ダウンロード 空前の労働強化 会社と職場が一変する10月ダイ改今こそ闘う労働組合に結集しよう今ダイ改の攻撃の本質10月14日のダイヤ改定ではとんでもない労働強化・安全無視の行路が強行されようとしている。同時に、会社は10月21日に常磐線竜田―富岡開通を強行しようとしている。いずれも、私たちの生命と生活に直結する問題だ。他人事では全くない。
ダイ改・労働強化と被曝労働強制は一体の攻撃だ。会社は乗務員も含めたJR全面外注化を狙っている。そのために労働組合そのものを会社から一掃することを狙っているのだ。
衆院選を前にして、民進党は改憲と核武装を掲げる小池の「希望の党」と合流した。昨日まで労働者の味方面をしていた連中が、自分たちの生き残りのために平気で裏切り労働者・労働組合を売り渡している。
組織の規模や、会社との「信頼関係」を頼みの綱にしてきた労働組合にとって、労働者の存在は組合幹部の権力の「後ろ盾」に過ぎない。だから常に「上から目線」で、裏切る時も簡単なのだ。現場の労働者自身の力で、闘う労働組合を打ち立てることが求められている。
史上最悪の運転士行路
10月ダイヤ改正は、歴史を画する大攻撃としてかけられている。特急車掌の一人乗務・ワンマンの拡大・入出区作業の全面的な構内移管(による本線運転士の効率向上)など、これらの道理もない準備もない無茶苦茶な合理化攻撃は、現場の労働者の反撃の行動と怒りの決起によって、ひとまず押し返すことができた。
しかし、9月15日から提示された運転士の乗務行路は、これまでに例を見ない、とんでもない労働強化・安全無視の行路であり史上最悪と言っても過言ではない。東労組は水面下で会社と折衝し修正することを模索しているが、現場労働者の力を背景にした闘いなしに小手先のやり方では通用しないことは明らかだ。
安全な運転は極めて困難
例えば、土浦運輸区の運転士行路では、一度乗り出したら3時間乗りっぱなしのような仕事が大幅に増える。これまでタブーとされてきた土浦→上野即折り→土浦、上野→土浦即折り→上野、土浦→水戸即折り→上野、上野→品川回し→水戸・勝田、上野→品川回し→土浦即折り→上野など。品川出区→勝田という超ロングもある。土浦の行路数が日勤・泊行路合わせて29本のうち、13本もこうした長時間乗務があることになる。
運転士の乗務労働というのは、運転士の技術・経験と注意力のみを頼りに、各駅両数の違いもある停止位置に合わせて停車ブレーキを扱い、制限速度を守り、なおかつ定時運転につとめるものだ。踏切や設備の状況も一瞬で見きわめ異常を見つける。ときには車両や車内のトラブル、人身事故や荒天時の規制運転などいつ何時でもベストの力を発揮することが求められている。それに加え最近はスマホやビデオで始終「監視」され、運転席に座ったら片時も息を抜くこともできない。
だからこそ、乗務行路は「安全に集中して運転できるか」ということがすべての前提でなければならない。その観点から従来は3時間も乗りっぱなしとなる行路は極力避けるよう作成されてきた。今回のダイ改は、度を越えた会社の踏み込みだ。
さらに、行き先での乗務していない時間(休憩時間)がこれまでよりもさらに短くなっている。ろくな休憩もとれずに、長時間乗りっぱなしの乗務が当たり前になったらどうなるのか。会社は9月25日の団交で「規程(乗務割交番作成規程)内で作っているので安全でないとは思わない」と言い放った。運転士が毎日毎夜どんな思いで運転しているのかまったくわかっていない。こんなことを言わせておいていいのか!
また、ダイヤ改正に伴う教育・訓練もずさんだ。土浦では尾久→上野地平への列車を初めて担当するが、従来行ってきた「線見訓練」(ハンドル訓練)は行わず、その区間のビデオを見ただけでぶっつけ本番で乗務させるという(指導員は添乗)。訓練の軽視は安全の軽視だ。「時間がない」では済まされない。
自分と仲間の力を最大限に引き出せる組合に結集しよう
こうしたダイ改攻撃の背景には、安倍政権の「働き方改革」がある。この骨子は長い年月の中で労働者の血と汗で勝ち取ってきた労働法(労働基準法や雇用安定法など)の概念を打ち壊して生産性を上げるために、労働時間や残業の規制を撤廃するものだ。
それだけにとどまらず、労働条件は労組VS会社から個人と会社の個人契約の関係に落とし込めようとしている、さらに雇用関係さえない労働のあり方までもが検討されている。
安倍政権は、戦争を実際にやる国家にするために、労働者の権利を徹底的に奪いつくすことに本腰を入れている。
JRはその急先鋒として、これまでと明確に違うやり方でこのダイ改攻撃もしかけてきているのではないか。突然特急車掌の1人乗務をやろうとしたり(実は品川増発分の車掌の要員が足りなかったから!)、組合との交渉の経緯をまったく無視したり、明らかに会社の態度は一変している。職場の誰もが実感しているように、会社と我々労働者の関係は非和解の関係に入ったということだ。
「必要な効率化は認め、会社のパートナーとして」などという「組合」に自分たちの将来をゆだねられるのか。大切なことは、労働者は団結すること、団結した力こそがすべてを決することに確信を持ち、信頼できる労働組合に結集して闘うことではないか。ストライキで闘える動労総連合・動労水戸に結集しよう。