列車を走らせろということです。
私たち動労水戸は、人の命をなんとも思わない、国のために犠牲を強いる全線開通に反対していきます。