労働者のための労働組合を

   3月は、JR東日本の各職場で「労働者代表(過半数代表)選挙」が行われました。その中で水戸支社では、水戸運輸区、勝田運輸区で、東労組から分裂した輸送サービス労組の候補者が当選しました。会社側の職場支配を打ち破る勝利だと思います。
(国分勝之撮影)


   JR東日本、会社から労働組合を無くすために、労働組合解体を続けています。その目的は、労働組合との合意無しに就業規則や合理化施策を進めることです。その労使合意を労働者代表との間で進めようとしています。
   経団連では、「労働法規委員会」というものが設置されています。これは、労働組合との合意無しに就業規則の変更ができるように、法整備しようという委員会です。この委員会の会長がJR東日本の冨田会長です。労働組合の無い会社を全国に拡大し、労働組合の無い社会にしていこうとしています。この行き着く先は、労働者の無権利であり、低賃金と長時間労働ではないでしょうか。


(国分勝之撮影)

   一方で、これまでの労働組合は労働者にどのように認識されてきたでしょうか。多くは「どうせ会社の言う通りに決めてしまう」という、労働者が信用する事ができないものになっているのではないでしょうか。さらには、労働者の考えを無視して「執行部が決めた方針を押し付けるもの」と捉えられてきたのではないでしょうか。
   現場組合員を無視して会社と上手くやってきた結果が、過労死やワーキングプアに労働者をつきおとしてきたと思います。

   こうした労働組合に対する認識に対して、今回の労働者代表選挙は大きな転換を切り開いたと思います。会社の労働組合解体攻撃に対して、現場の労働者が立ち向かった。その中で勝利した。現場の労働者が主人公になることで、組合員も非組合員も立ち向かった。労働者の本当の団結が示されたと思います。


(3月ダイ改・常磐線全線開通反対の行動を報じる『東京新聞』)

   動労水戸もこれまでの労働組合のあり方を見直し、労働者が主人公の労働組合を作っていきたいと思います。
   激動の時代は、労働者が生きていくための本当の団結が作れるのではないでしょうか。
   「たかが労働者。されど労働者」です。社会を動かす労働者が団結ら、社会は変えられるはずです。

会社は労働者の命を守れ❗️

 動労水戸は3月13日、常磐線全線開通と被ばく労働に反対して、ストライキと勝田車両センター前行動を行ないました。
 今回の行動は、全線開通によって引き起こされるのは列車への放射性物質の付着に対して、車両の放射線量測定と作業での防護対策を求めたものです。


(出勤する労働者にビラを渡す組合員)

 朝7時半からは、車両センターの組合員総出でビラ配布を行ないました。出勤してきた労働者は、職場の仲間が差し出すビラを、言葉を交わしながら受け取ってくれました。

 
(前日の団交の報告や付着した放射能の高さを記したた朝ビラ)

 11時からは動労千葉の仲間たちも加わって、車両センターの労働者に、一緒に声をあげて命を守ろうと訴えました。木村委員長は、「放射能問題は何十年にもわたって続きます。何よりも命を守るための防護対策が必要です。いろんな立場があっても一緒に要求していきましょう」と訴えました。


(動労千葉の青年労働者も応援に駆けつけてアピール)

 12時になると午前中の仕事からあがった組合員たちが、車両センターの中から門前行動を見守りました。フェンスで仕切られてはいても、仲間を守ろうという同じ思いで関わりました。


(昼休み・敷地内から門前行動を見守る組合員)

 新型コロナウィルス対策も含めて、JRもグループ会社のMTSも、まともな防護対策をとっているとは思えません。こんな会社であるからこそ、現場労働者自らの声で労働者の安全を確保させなければならないと思います。労働者には安全に働く権利があり、会社は安全に働かせる義務があります。会社に言われたらそれで終わりではなく、「おかしいものはおかしい」の声を、職場の当たり前のことにしていけたらと思います。そういう声を、すべての職場に広げていきましょう。動労水戸はそのために、会社に何度でも要求を突きつけていきます。みんなで命を守らせましょう。

いたるところに命の危険が‼️

   3月6日早朝、水郡線川辺沖ー泉郷間において、線路内に倒れていた木に列車が衝突する事故がありました。さいわい、乗客・乗務員にケガはありませんでしたが、前面ガラスに木が突き刺さるという、あわや命を奪われかねない事態でした。


(JR西日本 芸備線 東城ー備後八幡駅間 脱線事故)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000178440.html

   また、3月9日にはJR西日本の芸備線では、流れ込んだ土砂に列車が乗り上げて、脱線・横転する事故も起きています。こちらも乗務員の命が危険にさらされました。

   なぜこうした事態が頻発するのでしょうか。私たちはこの根本が、会社の利益を上げるための無責任な施策があると見ています。

   水郡線の事態に関しては、JR水戸支社は2018年7月から、「保線部門におけるメンテナンス体制の最適化2020」施策を実施しています。これは将来にわたってメンテナンス体制を維持するために、効率的な仕組みによる生産性の高い業務執行体制をパートナー会社と一体で構築するものです。
   この中での「閑散線区の保守業務見直し」では、現在移管している業務に加えて修繕要否の判断を含む軌道の検査および修繕をパートナー会社で実施するとしています。そのうえで、設備管理に対する最終的な判断は、当社が実施するとしています。水郡線はこの対象線区です。


(前面ガラス修理中=水郡線営業所)

   これは保守部門の施策となっていますが、設備関係の業務は同じことだと思います。実際、線路の工事も沿線の整備も、ほぼ同じパートナー会社が行なっています。

   ところでパートナー会社は、委託を受けているとはいっても、「
ここは危ない」として自由に業務ができるのでしょうか。基本的には起こってしまったことに対処するだけのように思います。JRは自らは現場で作業作業することもせず、生産性向上のためにパートナー会社の低賃金の労働者を働かせているのではないでしょうか。こうした構造が、鉄道の危険性を高め、乗客・乗務員を危険にさらしていると思います。こうしたあり方にJRの無責任さを感じないわけには行きません。

   3月ダイヤ改正で強行されようとしている常磐線の全線開通も、同じ構造だと思います。「国が安全だから」と言って責任を放棄し、危険かもしれない業務をさせようとしています。
   会社の無責任さは、常に労働者の命を危険にさらしている。日々の仕事の中で、そういうことを痛感します。命を守るために、こんなあり方を変えていきましょう。


常磐線全線開通反対で記者会見

   新型コロナウイルスの猛威が連日報道されています。防ぐことが困難な、大変な事態だと思います。安倍首相は「学校休校」の要請を打ち出しましたが、保護者の方々が大変困惑しています。生活のためには簡単に休むことができない方が沢山いるからです。そんなことにお構いなしに要請を出した安倍首相に、本当に怒りを覚えます。この要請は、世界中からの批判から、安倍首相自身を守るアピールではないでしょうか。



   もう一方で安倍首相は、福島第一原発事故からの復興をアピールするために、常磐線を全線開通させようとしています。JR東日本はこの意向を受けて、3月ダイヤ改正で人の住めない地域に列車を走らせようとしています。
   動労水戸は、労働者や避難者の命を無視して無責任なアピールの常磐線全線開通に反対して、2月28日に記者会見を行いました。



   鉄道労働者として、常磐線全線開通は成し遂げたいことではあります。しかし、今回開通させようとしている区間はいまだに放射線量が高く、避難者が戻れないところです。そこに列車を走らせれば、放射性物質が列車に付着し、乗務員にも検修の労働者にも被ばくが強制されます。こんな犠牲の上に全線開通させることは、労働者を守るべき労働組合として認めることはできません。

   記者会見には、東京・朝日・読売・茨城の各新聞社の記者が参加してくれました。動労水戸からの説明に対して、記者からは電車の床下機器の構造や、車両に付着した放射性物質のデータについての質問がされました。

   こんな大変な事態である全線開通を、JR東日本が急ぐ理由はなんでしょうか?
   安倍首相の意向に従い、嘘を言って招致したオリンピックまでに、原発事故からの復興をアピールするためであることは明らかです。
   実際には、溶け落ちた核燃料の取り出しは先送りされており、福島第一原発の危険性はこれからです。さらに汚染土に埋め尽くされそうな大熊町など、避難者が戻れるような状態ではありません。それでも列車を走らせるのは、労働者や避難者に諦めを強制し、国の命令に従わせることだと思います。



   動労水戸は、これから何十年にもわたって放射性物質と関わらざるをえない労働者の未来を放っておくことはできません。労働者と住民の命を守るために、これからも全線開通反対を続けていきます。
   国やJR東日本の被ばくの強制に対して、諦めない声をみんなであげていきましょう。


https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/202002/CK2020022902000138.html

労働者代表選挙への不当介入!

   JR水戸支社の運転職場では、次の労働者代表選挙がはじまっています。動労水戸からの候補者、輸送サービス労組の候補者、会社側の候補者などからの立候補が出ています。

   この立候補と同時に、水戸支社・松本総務部長の「過半数代表者選挙について」という掲示も出されています。
   皆さん。これはおかしな事ではないでしょうか?各事業所の過半数代表を決めることに、事業所とは関係のない水戸支社総務部長が、意見を出しているのです。このこと自体が、会社による不当介入だと思います。
   その中身たるや、冒頭で過半数代表選出の主旨を述べて、「会社は公正かつ適正に」などと述べています。しかし、この選挙で混乱でも起こっているならまだしも、選挙をやる前から会社が意見を挟むのは、まさしく不当介入と言うしかありません。
   さらにこの掲示では、終わりに「気がかりなことがありましたら、現場長、管理者に相談してください」とあります。
   これもおかしな話で、候補者には管理者の方もいます。そうした方たちに相談することを訴えることは、職場の労働者の考えを押さえつけることではないでしょうか?



   JRの過半数代表選挙は、これまでも会社が抑圧した中で行われてきました。グループ会社のMTSでも、「委任状」への署名という形で、過半数代表が決められています。

   会社がこうしたやり方を取るのは、労働者の怒りを恐れているからだと思います。ダイヤ改正のたびに仕事がきつくなり要員が削減され、低賃金のままでこき使われることへの怒りは、職場の中に渦巻いています。これを押さえつけるために、こんな選挙のやり方をしているのです。


(それぞれの職場「右=水郡線営業所で木村郁夫委員長・左=勝田運輸区で国分勝之副委員長」で立候補)

   職場の現状を変えられるのは、私たち職場の労働者自身です。まわりの労働者を信頼し、みんなで職場を変える声をあげていきましょう。

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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