福島第1原発地元の大熊町、来年5月にも避難指示一部解除へ
東京電力福島第1原発事故後、全町避難が続く福島県大熊町は来年5月、同町大川原地区で町役場新庁舎の業務を開始する。これに伴い同地区と隣接の中屋敷地区の避難指示を、早ければ同月中にも解除させたい考え。第1原発立地自治体で事故後、初めての住民帰還に道が開かれる。 現在、同町は会津若松、いわき両市に出張所を置くほか、一時帰宅者を対象として町内に連絡事務所を開くなどしている。町は南相馬市で13日に開いた住民との懇談会で、建設中の役場新庁舎を来年3月に完成させ、4月に開庁式を行った上で、5月の連休明けに本格始動させる方針を示した。町としては、その後、避難指示解除に入りたい意向で、大川原地区の災害公営住宅も6月に入居を開始する予定。
両地区の面積は町の9%に当たる7.01平方キロ。10月末現在、140世帯377人が住民登録しており、全町民の3%程度が解除の対象となる見込み。
今後、町当局と町議会、地域の行政区長会などが協議し、住民説明会に諮って避難指示解除の時期を固める。正式な期日については国と協議の上で決めるとしている。両地区では4月以降、町民の自宅宿泊を可能にするなど、帰還に向けた取り組みを進めている。