3・16ダイヤ改正の団体交渉やりました。

動労水戸は2月15日に、3月ダイヤ改正の第1回目の団体交渉を行いました。今回はダイヤ改正全体についての交渉でした。

まず昨年10月の「特急車掌1人乗務及び水郡線ワンマン運転」のダイヤ改正での改善策を要求しました。

「特急車掌1人乗務」について会社は、「車内を回れなかった報告は非常に少ない。今回も1人乗務は提示した通り」と問題が無いと主張しました。

組合からは「回れているというのは特別改札がいてのこと。改札行路を定期で付けるべきだ」と要求すると、会社は「提示した通り」と拒否しました。

水郡線ワンマン運転では組合から「利用者は困っている。車内での転倒事故も起きた。利用者に負担をかけていると思わないのか」と質問しました。

会社は「人それぞれの判断。問題ない」と切り捨て、「水郡線をいかに存続するのかを検討している。列車削減は利用状況をみて提案している」との回答でした。

不便な上に、不正乗車を横行させて水郡線を存続させるという理屈がどうしたら成り立つのでしょうか?



(懐かしの653系フレッシュひたち!国分勝之撮影)

次に今回のダイヤ改正での「多様な働き方の実現」についてです。

会社は「社員と話をして作成している。育児介護以外は今後出てくるかもしれない。発生したら改正を待たずに作っていく」とし、今回の提案は行路作成の時点から分割できるものになっていることを明らかにしました。


しかしその結果は、とてつもない過重な行路の提案です。会社はその理由として「効率性を重視して作った」と答えています。

組合が「安全に運転できるかも怪しいものが効率的なのか?」と追及すると、「結果的に在宅時間が度返しになったと言えるかもしれない」と開き直りました。

そして「会社としてどうやって生き残るのか、多様な働き方をどうやって作るのかを加味して提示している」と、労働者の生活や安全よりも会社の生き残り優先で、さらなる労働強化を狙っていることも明らかになりました。

これで終わりではないのです。

さらに今回のダイヤ改正で会社は「社員の意見を集約して作っていく」としています。これについては「現場で計画助役が中心になって、社員を集めて中身を検討して提案した」と答えました。

しかし、現場でこんな事実は無いのです。これを追及すると、「やり方は各区の判断で、管理者が指定した者の意見を集約している。これが最善」だとして、社員の意見など聞くつもりは、全くないこともはっきりとしました。


(国分勝之撮影)

また、過重な労働強化の提案で起きかねない乗務員の居眠り事故防止対策と、乗務員室監視カメラ設置中止を要求しました。

居眠り事故防止対策では、会社は通達で指導を行っているとし、「乗務に望む姿勢として出している」と、すべての責任は乗務員にあると言わんばかりの回答です。

そのうえで「行路で在宅休養時間の改善を図っている」と、提案内容とは逆の回答を平然としています。

乗務員室の監視カメラ設置では、「乗務員室での盗難や新幹線の事件などから、乗務員と乗客の安全を守るため」と回答しています。

しかし、監視カメラは乗務員に大きな精神的負担になることは明らかです。

組合は「精神的負担をかけるべきではない。安全を言うならワンマン運転はやるべきではない」と要求しました。会社はそれには答えず、「不安を取り除くためにやっている」と居直りました。

最後に今回の提案の白紙撤回を要求しましたが、会社は「撤回する考えはない」と、強行する姿勢を明らかにしました。

今後さらに、各職場の行路の中身について具体的に追及し、要求していくことになります。皆さんの声を動労水戸にお寄ください。

動労水戸のストライキ「ショートストーリー」

今日は穏やかな一日になると良いですね。

若いみなさんは、ストライキと言うと、想像もつかないでしょうか?

動労水戸は、30年近く毎年ストライキをやって来ました。最初のストライキは、運転士や検修から外され直営売店等に配属された仲間を元の仕事に戻せ!という要求で闘いました。

最初は勝田駅ホームにあった売店で、たった一人の組合員(現在土浦運輸区にいる曲山さん)のストライキでした。

たった一人の組合員のストライキを、全組合員で闘いました。店は閉店になりましたが、JRに取って直接の打撃はほとんどありません。それでも大騒ぎになりました。

最初のストライキは、とても慎重にやりました。色んな準備をしました。でも、一番大切だったことは仲間が受けた仕打ちを曖昧にしないで、みんなで反撃したことにありました。

自分たちがどんなに小さく見えようと、仲間の辛さや、苦しさを曖昧にしない。負け犬にならない。そう言う気持ちでした。


(1993年勝田駅パン屋「モンタニエ」でのストライキ。勝田駅には、パン屋とホームに「ピッコロ」という売店に5名の組合員が配属されていました。)

動労水戸役員や組合員に対する、鉄道職場からの隔離は、それから20年も続きました。

裁判をやりながら、でも裁判所に任せてしまうのではなく、どんなに無力に見えようと「仲間を大切にする。仲間を守る。みんなで鉄道職場に復帰する。」ことを、具体的に労働組合としての正当な行動で示し続けました。


(水戸駅には水郡線ホームに「ルトラン水戸」と言う蕎麦屋があり、動労水戸組合員3人が配属されていました。1993年「動労水戸組合員を運転職場に戻せ!」と水戸駅改札口で抗議行動を行ないました。)

ですから、動労水戸のストライキは、まず仲間を、組合員を守るためのストライキです。

動労水戸組合員は、JR東日本の社員でしたが関連事業に置かれて20年以上社員扱いされませんでした。全員20代も、20年経てば全員40代です。

全面外注化と共に関連事業の再編を狙い、裁判に全敗したJR東日本は、動労水戸組合員を運転職場に戻すことになりました。

40代になっても、検査や修繕の仕事をやったことがない。若い平成採用の人たちに、一から仕事を学ぶことになりました。

そんな事情も知らない青年に、屈辱的な目にあわされながら、しかし仕事を覚えないことには通用しない。

何人かの動労水戸組合員は、数年で後輩たちに仕事を教える存在になりました。

全員運転職場に復帰した動労水戸の要求は、仲間を守ることを軸にしながら、職場全体の利益のために闘うことに変わって行きました。



特に2011年東日本大震災と原発事故を受けて、根本転換します。

避難している社員への無理な出勤命令に、ストライキを構えて阻止したことを皮切りに、被曝労働から職場のみんなを守る闘いとして闘って来ました。

しかし、動労水戸組合員は例えば午後半日のストライキに入る場合、職場の仲間や後輩になるべく仕事を残さない様にして来ました。

ストライキは、本来労働が生産を止めることで会社に自分たちの要求を認めさせて行くのですが、例え所属組合が違っても仲間には迷惑をかけない。そう言うストライキを貫いて来ました。

だから、ストライキに入るより仕事をしていた方が楽だという組合員もいます。

楽をして、ずるをしたいからストライキをしているのではなく、現状をみんなで変えたいから闘っています。



ライフサイクル反対!を貫き、ストライキで闘った會澤憲一さんが、3月1日付で大子運輸科の運転士に復帰することが決まりました。


一人ひとりの力は小さいかもしれない。しかし、一人ひとりの力を持ち寄った積み重ねはどんなに困難に見えることでも変えることが出来るのだと確信します! 

近づく春休みとJRダイヤ改正。

受験生は、ヤマ場でしょうか?

みなさん3月から4月、春休みが楽しみですね。


青春18キップでゆっくり知人のいる北海道へでもどうか?と調べました。

ところが青森~函館間では使えないことが分かりました。

しかも、新幹線が通ってから、在来特急も無くなり値段が高くなった。

うーん。地元の人が使えなくなって、北海道はますます遠くなり、住み難くはならないのでしょうか?と改めて考えてしまいました。

(国分勝之写真展。春らしく菜の花畠を走る415系K510電車。)

さて春休み直前のJR東日本の3月16日のダイヤ改正。やはり大きく変わるのが中央線です。

  • 塩山・山梨市・石和温泉の3駅は全ての「あずさ」が通過、停車するのは「かいじ」のみ
  • 三鷹駅はすべての特急列車が通過
  • 下諏訪・富士見の両駅に停車する「あずさ」の数が激減、停車するのは朝・夕夜間の2往復のみ
  • 韮崎・上諏訪・岡谷・塩尻に停車する「あずさ」も微減

全体的に、停車駅が少なくなっていて自治体から「死活問題」として抗議の声が上がっています。

常磐線特急と同じ「新乗車システム」で自由席を無くし、全席指定になり実質料金値上げ。いずれ車掌も一人乗務にされます。

運転士の行路もとことん延ばされます。労働者には、非人間的な労働を強制し、地域住民は切り捨ててもJR東日本が繁栄すれば良い。


(レンゲソウの中を走る415系電車。国分勝之撮影。)

春休みを楽しみにしている鉄道ファンのみなさんは、どう思いますか?

みなさんのご意見もお願いします。



「社友会」に入っている青年の意見。

職場から報告が届きました。

「社友会」に入っている青年の一人からの意見です。

「これからのJRの中でどう生きようと考えてるのかな?」と問いかけて見ました。

彼は、「これから車掌をやっていくとか運転士をやっていくという感じではありません。運転士のあとに支社に行ったり管理者になっていく感じです。」

「(動労水戸の)みなさんたちが言う労働の誇りというのは持てないです。」と返してくれました。

これも現実に置かれた青年の素直な気持ちだと思います。


(鉄道人生の最後に、動労水戸に入ってストライキに立ち上がった白土先輩のラストラン。2002年。)

車掌でも運転士でも、自分の仕事に誇りは持てないというのも率直な気持ちだと思います。

運転職場以外は、どんどん外注化が進みJR本体から切り離されています。JRというロゴは入っていても、JRの労働者ではない。

より低賃金で、無権利な労働者に置き換えられています。それを利用者は知りませんので、JR社員と同じ責任を要求しますし、実際に何かあれば責任を取らされます。

するとJR本体は、責任を労働者やグループ企業に取らせて、金儲けに専念すれば良いことになります。巨大な資金がJR本体に集中し、巨大な投資が可能になるのです。

とても良く出来た話です。企業が巨大に繁栄するほど、それに圧倒されて一人ひとりの労働者の存在は、どんどん小さく見えて行きます。


(勝田運輸区旧庁舎前。2001年にストライキをやりました。国分さんがアピールしています。)

しかし、どんなに小さく見えても、一人ひとりの労働者が生きて、働くことがなければ何一つ動かないことも真実です。

そして、人間は決して一人では生きられないのです。良い日もあれば、良くない日もある。元気な時もあれば、体調の悪い日や、落ち込む時もあります。

絶頂期にある池江璃花子選手だって、白血病になる。それが生きているということだと思います。

その時、一番うれしいこと。絶望しないで生きようと思えることは何でしょうか?

たった一人でも良い。うれしいことだけでなく、悲しいことも、苦しいことも、自分を理解してくれる友達がいることではないでしょうか。


(2000年。白土先輩とみんなで旅行に行きました。日光「吹き割りの滝」。)

動労水戸組合員は、国鉄分割・民営化に反対して新しい労働組合を作った時「全員クビになる」と言われました。

40人足らずで、全員20代でした。その時「例えクビになっても、この仲間だったら一生涯の付き合いができる。一緒に生きていける。」だから「恐れるものは無い。恐れるべきは仲間の信頼を失うことだ。」と考えました。

その時は、その時で大変な時代でしたが、「おかしいことはおかしい!」と闘うだけでなく、仲間と良く遊び、良く学び、お互いの信頼を深めて来ました。

仲間の大切さ。それが労働組合の基盤だと思います。そこをしっかり貫くことで労働組合は、働く人の本当の希望になるのではないでしょうか。


ハッピーバレンタイン!

若いみなさんに取って楽しい日になると良いですね。

キリスト教では、聖バレンティウスの殉教の日とのこと。ローマ帝国で、皇帝の命令に逆らって兵士の婚姻を認めたことで処刑された司教の追悼から、愛の告白の日になったそうですね。

大昔から、人間の自由をめぐる闘いがあったのではないでしょうか。



(甘いものが苦手な人には、こんなプレゼントもあります。)

昨日は、日本がどんな国なのかを表しているのが「日本国憲法」だとお伝えしました。

そして、全ての国民には自由や平等という基本的人権があると書かれているけれど、資本主義を守る憲法であること。

たから、資本家に提供された仕事に従事するしかない労働者の人間としての自由なんて、労働組合で団結して闘わずには現実には無いことを明らかにして来ました。


(世界に冠たる日本の米軍基地。その75%が沖縄に。普天間基地のオスプレイ。)


(事故の収束?デブリも、放射性廃棄物も、汚染水も何の目処も立っていません。)

さて、沖縄県民がいい加減にしてくれという米軍基地。国民全体がもう要らないと言っている原発。

この国の主権が、国民にあるとしながら資本家や株主以外の利益を無視する構造には、日本国憲法の上に「日米安保条約」をおいていることがあります。

★「安保条約のもとでは、日本政府とのいかなる相談もなしに…米軍を使うことができる」

★「(原子力利用)の安全の確保については…わが国の安全保障に資することを目的として行う」(原子力基本法)

つまり日米安保条約を憲法の上におくことで、米軍基地や原発の問題について「憲法判断をしない」ことで、日本の政府や政治家は自分たちの責任を逃げて来たのです。

私たち労働者の自由や人権について、憲法で建前ではあるとしながら、働く場では奪い、生活の場でも「安全保障」の名目で自由も人権も無視できるとして来たのです。

嘘で塗り固めて来たのです。


こうして沖縄基地(全ての基地)と原発は、何より私たち労働者の人間としての自由を根本から破壊しています。このことをしっかり見据えなければなりません。


(見事に咲く花桃を横目に130k/hで駆けぬける651スーパーひたち。この数年後背景のこんもりした神社な杉の木が架線に倒れかかり大惨事となった。友部ー内原  国分勝之撮影。)

私たちは、職場での自由や誇りを人として生きるために曖昧にしてはなりません。それは、仲間の自由や誇りを守り、その身になって考えるということと同じです。

人間らしく生きるためには、職場と生活の場は分離できませんね。

だから労働組合は、職場で組合員を守ると共に、生活する場の自由と権利についても一体で取り組まないならば、言っていることが半端になってしまうのです。

私たちは、人間の自由、誇りを守り、お互いに尊敬できる社会を作るために闘っています。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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