9月、10月の台風では、社会全体に大きな被害がもたらされてしまいました。
その中で、労働者への被害は、まだまだ解決されないように思います。
台風被害の中で、多くの企業が仕事ができなくなりました。このときにもっとも深刻な事態になったのが、1日いくらで賃金を得ている非正規労働者ではないでしょうか。いきなり生活の糧を絶たれて、なんの保証もされないのではないでしょうか。1日1日を生きるために、苦悩されているのではと思います。
(過去5年間で非正規社員が増えた会社)
一方で私たち鉄道労働者のように、社会のインフラを担う労働者には、「災害時だから」を口実に普段ではあり得ないような仕事が指示されています。とりわけ、自治体労働者や教育労働者には、住民や子供たちのために何でもやらなければということが、暗黙のうちに強制されているのではないでしょうか。
現在の水郡線は、西金-常陸大子間が運転を見合わせています。
それでも鉄道の利用者のためには、できるだけ列車の運行を確保しなければなりません。
そのために乗務員は、回送列車の業務も組み込まれた臨時行路を乗務しています。
その中では、仕事の拘束時間が長くなったり、泊まり勤務の睡眠時間が短かったり、泊まり勤務が連続したりと、相当な負担がかかっています。
(流出した高地原橋・矢祭町-久慈川)
また車両の検査を行う労働者は、これまで常陸大子で行っていた検査を、設備も十分でない水戸で行うこともあり、日替わりで常陸大子と水戸に勤務することになってしまっています。
こうした業務を一緒に担っているグループ会社の労働者も、同じような負担がかかっているのではないでしょうか。
水郡線では、こうした事態が1年から2年は続くことになります。
少しでも負担が改善されて、みんなが安心して働ける職場にはできればと思います。
福島第一原発事故の被害を受けた自治体労働者や教育労働者は、2011年以来、ものすごい負担の中で働いてきたのではないでしょうか。復興のためだと言われて何でもやる。それが今でも続いていると思います。
災害時の労働者への被害は、本当に大きなものだと思います。こうした被害や負担を無くしていくために、みんなが協力していく社会を目指したいですね。
先週の後半から水郡線の大子運輸科では、気動車への給油作業の一部を、乗務員に行わせようということに怒りの声が上がりました。
これは、水戸運輸区構内の燃料給油装置の工事があり、その間タンクローリーから気動車に直接給油するという作業で、この直接給油の際にタンクローリーを気動車1両ごとに移動させる作業を、会社は大型免許を持っている大子の乗務員にやらせようとしたのです。
(水戸駅留置線=梅香・給油&洗浄作業を行う)
当然職場では、「なぜ列車の乗務員がタンクローリーの運転をしなければならないのか」「危険物の扱いをなんだと思っているんだ」「この災害時になぜそんな工事をするのか」など、会社に対する不信の声が上がりました。
東労組や動労水戸から抗議もあり、結局は支社の社員が行うことになりました。
しかし問題は、いまの職務に関係なく何でもやらせてしまおうということではないでしょうか。
そして会社に狙いをつけられたのは、労働組合を抜けている社員だということです。ここに会社の最大の狙いがあるように思います。
(タンクローリー車)
「変革2027」の施策のもとで、社員は生産性を上げるためにキャリアアップしろと言います。ですがそこでやられることは、良いも悪いも関係なく会社の指示に従え、ということではないでしょうか。
現在の職場にはまだ労働組合が残っています。ですから会社も強く指示することはなく、今回は本人たちも断ることができました。
では労働組合が無かったらどうなっていたでしょう。
会社は「変革2027」に向けて、すべての労働組合を潰そうとしています。労働組合のない職場に存在するのは、言われたことには絶対服従の奴隷のような労働者ではないでしょうか。ひたすら従ったとしても、勤務評価さえ会社が好き勝手にやってくると思います。
私たちは、こんなあり方を許しておくことはできません。
(「究極の安全」を第一にと謳う『変革2027』)
労働組合はなによりも、職場の労働者の労働条件を考え、労働者の権利を守るために会社に立ち向かいます。誰かが会社から不当な扱いを受けたら、みんなの力で跳ね返していく、そういうものだと思います。それが団結ということです。
この団結があるかぎり、会社のやり放題を止めることはできるはずです。
動労水戸は少数でも、この団結を守り抜いてJR資本と渡り合ってきました。その道は一見すると大変そうにも見えますが、実に楽しいものです。一人一人の労働者の力を発揮しあう労働組合の団結を、皆さんの職場でも作っていきませんか。
カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新CM
最新記事
プロフィール
ブログ内検索
最古記事
P R