ダウンロード 仲間を見殺しにできるか!平成採運転士・羽部圭介君が訴える
5月10日試運転強行にいわきで抗議行動に起つ JR水戸支社は、常磐線広野~竜田の運転再開に向けて、5月10日試運転、11日からは乗務員の訓練運転を開始しました。
これに対して私たち動労水戸は、5月10日、組合員の仲間がストに入りいわきに結集し、全国から結集した仲間と共に、いわき駅前で宣伝活動を行いました。いわき運輸区前では会社に対する抗議と、乗務員の仲間への激励の訴えを行ってきました。
翌5月11日の朝日新聞は、抗議行動の様子を写真と石井委員長のコメント付きで報道しました。また、いわきに避難している楢葉町の住民の方々からも、私たちの行動への支持や激励が届いています。
会社は社員も乗客も守ろうとしない これに先立つ5月9日、JR水戸支社との団交が行われましたが、会社は現状の認識について、なんと「原発と周辺の放射能は安定した状態にある」と、線路は復旧工事と除染を行い「放射線量は現在運転している区間と同程度(毎時0・21~0・23マイクロシーベルト)となったから問題ない」と回答しました。しかし、組合側が「健康被害は絶対に起こらないと言い切れるか」と追及すると黙ってしまいました。
さらに会社は、「乗務員には積算線量計を必ず所持させ、そのデータは会社が永久保管する」との考えを示しましたが、被ばくの上限値はと追及すると「年間では20ミリシーベルト、1日では1ミリシーベルト」と回答、何の安全対策にもなっていないと反論すると、会社は「危ないところだとは思っていない。不安解消のためにやる」と言うのです。不安解消のため?つまり「気休め」ということか!また、原発事故など不測の事態が起きたらどうするのか、乗務員に周知・訓練しないのかと質問すると「来週から検討する」として具体的な中身はいっさい出されませんでした。
皆さん!こんなことが許せますか。会社は危険だという認識をサラサラ持っていない。危険だと思っていない会社に社員や乗客を守ることなどできるはずがありません。
寝耳に水の「運行再開」に楢葉町民は怒りまた、私たちは楢葉町から避難している仮設住宅を訪れ住民の意見を聞いてきましたが、運行再開のことは誰も知りませんでした。
町民の方々の声です。
「鉄道が通れば楢葉に帰れという圧力になる」
「線量も高いままなのに、鉄道の再開も帰還も早急すぎる」
「今すぐ戻りたいという人はごく少数」
「帰町宣言も出ていないのに、どうして町長とJRは住民に内緒で決めたのか」
震災の年の10月に運行が再開された広野町でも、戻った住民は3割以下と聞いています。その多くは放射線量が高く危険だと感じているから帰らない、いや帰れないのが実情でしょう。
放射線被ばくは本当に恐ろしい。たとえ線量が低くても空気中のチリに付いた放射性物質を吸い込んで内部被ばくしたら、人体の細胞のごく至近距離からダメージを受け続け、破壊された遺伝子は復元できないため、被ばくした本人のみならず子や孫に至るまで健康被害の影響を受け続けるのです。
放射線被ばくに対する過小評価は断じて許されません。こんな運転再開は断じてするべきではありません。
今こそ奮起するとき 私たちと共に闘おう 放射線被ばくは一生の問題です。自分だけではない、子供の将来をも奪うのです。「しょうがない」とあきらめられるのでしょうか? おかしいことにはおかしい、間違っていることには間違っていると声を上げましょう。
楢葉町の帰町宣言に反対している住民は少なくありません。10日の抗議行動を通して、そうした住民の怒りとつながりながら鉄道で働く私たちが本気になって反対すれば、運転再開を阻むことは十分可能だという感触をつかむことができました。
運転再開に直接関係するいわき運輸区の皆さん。それを取り巻くすべての仲間の皆さん。自らの労組はどう闘うのか。ためらっている暇はありません。動労水戸と共に闘いましょう!