動労水戸情報554号

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K544の交番検査絶対反対!
作業指示拒否のストで命と安全を守ろう

 JR水戸支社は、職場の労働者の不安と反対の声を無視し、差し当たり業務上の必要性もない被曝車両K544の運用を強行しようとしています。私たちは特に放射性物質のホコリを吸い込むことによる内部被曝の危険性について警鐘を鳴らしてきました。しかし、会社は「資産の有効活用」が優先で「放射性物質はあるが線量に問題なし」と線量の高いメイントランスの冷却装置を交換し交番検査を強行しようとしています。動労水戸は組合員と仲間、そして利用者の安全を守るために「K544に関係する作業指示が組合員に出された場合勝田車両センターの全組合員がストライキに入る」という通告を行い、作業指示が行われる3月26日13時からのストライキを貫徹しました。私たちの追及によって行われた屋根上の線量測定では、1年半以上野ざらしだった集電舟から、広野の平均線量と同じ0・2μsv(マイクロシーベルト)という値が計測されました。2年経っても線量は変わっていないという事実が突きつけられているにもかかわらず、会社は交番検査を強行する構えです。私たちの主張は単に不安をあおっているだけなのでしょうか?

命を脅かす危険な放射線の最低基準・年間1msv

 放射線は命をつないでいく遺伝子を破壊します。その凄まじさは原爆やビキニ核実験だけではありません。99年の東海村JCO臨界事故で犠牲になった2人の労働者は、細胞の再生能力が失われ皮膚も内臓も血液も再生できなくなり、輸血された血を体中から吹き出して亡くなりました。放射線はその線量に関わらず生命を脅かします。放射線にはこれで安全という「閾値(しきいち)」はありません。自然界の放射線も有害であり可能な限り避けなければならないのです。しかし、核兵器の拡散と核戦争の危機に対して全世界で反対運動が高まると、「核の平和利用」の名の下に国際的に被曝基準が定められてきました。それ自体「人間と放射線の共存」を強いるものですが、その基準が「年間1msv(1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト)」という数値です。この数値は、国と企業が守るべき最低の約束としてあります。年間1msvを超える被曝がある場所は「準放射線管理区域」とされ、放射線技師などが働く年間5msvを超える被曝がある場所を「放射線管理区域」と定めて厳格に運用されてきたのです。被曝時間を一日4時間と仮定した一般的計算では、毎時0・21μsvの場所は年間被曝量が1msvを超えるため当然にも「準放射線管理区域」になります。これがK544の基本的数値です。また、水郡線安積永盛駅では毎時0・6μsvが計測されています。これは年間では5msvを超えるので、従来なら「放射線管理区域」になります。これはチェルノブイリでは避難区域の線量であり、27年経っても深刻な健康被害が出ている場所と同じ線量になります。
 ところが2年前の原発事故以後、厳格に守られてきた年間1msvという基準が勝手に変えられています。「100msvまで大丈夫」と原発労働者の基準が勝手に緩和され、福島の子供たちにも「20msvまで大丈夫」などと何の根拠もなく基準が緩和されているのです。年間20msvとはレントゲン検査400回に匹敵する恐るべき被曝量です。また、原発事故で放出された主な放射性物質であるセシウム137は、致死量では青酸カリの1000倍以上強い毒物であり、体内に入ると筋肉に吸着し様々な健康被害をもたらすのです。内部被曝の場合、体内に入った放射性物質が細胞に直接ダメージを与えるため、外部被曝に比べその健康被害はより深刻なのです。
 会社は普段から「電気は目に見えないから、電圧の大小に関係なく、感電には注意するように」と言っていますが、電気と同じく目に見えない放射能の対策はどうなのでしょうか。会社は、K544について放射性物質があることは認めながら、こうした危険性について真剣に検証しようとしないのです。むしろ政府や東電の責任回避を率先して助けています。広野乗り入れで乗務員の積算線量も異常に高くなっています。さらに15キロ圏の竜田延伸など絶対に許してはなりません。

「安全は輸送業務の最大の使命」ではないのか

 労働者と利用者の安全を守る責任は会社にあります。車両センターでは、毎朝の点呼で安全綱領等を唱和させています。ところが今回のK544問題は、会社が労働者の命や利用者の安全に関わる重大な問題について「営利優先」で「安全無視」をしているということに他なりません。茨城県内の最も空間線量の高い守谷でさえ0・14μsvです。K544の3号車座席の0・23μsvをはじめ、明らかに警戒すべき数値であり、床下機器のホコリを労働者に吸わせるなど論外ではないのでしょうか。会社の言う「安全」や「フェイル・セーフ」が本当ならば、K544の交番検査も運用も絶対にすべきではないはずです。私たちの主張は間違っているのでしょうか?
 仲間、家族、利用者を守るためにK544の検査強行に対してストライキで闘おう!



3・25被曝労働阻止勝田車両センタースト



放射能で汚染された車両K544編成の検修作業に反対し、動労水戸は本日3月25日、勝田車両センターで働く仲間が時限ストに突入しました。



写真中央奥に見えるのが問題のK544です。現場の猛反発を押し切り、車庫内に牽引されてきました。許しがたい!





外注化と被曝労働との闘いを通して、「会社は安全に責任を取らない」ということが一層明白なものとなりました。

労働者の権利と安全を守るのが労働組合の使命です。これからも妥協なく闘いぬくぞ!




3・24三里塚全国総決起集会

3・24三里塚全国総決起集会に参加してきました。

農地死守の決意表明に立つ市東孝雄さん



動労千葉の田中委員長とともに石井委員長も発言に立ちました。




労働者の外注化・非正規化との闘いは、農民の土地取り上げに対する三里塚の闘いと同じく、「命より金儲け」の政治との闘いでもあります。

決戦を迎えた三里塚の闘いと一体で、職場での闘いを進めよう!

動労水戸情報553号

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JR水戸支社、内部被曝を無視し命と安全への責任を放棄
被曝労働阻止!3・25時限スト決行

 動労水戸は3月25日、放射能による内部被曝対策を全く無視したJR水戸支社によるK544編成の検修作業に反対し、勝田車両センターで16時からの時限ストを決行する。一昨年の10月、会社は原発事故により広野駅に半年も放置されていた車両の搬入を強行し、動労水戸のストライキと現場労働者の猛反発により運用は中止されたままだ。労働者の生命と健康に対する徹底的な無責任に対し、絶対反対で闘わなければあらゆる放射能対策がなし崩し的に無視されていくことになる。原発事故の責任を取らない国と電力資本、それと一体となって「放射能安全キャンペーン」を推進し労働者に被曝を強制するJRに対し、命と安全を守るためにストライキで共に闘おう!

列車運用と労働者の命、大事なのはどちらだ!

 動労水戸は3月22日、K544問題をめぐって水戸支社と団体交渉を行った。交渉の中で、内部被曝について執拗に言及を避け、あたかも問題のないことのように取り繕っている会社の姿勢があらわとなった。会社はあくまでも「外部被曝の基準値」を持ち出し、「国の基準には達していない」「放射線量が除染が必要なレベルに達していない」と、あたかも外部被曝のみが問題であるかのような発言に終始した。内部被曝の問題については全く回答せず、終始沈黙のままというありさまだ。

 交渉の中で会社は「K544は車両運用上必要である」と主張しているが、実際にはE531系で代用ができるので運用に困ることはないのだ。K544を使用しなければいけない理由は皆無というわけだ。K544を使うのは「財産の効率的運用」、要するに「使える物は使う」ということなのだ。運用上必要のない車両を労働者に被曝を強制してでも使うことに1ミリの正当性もない。

 会社は、機器内に蓄積されているホコリやチリに放射性物質が含まれていること、さらには車両の移動や活車によってそのホコリやチリが舞い上がることを認めながらも、対策として行うのは当該作業者への「防塵マスクの配布」のみとするという。通常の交検でも床下作業者はマスクをしていてもうがいをすると真っ黒な痰が出る。「マスクだけでは不十分だ」というこちらの指摘に対しては、「100%とまではいかないが、ほぼ内部被曝(ホコリやチリの吸引)を防げる」と言っている。現場を知らない者の発言に他ならない。また、「希望者には防護服(白い紙製のつなぎ)を貸与する」と言っている。しかし、放射能の付いたマスクや防護服の廃棄処分については何も考えていない。会社は、「社員の不安を解消するために今回の冷却器取替を決定した」と言っているが、取替作業の際の内部被曝については全く責任を取ろうとしていない。車両センターの車庫内で検修作業や活車を行えば、屋内で放射性物質が飛散し車庫内までも放射能に汚染されることになるだろう。低線量内部被曝の害は、通常即座に現れるものではなく5年後10年後に現れる。だが、福島では既に複数の子どもから甲状腺がんが発見されている状況であり、取り返しのつかない問題なのだ。労働者とその家族、利用者の生命と健康について、このような対応を絶対に許すことはできない。


生命と健康に責任を取らない会社を許さない

 放射能の健康被害を軽視した会社の態度は、外注化・強制出向と同等の、労働者の生命や生活、安全についての責任を投げ出し、問題が起こっても誰も責任を取らないというものだ。内部被曝によって実際に健康被害が出た際に、一体どうするつもりなのだろうか?このような無責任さはまさに犯罪と言えるのではないだろうか。さらに、水戸鉄道サービス(MTS)の管理者は「JRが大丈夫と言っているから大丈夫」とまで言っている。JRの方は「国が大丈夫と言っているから大丈夫」と言い、そして原発事故を引き起こした政府も電力会社も誰一人として責任を取っていない。被害者になるのは常に労働者の側だ。政府も会社も「復旧・復興」の名の下に常磐線を広野まで開通させ、「原発事故収束」を宣言している。また今回の問題は勝田車両センターの仲間だけの問題ではない。乗務員・駅員・清掃労働者、さらには全般検査が行われる郡山総合車両センターの労働者にも関わる問題だ。いまここで声を上げストライキで闘うことが、JR全体、さらに被災地や原発で働く労働者の命運をも左右する。労働者の命と安全を守ることが労働組合の使命であり、動労水戸は放射能問題について妥協なく闘い抜く。労働組合として団結して闘うことでのみ、労働者は自分たちを守ることができるのだ。共に闘いに立とう!

JR水戸支社、K544の定期運用を通告

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 JR水戸支社は3月14日、勝田車両センターに放置されているK544編成(415系4両編成)について、「今後定期運用で使用していくため交番検査施工に向け取り組んでいく」と通告した。K544は福島第一原発事故から半年以上も広野駅に留置されていた車両だ。一昨年の10月に動労水戸のストライキと現場労働者の反対の声により、1年半近くも運用から外されている。車両からは一昨年の時点でも主変圧器(MTr)冷却器と主抵抗器(MRe)のフィルターから0・93マイクロシーベルト毎時と高い放射線量が計測されている。会社は「当面のスケジュール」として、18日に線量測定を行い、19~22日の間で測定結果の周知、MTr冷却器の取替を25~26日にも行う予定だという。これらの計画は、14日の組合への通知と翌日の朝の点呼まで、車両センターの所長と助役以外には一切知らされていなかったという。通告から線量測定実施まで土日を挟んでわずか4日。組合無視・現場無視の一方的な通告に他ならない。また、通告ではメーカーによるMTr冷却器の取替がすでに予定の中に入っている。18日の計測結果に関わらず定期運用ありきの計画なのは明らかだ。さらに、車両センターの運用・計画担当にも知らせることなく計画を立てておきながら、K544運用のそもそもの必要性については会社は一切説明していない。これは勝田車両センターのみならず清掃労働者や乗務員・駅員・利用者、さらには今後K544が回送されるであろう郡山総合車両センターの労働者にも関わる重大な問題なのだ。一方的な通告と結論ありきの線量測定で被曝労働をごまかそうとすることなど絶対に認められない。

放射能被曝の危険性無視を許さない

 動労水戸はこのような安全無視の計画が進められることを断じて許さない。3・11原発事故以降、職場で問題となっている放射能問題と会社のずさんな被曝対策に対して、組合として一貫して「被曝労働絶対反対」を貫いてきた立場から、今回の問題についても徹底して闘うことを宣言する。被曝労働強制に対して共に闘おう!

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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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