訪独団に参加されている動労福島の仲間からの報告です。【東ベルリン駅の見学】
9月4日、午前中はまず東ベルリン駅へ。かつて当局が組合事務所を駅構内から追い出したため、今は駅前に事務所があります。
ホームの売店は自販機に置き換えられたとのこと。この流れは日本と同じです。
通りにあったキオスクは見た目も品揃えも日本とそっくりでした。
【組合事務所での学習会と市内見学】
組合主催の学習会のテーマは、GDLの組織構図と上部団体の圧力の中で、クルトさんたちと彼らの仲間がいかに戦闘的労働運動を構築しているのかというものでした。
日本から労働者が来るということで、組合員がほつれていた事務所カーテンを事前に修繕してくれたとのこと。こういうのも嬉しいですね。
午後の遊覧船からはシュテフェンさんが合流。クルトさんいわく、組合の企画には可能な限り参加する方とのこと。それを聞いて「じゃあストのときも最前線で戦闘的な人なの?」と質問したら「ストのときはみんな戦闘的さ!」と返すクルトさん。さすがです。
【ベルリンの鉄道事情】
続いてはベルリン都市鉄道に乗車。環状線と東西・南北に線路があります。1日乗車券が350円ほど。日本の運賃は世界一高いと言われることがよくわかります。
最高速度は60㎞。駅間が短く区間2分で走ります。環状線一周が1時間。1回の乗務で環状線を7周する勤務もあり、かなりきついとのこと。
業務は極限まで合理化されています。まず驚くのは改札がないこと。切符はホームの券売機で購入します。抜き打ちで行われる検札の際に切符を持っていない利用者から罰金を取るという仕組みです。
ホームに駅員さんはゼロ。発車指示を出す駅員もいません。なので、運転士がモニター画面を見て発車するという究極のワンマン運転。運転士には大変な負担です。
ホームには運転士休憩所があります。市内の主要な11駅にはホーム上に組合詰所があるということです。
【国際連帯で組合員を組織化】
「みんな日本のイメージは富士山と新幹線だから、そこに尼崎事故の写真をドーンと入れた」というクルトさん。尼崎事故は事故当初からインターネットを通じて知っていたということでした。
国鉄分割民営化と1047名解雇撤回闘争、さらには福島原発事故まで盛り込んでビラを仕上げたということでした。
クルトさんもシュテフェンさんも、乗務中の運転士にも積極的に「ほら、日本から来てるんだぜ!」と声をかけていました。
【農業破壊と闘う労働運動】
主食のパンはめちゃくちゃおいしい!パスタ、ケバブの生地など小麦粉料理がとってもおいしいんです。
「日本の小麦粉は農薬がいっぱい使われたアメリカからの輸入なんだ」と言うと、9/23にドイツ版TPPに反対する大規模デモがあり、そこに労働組合として組織参加するとのこと。この闘いには若い組合員が積極的に参加しているとのことでした。