友部駅でビラ配布➖水戸線ワンマン運転反対で

 私たち動労水戸は、水戸線のワンマン運転中止に向けて、1月29日に友部駅で利用者へのビラ配布を行いました。
 今回のビラ配布には組合員でコロナ感染対策を議論し、「拡声器は使わない」「手袋をする」「黙々と配布する」ことなどを決めて行いました。



 ビラの内容は、ワンマン運転が車掌の仲間の仕事を奪うだけでなく、安全とサービスの低下が免れないものであることを知らせるものです。



 ビラを受け取ってくれた人の中には、「新治駅でトイレが使えなくなっている」「運転士に何かあったらどうするのか」「ワンマンになったら不正乗車がふえる」と、私たちに話していってくれる人もいました。駅の委託や無人化が拡大し、利用者の不安が表れています。



 これまでの水戸支社との交渉で、私たちはこうした不安要素を出してきましたが、水戸支社からは納得のいく回答は得れれませんでした。
 JR東日本のワンマン運転拡大は「コスト削減」だけを追求し、利用者にも労働者にも犠牲を強いるものです。
 私たちは「安心して利用できる列車」を守るために、微力ながら取り組みを進めていきたいと思っています。


コロナ第3波のさなか、本社(新宿)で研修とは?

 コロナウィルス感染が第3波と言われ、多くの方が亡くなったり感染されています。この方々に、ご冥福とお見舞いを申し上げます。またこの状況下で、命の危険にさらされながら患者を守る医療労働者に、心から感謝したいと思います。



 こうした中でJR東日本は、全社員を対象にした「ことばの力」研修を再開しました。この研修は、各現場月に1-2名程度の割合で何年もかけて行うもので基本的に新宿の本社で行うとしています。

 この研修に対して社員からは、「なぜこの状況の中で本社に集めようとするのか」と疑問と不安の声が上がっています。社員の中には子育て中であったり高齢の親を見ていたり、あるいは家族に持病がある人もいます。



 こうした社員の都合も考えずに、会社の指示によって社員を集合させるのは、社員や家族の命を全く考えていないことだと思います。

 伝え聞くところによれば、この研修も本社のプロジェクトチームの発意によって始められたそうです。この間JR東日本では、「社員の発意」が良いことであるかのように扱われています。しかしそれは、会社にとって利益を上げることと、会社の命令に忠実に従うことを求めるものではないでしょうか。

 実際、今年3月のダイヤ改正から始まった「中編成ワンマン拡大」も、自分たちの仕事を無くしてでも利益を上げようとする、ワンマン運転拡大推進プロジェクトによって進められました。

 結局は、自分さえ会社から評価を得られれば、他の社員はどうなってもかまわないということだと思います。JR東日本の業務に従事するすべての労働者の協働でしか成り立たない鉄道輸送を、
根本から崩壊させることになります。
私たちは動労水戸は、この事態を放置することはできません。



 そこで、12月3日、コロナ感染拡大防止の観点から、この研修を強要しないこと、どうしても必要な場合は各現場等で行うことなどを水戸支社に申し入れを行いました。まだ団交は行われていませんが、労働組合としてやれることはやっていきたいと考えています。
仲間の命の危険を放置することは、自分の命の危険を放置することです。曖昧にはできないと思います。

 社員からのこの研修に対する不安の声に、管理者さえも「事情があれば申し出てください」と答えています。自分自身と家族、そして仲間の命を守るために、皆さんの職場でも声を上げていきませんか。

頑張るほどに年収が下がる?

コロナ感染拡大の中で、労働者への解雇や賃下げが横行しています。これは仕方のないことなのでしょうか。社会がどんな状況になろうとも、労働者が生きていくことには変わりがありません。それを「社会が存続するため」として、いとも簡単にきりすてられていいはずはありません。 
(動労水戸第39回定期大会)

 そうした中でJR東日本では、期末手当の組合との交渉が始まっています。会社はマスコミなどへは、グループ会社を含めて1,500億円のコスト削減を明らかにしました。この中で株主に向けて、今年の人件費を304億円カットするとしています。夏期手当では110億円がカットされました。期末手当では、更なるコストカットが噂されています。

 労働者への人件費削減が問答無用で強行される一方で、株主配当は維持されるようです。本来配当というものは利益があったときに出すもので、赤字になったのであれば出さなくて当たり前ではないでしょうか。労働者へのコストカットや利用者へのサービスを切り捨てながら投資家への配当だけは確保するという、本末転倒のことが起きているように思います。
 さらにJR東日本の経営陣のコストカットは1割ほどだそうです。彼らにとっての1割は、おそらくは社員1人あたりの年収に匹敵すると思います。しかもこの経営陣は、JR発足以来年々増やされてきました。労働組合を潰す一方で自分たちだけは肥太る構図が、如実に表れていると思います。


 こうした手当については、これまでは組合との交渉で合意しなければ決まりませんでした。しかし、労働者の過半数を組合が占めなくなってからは、会社は好きなようにコストカットしています。

 JR東日本は一昨年、当時の安倍首相と「労組なき社会・会社」を目指すための相談をしています。そのもとで、「社友会」に労働者を囲い込み、労働組合が交渉において決定する権利を奪い去りました。それによっておきているのが、今日の事態ではないでしょうか。

 多くの労働者は、こうした状況の中では管理者に言われるままにやらなければ損をすると感じて、本来の仕事の他にもマイプロジェクトや◯◯推進委員会などを取り組んでいます。ところがこうした取り組みを頑張れば頑張るほどに、労働者の収入が下がっていく事態が起きてしまいます。

 会社の言う通りにやる方が得になると感じて頑張っていることは、実はこうした状況を作り出すためなのではないでしょうか。実際、期末手当の交渉でJR東日本本社は、「10年先の未来が現実になった」と語っています。これが意味することは、もともと「変革2027」でこうなるということではないでしょうか。今の事態でさえ深刻に思い悩む労働者がいますが、こんな未来を描いている会社の施策を後押ししてしまったら、労働者の未来は真っ暗闇です。


 私たちは動労水戸は、労働者の団結した力で未来が切り開ければと、小さいながらも仲間を信じ労働組合を信じて取り組んでいます。みなさんも職場の仲間を信じて、仲間と一緒に生きる未来を切り開いていきませんか?

本当にコロナ感染予防だろうか

 JR水戸支社は10月から、泊まり勤務者の宿泊場所でのベッドのシーツ交換を、宿泊者自身に行わせることを始めました。その理由は「コロナ感染予防と経費節減」と言われています。
 しかし、宿泊者自身がシーツ交換だけをすることが、どれだけコロナ感染予防になるのでしょうか?
 結局の目的は、とにかく経費をカットすることではないでしょうか。



 これまでのシーツ交換は、乗務員の宿泊場所では委託しているグループ会社の労働者が担当していました。これを宿泊者自身で行うことで感染予防をするということですが、科学的根拠はあるのでしょうか。
 シーツ自体はその日に宿泊する労働者だけが触れることになりますが、みんなが必ず触れることになるドアやハンガー、目覚ましとなる起床装置等は、なにも対策がされません。コロナ感染は、接触や飛沫によって感染すると言われます。今回の対策では、十分な感染予防になるとは思えません。


(JR東日本は「えきネット」で「おこし太郎」を一般販売している)

 一方でこのシーツ交換は、乗務員からすれば睡眠時間を削られる労働条件の改悪になっています。乗務員の行路によっては、睡眠時間が4時間に満たない場合もあります。こうした中でたかが5分程度であっても、乗務員の負担は大きくなります。起床後も片付けをしなければなりませんが、宿泊後の勤務では起床時間は、点呼の10分前が指定されています。実際には、ほとんどの乗務員がこれより前に起床していますが、これがさらに前倒しにされていると思います。
 乗客の生命を乗せて列車を運転する乗務員の労働に、このような負担をかけるのは安全を損なうことになるのではないでしょうか。



 さらに、このシーツ交換は労働時間にはならないため、、無償で行わせられています。
 これまでのシーツ交換は乗務員の宿泊場所の場合は、委託会社の労働者が清掃と合わせて行なっていました。つまりは、委託費を支払って用意してもらっていたのです。それを切り離して、無償でシーツ交換をさせるようにしたのです。委託会社の労働者は、これまで通りに宿泊場所の清掃を行っています。しかしシーツ交換を切り離したことでパート時間が少なくなり、賃金が減ってしまうそうです。
 結局は、有償の労働を無償にして経費をカットすることだけが、コロナ感染を理由としてやられたことではないでしょうか。
 労働条件を悪くして、乗客の生命を軽んじるやり方に、私たちは疑問と怒りを感じています。


少しでも被曝から守りたい

 先日、組合員から聞いた話です。その組合員は常磐線いわき以北を乗務する運転士から伝え聞いたそうです。
 今年3月に多くの反対の声を無視して運転再開した富岡ー浪江間では、場所によっては乗務員室で3マイクロシーベルト/hにもなるそうです。これは「切り取り」という乗務員室と同じような高さの土手の辺りで計測されているようです。
 会社は「敷地内は除染したから安全」として全線開通させましたが、列車は沿線の放射能を車内に取り込んで走っているという事です。


 さらに、9月10日には大野ー双葉間で、上り列車が猪と衝突して3時間も停車する事態が起きました。乗客は救済のタクシーが来るまで2時間も列車内で待たされたようです。
この辺りのJR敷地脇の放射線は6マイクロシーベルト/hくらいあり、乗務員はその中で車両の外に出て点検などを行わざるを得ませんでした。
 会社は全線開通にあたって安全は確保されているかのように言っていましたが、現実は乗客・乗務員を放射能にさらしているのは明らかです。
 
 動労水戸は全線開通が推し進められる中で、2011年10月以来「被曝労働」を最大の問題として闘ってきました。仕事によって被曝させられる事に反対することを通して、すべての労働者・住民を被曝させないために「常磐線全線開通反対」を訴えてきました。

 常磐線は全線開通されましたが、職場で被曝が問題になることはこれからです。
 勝田車両センターでは、この被曝対策として労働安全衛生委員会の中で声が上がり除染作業で使用する防護マスクが配布になりました。
 また動労水戸の団体交渉における「希望者への血液検査の実施」の確認により、放射線技師と同様の検査を行うことが確認されています。


 すぐには放射線被曝を防げるわけではないのですが、その職場で働く労働者として声を上げていくことが、命を守ることになるのではないかと思います。


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プロフィール

HN:
動労水戸
性別:
非公開
職業:
鉄道労働者
自己紹介:
【国鉄水戸動力車労働組合】
1986年結成。JR東日本・JR貨物とその関連会社の労働者で組織する労働組合です。

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