9月26日に東京高等裁判所において、動労水戸に対するJR東日本の不当労働行為の損害賠償を求める裁判の控訴審判決がありありました。
この控訴審は、一審の水戸地裁が損害賠償の一部として慰謝料の支払いをJR東日本に命じたことに対し、JR東日本がこれを不服として控訴した裁判です。
東京高裁の判決では、JR東日本の主張は「実質的に原審(一審)における主張を繰り返すものであるなど、(中略)認定判断を左右するに足りるものとは認められない」として一審判決を支持し、JR東日本の控訴を棄却しました。動労水戸としては、この判決を、極めて当然のものとして受け止めています。
JR東日本の労務政策は、国鉄分割民営化反対を貫く労働組合破壊に始まり、今日ではすべての労働組合を解体することを目指しています。「柔軟な働きかた」によって業務の細分化と融合がさらに推し進められ、労働者の権利や仕事への誇りなど、微塵も無くなろうとしています。
しかし、こうした状況でも、多くの現場労働者が仲間との団結を守り、公共交通である鉄道の安全を守り抜いて生きていこうとしています。JR東日本は、こうした労働者を敵視し強制配転や昇進(賃金)差別をしているのです。
動労水戸が闘ってきたこの裁判は、組合員の損害を取り戻すことはもとより、今日の現状に苦しめられる労働者に、団結を崩さなければ道は切り開けることを示すためでした。今回の判決は、そのための一つの力になると受けとめています。