動労水戸ブログ
悲しみは半分に、喜びは倍になる仲間
昨日、安倍首相がスーツ姿で福島第一原発を訪れて「安全安心」をアピールしました。そして本日は、3号機から燃料の取り出しが始まるというニュースが流されました。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20190415/amp/k10011884071000.html%3Fusqp%3Dmq331AQPCAEoAZgBtKXy8427zMwe
さて、いつまた臨界に達するか分からず、冷却し続けなければならない燃料の一部を取り出し別のところに移動することがどうして「安全安心」で復興への道なのか?
良く考えれば、ただ目をそらすためのキャンペーンに過ぎないことが分かると思います。実際、アメリカのスリーマイル原発事故から40年経ちますが、今なお燃料デブリは厳重な管理下にあります。捨てることさえできないのです。
移動しても何の解決にもなりません。汚染水が増え続けるだけですが、危険と矛盾が拡大しないのか?
原発安全神話の後は、風評被害キャンペーン、そして安全安心キャンペーン。JRは、その政府と一体で常磐線の安全安心キャンペーンを行ない、ジョブローテーションに突進しているのです。
人間が生きる意味と労働組合の意義が深く問われていると思います。
(国分勝之撮影)
動労水戸を支持している韓国の友人の言葉です。
「大半の人は、感情で生きています。苦しみや悲しみが出発点です。だから苦しみや悲しみを知ってくれる人がいれば、生きられます。信頼できる仲間がいれば、苦しみは半分に、喜びは倍になる。だから労働組合には、義理と人情が大切なんです。」
安全安心キャンペーンの中でも、白血病やガンで苦しんでいる人がいます。精神や肉体が疲れきっている人もいます。
大切な人が不治の病になったり、苦しんでいる時に、その苦しみを思うことで時間の感覚も変わります。
人は自分にとらわれている時間よりも、大切な人のために生きる時に、自分が生きる意味を見つける様に思います。
(これも仲間との大切な時間)
そこにお金では買えない、人間の姿があるのではないでしょうか?資本やお金の支配との闘いは、何か難しい主張の中にではなく日常の人と人との関係の中にあるのだと思います。
労働組合は、資本との闘いを通して労働を人間自身に奪還し、本当の共同性を築きあげようとしているのだと思います。
労働組合を現場労働者の手に取り戻しましょう!
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2019/04/15 Mon.
やはり限界を超えている!オーバーランの続発
昨日も常磐線柏駅でオーバーランが起きてしまいました。原因は睡魔だということです。
ダイヤ改正以降、JR東日本では毎週のようにオーバーランが起きています。
この事態をジャーナリストの田中龍作氏が取り上げています。以下はその内容です。
(国分勝之撮影)
「大事故の前兆」JR東日本の合理化と労働強化、睡魔でオーバーラン多発
乗客乗員107名の命を奪ったJR福知山線の大事故(2005年)が再び起きるのではないか・・・悪夢がJR東日本の乗務員を苛んでいる。合理化による労働強化のため、疲労した運転士が睡魔に襲われながらハンドルを握っているというのだ。…
3月のダイヤ改正に伴う合理化により東京支社だけで、ちょうど100名の乗務員が削減されたという。…
詰め所と呼ばれる乗務員たちの休憩室に会社側の監視カメラが置かれるようになった。心身を休める場所なのに、当局から見張られるのである。…
合理化、労働強化に「組合潰し」は避けて通れない。
会社側はアメと鞭で組合員に脱退を迫った。アメは「脱退すれば転勤の願いをかなえてやる」。鞭は「脱退しないと仕事につけないぞ」などだ。
アメも甘くはない。昨年11月から希望の部署でインターンシップ研修があった。28才の車掌が総務部人事課で研修を受けた。職種がなじまなかったのか。うつ状態となり12月下旬から休職状態となった。
3月11日、復職を目指して管理職との面談を終え、車掌の仲間には「復職します」と宣言していた。
それからわずか2日後、自宅で死亡した。会社の発表は病死だった。…
JR東日本では「新たなジョブローテーション」と称して運転士と車掌と駅員の区別をなくす。
多種の仕事をこなさなければならなくなると、一つの仕事がおろそかになる。運転士がそうなると、乗客の安全がおろそかになる。危険である。…
経営側が英語をまじえたネーミングで職場改革を持ち出してくるときは、必ずといってよいほど、合理化と労働強化が潜む。
雇用を守らなければ、我々国民の足であるJRの安全性が危うくなる。
そう主張しています。
(国分勝之撮影)
ダイヤ改正からわずか1ヶ月で多くの事故が続いています。労働強化による睡魔にも、ガムを噛んだり、コーヒーを飲むことも許されない環境です。さらには折り返しでトイレに行く時間さえ確保されていません。
乗客の命を預かる運転士は、列車に乗る前に万全な状態にしたいと望んでいます。これを許さないのが3月ダイヤ改正であり、これに従順になることを求めるのが「ジョブローテーション」です。これを「労働組合潰し」で進めるのがJR東日本です。
ここに社会の未来や労働者の未来などあるのでしょうか。労働組合が潰されなければ、未来を切り開けると思います。くじけることなく一緒に立ち向かいましょう。
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2019/04/14 Sun.
いざとなれば金と数の力を越える人間関係
みなさん異例に寒い日が続きましたが、今日は快晴。良い週末になることを祈ります。
動労水戸は、来週16日11時からJR東日本の不当労働行為に対する最高裁判決履行を求める裁判が水戸地裁でありますが、職場で日夜働いています。
今日も疲れきった運転士のオーバーランがありました。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6320231
一体お金のために働くのか?より充実して生きるために働くのか?日々の中に埋もれていると、良く分からなくなってしまいますね。
ところで自分の大切な人が不慮の事故にあったり、不治の病にかかったりした時に人が生きる意味や大切なことがお金でも買えないことを思い知ります。生きていること、そして時間が永遠でないことを思い知るからです。
資本の論理は「お金で買えないものは無い」ですが、実は本当に大切な人間関係はお金に換えてはならない。お金では決算できないのです。
資本主義社会だから、お金が無いと何も調達できません。労働組合も組合員からの組合費で運営されます。
だから組織人員と財政力は組合の強さを示すバロメーターにもされます。数の力ということです。
(国分勝之撮影の水郡線)
しかし、もうひとつの真実は何十万人いても崩れる時は崩れるということです。だから数があれば良いということにもなりません。
金や数の論理は、資本の論理の枠内です。その中では、人間が商品化され手段にされます。それに対して、直接的人間関係を大切にすること。それが、人間集団としての労働組合の資本主義批判の原理だと思います。
真の目的が人として最も大切な関係を求めることなのに、正しい目的が掲げられることで人が手段とされる時、その集団は力を失い結局資本の論理に飲み込まれるのだと思います。
(まさか中央線の「新乗車システム」への批判をかわすためではないと思いますが「新宿~八王子間開業130年」イベントやってました。)
JRがむき出しの資本の論理を振りかざし、これまでの関係を破壊しようとしていることに対して、労働組合のリーダーほど、人の根本的関係と集団の力の原動力を解明しなければならないのだと思います。
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2019/04/13 Sat.
君を忘れない
今から32年前の4月1日に、国鉄からJRへの移行がありました。日本国有鉄道から、株式会社へ。公共交通から、利潤第一の民間会社への移行でした。
利潤を生まない労働ではなく、金を儲けることを第一とする意識改革へ。労働への誇りと仲間との協同を土台とする労働組合は、改革の敵だとされました。
JRに入ってまじめに車掌や運転士、あるいは検修の仕事の責任を果たして来た青年たちに、外注化やライフサイクルが進められて来ました。そのあげくに「ジョブローテーション」で「10年ごとの振り分け」をするというのです。
32年前にも、国鉄に入って給料は安いけどまじめに働けば安泰だと思っていた青年たちに「新会社に残れるかどうか?」の振り分けが行われました。
(国分勝之撮影)
国鉄分割民営化・新会社移行の前年9月に、水戸機関区(現水戸運輸区の前身)の27才の青年高野弘樹さんが、千波の独身寮から飛び降り自殺しました。国労の組合員でした。
高野さんの遺書には、国鉄分割民営化への抗議と「このままでは中曽根(当時の首相)の思うがままだ。」という失望がにじんでいました。
彼は自殺する前日、動労水戸組合員が隔離されていた「水戸駅北口駐車場(丸井跡地)」を訪ねて来ました。きっと水戸機関区の同僚だった動労水戸組合員に、最後のお別れに来たのだと思います。
その日のこと。翌日の自殺の衝撃をいまだに忘れることはありません。
会社(旧国鉄)は、新会社移行で悩んでいたのではなく「借金問題があった」と彼の死の抗議を低めました。
彼が生きていたことを忘れない。彼の死を無駄にしない。動労水戸は、その2ヶ月後の11月に全員青年部で結成したのです。
(君を忘れない。動労水戸の組合事務所には高野弘樹さんの遺影が今も飾られています。)
高野弘樹さんの実家は、南相馬だったはずです。震災と原発事故でどうなってしまったことでしょう。後を追うことも困難ですが、彼は彼を知る動労水戸組合員の中に生きています。
動労水戸の組合員が、簡単に折れないのは仲間と生きて来たことを大切にして、理不尽に奪われた命を胸に今を生きているからです。
人間はいずれ死にます。限りある命をどう生きるか。自分が生きていて、一番うれしいことは何か?信頼できる仲間がいること。仲間と心が触れ会い、熱い思いが込み上げる瞬間があること。
労働組合が違っても、高野弘樹さんを一人にしてしまったことを悔み、2度とそうしないことを誓って動労水戸の歴史を積み上げて来ました。
そのことが今ほど問われている時は無いと考えています。理不尽なことと闘うのは、仲間を守り一緒に生きるためです。その原点に帰ろう!
https://m.youtube.com/watch?v=Sme1ilzs4dA
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2019/04/12 Fri.
動労水戸執行委員会「新たなジョブローテーション」について議論
ところによっては大雪が降る寒い夜でしたが、動労水戸は執行委員会でした。
議論の中心は「新たなジョブローテーション」問題と常磐線全線開通問題でした。
JR東日本は、運転士、車掌の職名を廃止して、10年ごとに会社の都合で自由に配置転換する「新たなジョブローテーションの実施」を通告し、職場で一斉に説明会を行っています。
しかし、労働組合との協議もない一方的通告であるために、現場管理者でさえ分からない説明会ですから、質問には全く答えられない状態です。
さてこうした中で、3月16日ダイヤ改正から実施されている運転士に対する極限的労働時間の強制の中で、倒れる運転士が出て来ています。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-40291.html
職場では、東労組の青年を中心に「新たなジョブローテーション」について、真剣な議論が始まっています。
動労水戸としても本格的議論はこれからですが、執行委員会では基本的な考え方から議論が開始されました。
(国分勝之撮影)
まず「ジョブローテーション」の背景事情からです。
現在JR東日本の社員数は、55000人います。そのうち国鉄採用者は14500人で、4分の1になります。
この国鉄採用がいなくなり、40000人体制で回したいということが先にあります。
現場をどう回して行くか?ではなく40000人で回すことが先にある。
そして、この40000人は鉄道事業に従事させるのかと言えば、鉄道事業そのものは急激にグループ企業に外注化していますのでそうではありません。
既に施設関係、駅関係は全面外注化が進んでいます。検修関係もグループ企業への再編統合が始まっています。
すると、言わば鉄道事業のグループ企業への完全再編(外注化)の最後の砦が運転士と車掌ということになります。
(国分勝之撮影)
どこまで実現が可能で、安全が確保されるかは別にして運転士と車掌の同一化や無人運転など外注化は、人減らしと一体で進みます。
しかも10年ごとに配置が見直され、その度に選別される。会社のためにつくさない労働者は「任用の基準」というブラックな基準で「出向・転籍」に出され排除されることになります。
そして、生きのこりをかけて会社に運命を託した人を待ち受けているのは「高度プロフェッショナル制度」です。労働時間規制の適用が除外され、残業代ゼロが待ち受けているのです。
甘くは無いということです。深澤社長が求める変革とは「真面目にやっているだけの社員ではダメだ。利益を出すために全てを投げ出さないと生きのこれない。」ということです。
それを邪魔する奴は許さないと、厳しく言っていますね。カルロス・ゴーンではありませんが、社長ですら一寸先は闇なんでしょうか?
しかし、JR本体の労働者には、10年ごとの選別に震えながら「追い出されるか?死ぬまで働くか?」こんな選択の道しかないのでしょうか?
実はもうひとつあります。意に添わないことに従わない自由です。それは、労働組合を通して貫くことができます。
東労組に残り奮闘している青年たちの姿は、国鉄採用の先輩たちの心も揺り動かしはじめています。
深い労働者の怒りや思いが、青年たちの奮闘でひとつになりはじめているのです。
ところで東労組東京地本は「新たなジョブローテーション」は「ライフサイクル制度を否定」したから良くないと主張しています。本当にそうなんでしょうか?
ライフサイクル制度に、青年たちは怒りと不満があったのではないですか?深澤社長が、退路を断って変革すると言っていることに対して「昔の関係に戻せ」と言う主張では弱いし、脱退した青年たちは戻らないのではないでしょうか?
会社あっての労働組合なのか?本当は、労働者が働いて成り立つのが、会社なのです。そこんところで労働組合が折れてしまうと、勝負にならないのだと思います。
とても大事なところが来ていると思います。悩みながら、問題の本質と自分たちが進むべき道をみんなでハッキリさせて行く。JRの青年たちの選択が、全体を引き寄せる時代が来ていると確信します。
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