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支社団交で運転士A君の乗務停止問題を追及
会社、鍵の「管理不足」認める
2月20日、動労水戸は勝田運輸区運転士A君が昨年12月半ばから実に2ヶ月間も乗務停止になっている問題について、水戸支社と団体交渉を行った。団交では、A君が乗務停止されるきっかけとなったデジタル無線機の子機の鍵(※注)を一時紛失したことは「会社側の管理不足だった」(会社回答)ことを認めさせた。しかし、会社はそれを認めつつ、「A君を乗務停止している理由は言えない」「乗務させるかどうかは今後判断する」という極めてふざけた回答に終始した。
私たちは訴えたい。これはA君だけの問題ではない。鉄道で働く仲間全員の問題だ。団交で明らかにすることもできない「理由」で運転士を2ヶ月間も乗務停止にしているのだ。会社がこうと決めたら何でもありなのか。いったい運転士をなんだと思っているのか!
乗務停止は運転士への責任転嫁だ
事の発端は、昨年12月8日、乗務を終えたA君は真っ先に鍵を返しに当直に行ったが、受け取る当直がいなかったことから、ジャンパーのポケットにしまいこみ、後に無意識に別の場所に入れてしまい一時的に「紛失」してしまったことに始まる。後日、自分で発見し鍵は返却したが、その報告の「聞き取り」を行うための乗務停止から現在まで2ヶ月間も乗務させられないままとなっているのだ。
団交ではまず事実関係を明らかにし、長期乗務停止の理由を明らかにせよと迫った。ところが会社は「事実関係は個別のことだから明らかにできない」「理由についても答えられない」と回答した。運転士が2ヶ月間も乗務させられないのは尋常ではない。その理由を聞いても言えないとはどういうことか。
次に、乗務停止されるきっかけとなった鍵の一時紛失はどうして防げなかったのかについて追及した。この件の前11月25日にも鍵が未回収となることがあったが、そのとき再発防止の対策をきちんとしていたなら防げたはずだ。会社は「11月25日の件は報告されてない。それは良くないことだ」と回答。では(業務用の)携帯電話はどうか。勝田では当直から手渡されるのではなく、乗務員が自分で持ち出し、記帳し、乗務終了したら自分で戻すとされてきたが、別の行路の携帯を持って行ってしまったり、返すのを忘れたりすることが多発していたため、数年前から団交でも追及し、水戸支社は「現場を指導する」と回答していたのだ。ところが、現在に至るもまったく改善されてないのは支社運輸部の責任ではないか。鍵が未回収という事態が起きても報告もしない、その結果対策も立てないから、今回の件も防げなかった。会社がやるべきことをやっていないことで起きた、起こるべくして起きたということだ。この件が発生した責任は会社にあるのではないかと追及すると会社は「管理不足だった」と回答したのだ。
さらに、今回の件を会社の管理不足が原因と認めるなら、会社はどう責任を取るのか、運転士を乗務停止させて、運転士にだけ責任とらせて終わりにするつもりなのか、それはおかしくないかと追及すると、会社はグウの音も出ず沈黙してしまった。
もはや事態は明白だ。会社は自ら行うべき鍵の管理を怠り、それが原因で「鍵の一時紛失」という事象が発生したのに、それを鍵の返却をし忘れた運転士に全部責任転嫁しようとしているのだ。こんなことは絶対許すことはできない。
労働者の誇り否定する会社を絶対許さない
すべての乗務員の皆さん。すべての労働者の皆さん。今回の問題は、会社が、運転士の乗務労働というものを否定しているということではないか。運転士は誰でも、命をかけて、その存在をかけて、昼夜を問わず、眠かろうが腹が痛かろうが事故だけは決して起こしてはならないと、自分なりに必死になって安全を守ってきたのではないか。誰かが見ていなくても、誰に頼まれるでもなく、そうした運転士がいるからこそ安全な鉄道があるのではないか。それを会社は簡単に乗務停止だのライフサイクル配転だのといって運転士を切り捨てているのだ。かけがえのない運転士をないがしろにし、誇りまで奪おうとする会社のあり方は絶対に許せない。
そして、これは昨年来闘ってきた検修外注化も同じことだ。検修外注化は検修労働者の否定・切り捨てという問題だ。その先にあるものは、平成採の青年労働者を奴隷のようにいいなりにすることだ。会社の都合でいいように使われモノのように使い捨てにされるようなことは断じて認められない。動労水戸と共に仲間を守るために団結して闘おう!
(※注)現在、常磐線を乗務する乗務員は、運転室のデジタル無線機の子機を使用する際に必要な鍵を乗務のたびに当直助役から渡され、終了時に返却することが行われている。デジタル無線機の子機は、人身事故の際などに運転室を離れても輸送指令と通話できるように設置されたものだが、盗難や悪用防止のために鍵のかかった箱に収容されている。
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